管理職の心得は「全部背負わないけど投げ出さない」だと思う
お疲れ様です、ぽんずです。
「管理職に必要なスキルって何ですか?」
前の職場の喫煙所で、後輩にそう聞かれて、自分は5秒くらい固まりました。
段取り力
調整力
言語化力
…、どれも間違ってはないけど、どれも正解じゃない気がする。
帰りの電車でぼんやり考えてたら、出てきたのはスキルじゃなくて「心得」のほうでした。
転職6回、管理職を10年やってきて、自分がたどり着いた心得はたぶんこれです。
「全部背負わない。でも、投げ出さない。」
20代で人をクビにする側をやった話
自分が最初に「管理職の重さ」を知ったのは、スキルの話じゃなくて、人をクビにした経験でした。
20代後半、会計事務所で働いていたとき、いわゆる肩叩きをやりました。対象は30代の男性と女性の2人。
男性のほうは、正直に言うと仕事ができない人でした。でも権利はしっかり主張してくる。退職勧奨を伝えた後も数日間は出勤していて、会議室に籠もって仕事をしていました。ただ、その仕事は自分がすでに終わらせたものをなぞっているだけだった。
女性のほうは、泣いていました。
「何でですか?何で私なんですか?」
この言葉は、今でも覚えています。
20代の自分には、何も返せなかった。たぶん今聞かれても、答えは同じだと思います。
管理職の仕事はタスク管理じゃなくて「人」だった
管理職のスキルって、プロジェクトマネジメントと被る部分が多いんですよね。
段取りを組む、進捗を追う、関係者を調整する。このあたりはPMでも管理職でもやること。自分も本業でAI推進のPMを兼務しているので、正直どっちがどっちかわからなくなるときがあります。
でも、1つだけ明確に違うことがある。
PMはプロジェクトが終われば解散です。メンバーの評価もキャリアも、基本的には管轄外。
管理職はそうはいかない。
部下の評価をつける
昇給を決める
異動の相談に乗る
メンタルの不調に気づく
そして、肩を叩く
これ、地味に大事で。管理職が扱っているのは「タスク」じゃなくて「人の人生」なんですよね。
PMには明確なゴールがある。でも管理職のゴールなんて曖昧です。チームの空気とか、部下の成長とか、数字で測れないものばかり。ゴールが見えないまま走り続ける。
責任感が強い管理職ほど先に潰れていく
管理職に必要なのは「責任感の強さ」だと思ってる人は多いと思います。自分も、昔そう教えられてきました。
でも、正直ベースで話すと、責任感が強い管理職ほど潰れていくんです。
部下のミスも自分の責任
チームの数字も自分の責任
上からのプレッシャーも自分の責任
真面目すぎて、全部自分で抱えちゃう。…、そりゃ、潰れるわ。
転職6回の中で、そうやって消えていった管理職を何人も見てきました。みんな真面目で、優秀で、部下想いの人たちでした。サボってる人が潰れるんじゃない。背負いすぎる人から先にいなくなる。
自分の場合は、20代で、あの…「クビ切り」を経験したことで、メンタルの保ち方を早めに覚えました。あの経験がなかったら、たぶん自分も同じ側にいたかもしれません。
10年やって辿り着いた「全部背負わないけど投げ出さない」という塩梅
管理職を10年やってきて辿り着いた答えは、「無責任じゃない人が一番強い」ということでした。
…、ちょっとわかりにくいですよね。
要するに、責任感はそんなに強くなくていい。程よく線引きができる。でも、途中で投げ出さない。この「無責任じゃない」というちょうどいい塩梅が、管理職を長く続ける秘訣だったりします。
昔の自分は「全部背負うのが管理職だ」と思ってました。部下が失敗したら自分のせい。チームの数字が未達なら自分の力不足。そうやって抱え込んで、どんどん余裕がなくなっていく。
でも、ある時期から気づいたんですよね。全部背負ってる自分がいちばんチームの空気を悪くしてるって。
余裕がない管理職のもとで、部下がのびのび働けるわけがない。自分が潰れたら、チームごと止まる。だったら、背負いすぎないことも管理職の仕事なんじゃないかと。
「全部背負わない。でも、投げ出さない。」
シンプルに言うと、自分の心得はこれだけです。
管理職の自分を支えている3つの考え方
「全部背負わない」と決めても、それを実行するのは簡単じゃないです。だから自分は、いくつかの考え方を支えにしています。
1つ目は、サイバーエージェントの藤田さんの言葉で「ネガティブに考えて、ポジティブに行動する」。
自分的には、これが管理職のスタンスとして一番しっくりきます。最悪のケースは常に想定する。でも、行動するときは前を向く。この切り替えができると、不安に潰されにくくなるんですよね。
2つ目は、好きなことわざで「人事を尽くして天命を待つ」。
やれることを全部やったら、あとは結果を手放す。部下の成長も、チームの数字も、自分が100%コントロールできるものじゃない。やれることをやったら、あとは待つ。
3つ目は、自分でどうにもならないことは考えない。
これ、2つ目と似てるようで違っていて。「天命を待つ」はやることやった後の話。こっちは、そもそも自分の手が届かないことには最初から手を出さないという話です。上の方針、景気、他部門の事情。気にし始めたらキリがない。だから考えない。
この3つがあるから、「全部背負わないけど投げ出さない」を実行できている気がします。
結局パパだから線引きできているのかもしれない
ここまで偉そうに心得を語ってきましたけど、ぶっちゃけ、自分がなぜ線引きできているのか、本当の理由はわかっています。
家族がいるから。
心の奥底では、自分は管理職である前に、4人の子どものパパなんですよね。
だから、どこかで仕事を他人事にできている部分がある。部下のことも、チームの数字も、本気で向き合ってる。でも、最後の最後は「自分の家族を守ること」が優先。そこだけはブレない。
これ、冷たく聞こえるかもしれません。
でも、この線引きがあるから潰れずに続けられてる。家族という軸があるから、仕事で全部を背負わなくて済む。逆に言うと、この軸がなかったら自分はとっくに壊れてたと思います。
管理職の心得って、結局は「自分を守る仕組み」を持てるかどうかなのかもしれません。それが、家族の人もいれば、恋人の人もいるし、趣味の人もいるし、副業の人もいると思います。
何でもいい。仕事以外に「帰る場所」がある人は、たぶん長く続けられます。
「管理職の心得」のまとめ
管理職のスキルを聞かれて、出てきたのはスキルじゃなくて心得の話でした。
20代でクビを切る側を経験して、管理職の仕事は「人の人生に踏み込むこと」だと知った。責任感が強い人ほど先に潰れていく現実も見てきた。10年かけてたどり着いたのは、「全部背負わない。でも、投げ出さない。」という塩梅でした。
真面目なあなたへ。責任感を少し下ろしても、誰も責めないですよ。
それでは、お先に失礼します。
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自分自身、転職6回を経て今のキャリアにたどり着きました。
「次の一歩」を考えている方に、選択肢のひとつとして届いたらうれしいです。
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