#5 会話が噛み合わないパパと、なぜか4年続いた話
◆ 無口すぎる先生との出会い
2020年9月5日。
いつものようにホテルのロビーで待ち合わせ。
自動扉を開けると、ドアマンの笑顔が
「またあなたですね」と言っているように見えた。
今日の相手は60代の物静かなお医者さん。
――え、こんな普通の人がパパ活?
第一印象からツッコミが止まらなかった。
ラウンジでアフタヌーンティ。
先生は恐ろしく声が小さい。
蚊の鳴くような声で話すから、
私は全神経を耳に集中。
聞き返すのも失礼かと思い、必死に読み取ったが……
いや、これ、耳トレーニングじゃん。
◆ 会話が噛み合わないふたり
共通点を探すのも一苦労。
唯一の接点は「食通」くらい。
でも、なぜか私は思った。
――この先生を笑わせてみたい。
謎のチャレンジ精神に火がつき、
気づけば4年も続いていた。
◆ 無音と騒音のあいだで
車に乗ると、まずウォークマンと格闘が始まる。
「あれ、おかしいな」
毎回同じコント。
機械オンチ同士、改善ゼロ。
そして「好きな曲を選んでいいよ」と渡されたのは、
クラシック、ボサノバ、ユーミン……
眠気三銃士。
しかも音量は爆音。
先生の声なんて、秒で消える。
私は相槌しながら、脳内で勝手に補完。
会話AIか。
さらに先生は、話に夢中になると道を間違える。
高速道路でも平気で停まる。
駐車は超スロー。
後ろに渋滞ができていても、何度も何度も切り返す。
「何度切り返しても変わんねーじゃん」
心の中でツッコミを入れつつ、
助手席で静かに見守る。
◆ 先生の笑顔とお悩み相談
そんな先生が、ある日ふと笑った。
私の何気ない一言に、ハハッと小さな笑顔。
ツボがわからない。
でも、うれしい。
物静かでプライドの高い先生が、
ときにはこんな相談もしてきた。
「昔の女性が突然会いたいと……。
でも実は、何年も付き合っている彼女がいて、
いずれ一緒になる約束があって……」
……いや、まじめか!
「おっと、意外とやるじゃん。モテモテじゃん!」
私はテンションが上がりつつ、真面目に返す。
「昔の彼女に会ってみればいいと思います。
その時に心が動いたら……まあ、それは仕方ないことです」
その瞬間、なぜか親心が芽生えた。
「先生、ひゅーひゅーだよ!
もっと人生謳歌しちゃいな!」
心の中でエールを送りながら、展開を楽しんでいた。
◆ 他人の恋愛は最高の娯楽
自分の恋愛なら頭を抱えるだけ。
でも他人の恋愛トラブルって、
どうしてこんなに面白いんだろう。
無音と爆音に挟まれた先生との時間は、
私にとって最高のエンタメだった。
📝共感フレーズ
会話が噛み合わなくても、不思議と続く関係もある。
◆ 最後に
無音の時間が4年も続いた理由を、私はまだ理解しきれていません。
次回は、少女マンガから飛び出したような男の「家族の闇」を聞かされることになります。
🔑私の人生を変えた「3つの哲学」ついて、こちらで書きました。
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「40代女性のリアル」、これからも綴っていきます。
