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IT/ICT系メモ|なぜスマホやパソコンは「熱」を生むのか?|CPUやGPUが難しいことを処理するためにエネルギーを消費しているくせに熱が出る理由

電子部品に電気を通して処理させれば熱が出る。
電気ストーブならエネルギーを使って熱を産むのも分かるけど、スマホやパソコンは処理をするためにエネルギーを使っているはずなのに、なぜ熱まで生み出せるのか?と思ったことはないでしょうか。

当たり前と言えば当たり前・・
でもそこが気になったので調べてみましたが、結論から言うとスマホやパソコンが熱くなるのは、正常です。
むしろ、熱がまったく出ないスマホやPCがあったらそれは
「計算していない」か「動いていない」
と言っていいレベルです。
ではなぜあんなに小さな機械が、触ると分かるほど熱を出すのでしょうか。
そこを分かりやすく書いてみます!


◆そもそも「熱」とは何か?

そもそも「熱」とは何か?
難しく聞こえるかもしれませんが、熱の正体はとてもシンプルです。

物質を構成する原子や分子の運動エネルギーが熱の正体です。
この運動が激しいほど、温度が高い状態です。

電気エネルギーは、光、音、動き、計算など、色々なエネルギーに変換されて使われます。
しかし、この変換の過程で「使いきれなかったエネルギー」や「変換の際に漏れ出たエネルギー」が、原子や分子の激しい運動、つまり「熱」となって必ず発生するというのが大原則です。

スマホやPCも、電気回路の中でエネルギーが使われる際、この「熱への変換」が起こっているのです。


◆スマホ・PCの中で何が起きている?

中身を一言で言うと、

「超高速な電気のON/OFFを繰り返す装置」です。

中心にあるのは「CPU(やSoC)」

CPU(やSoC)は、

  • 0 と 1

  • YES と NO

  • ON と OFF

を、1秒間に何十億回も切り替えています

スマホで動画を見るだけでも、

  • 映像のデコード

  • 音声処理

  • 通信

  • 画面描画

が同時に動いています。

つまり、とんでもない量の電気が、一気に流れて止まる
これが繰り返されている。


◆なぜ電気を使うと熱が出るのか?

ここが一番の核心です。

ここが本当に一番大事なポイントです。

結論から言うと、電気が流れる=電子が材料の中を移動する
そしてその移動は、必ず材料の原子と衝突し、揺らし、熱に変わるという仕組みになっています。
これは欠陥でも設計ミスでもなく、物質の性質そのものです。


●電気の正体は「電子の集団移動」

まず、「電気」とは何か。

電気 = 電子の流れ

金属や半導体の中には、自由に動ける電子が存在します。
電圧をかけると、電子が一方向に流れ始める。
これが「電流」です。


●でも電子は真空を飛んでいるわけではない

重要なのはここ。
電子は、何もない空間を走っているわけではありません。
実際には、原子がびっしり並んだ結晶の中の、電子雲や格子の隙間といった非常に窮屈な環境を移動しています。

金属や半導体の中では、原子や分子が整然と並んでいるけど、完全に静止してはいない。
実際には、常に原子は微細に振動していて、この運動(熱振動)としてエネルギー放出されるのが「熱」として感じられる現象です。
そしてこれは物質の温度が高いほどよく揺れる。

電子が流れ始めると、

  1. 電子が原子の近くを通過

  2. 電子の電気的な力が原子に影響

  3. 原子が少し弾かれる

  4. 振動が大きくなる

このように、電子が原子を弾き、その振動が大きくなることで、電子の運動エネルギーは原子の振動エネルギーへと移り変わります。
つまりこれは、電気エネルギーが熱エネルギーへ変換されている瞬間です。
1回の熱エネルギーは微々たるものですが、その変換がスマホやPCの中で短時間で数十億回と繰り返されることで、どんどん熱量を上げていくわけです。

そして重要なのは、この「エネルギーが奪われる現象」こそが、私たちが電気抵抗と呼んでいるものの正体だという点です。
電子がスムーズに進めず、進むたびにエネルギーを失う――その進みにくさの度合いを、まとめて「抵抗」と呼んでいます。


●「抵抗」と呼ばれるものの正体

「抵抗」とは、電子がスムーズに流れるのを邪魔する要因ですが、正確に言うと、

  • 原子との相互作用

  • 不純物

  • 格子の歪み

  • 温度による揺れ

これらすべてが、

  • 電子の進行を乱し

  • エネルギーを奪い

  • 熱に変える

この総称が 電気抵抗 です。


●「抵抗ゼロ」はなぜ難しいのか?

「じゃあ抵抗がなければ、熱も出ないのでは?」
理論的にはその通りです。
実際、超伝導状態と言われるの極低温(−200℃以下)では、

  • 抵抗がほぼゼロで電流はエネルギーもほぼ損失しない

  • 熱も発生しない

現象が確認されています。

しかし、常温であるスマホやPCの環境では、原子は必ず揺れていて電子は必ずエネルギーを失う。
つまり、現在の技術では抵抗ゼロは日常環境では不可能という事になっています。


なぜアプリを使う回数が多いほど熱くなる?

アプリを使うと待機状態よりも消費電力が増えます。
なぜか?
同時に働く回路が増えるから」

  • CPU

  • GPU(画像処理)

  • メモリ

  • 通信回路

という複数の半導体回路などがフル稼働状態に近くなってきます。
そして、そうなると使うエネルギーが増え、スマホやパソコンも熱くなる。
これは、電子の数が多くて流れる量が増えることになるので、原子にぶつかる回数も増えていくので当然揺れもさらに激しくなる。

結果として「発熱量が増える」

これを数式で表したものが、

発熱量 ∝ 電流² × 抵抗

という ジュールの法則 です。


◆バッテリーも立派な「発熱源」である

スマホやノートパソコンが熱くなる原因というと、CPUや通信回路ばかりが注目されがちですが、実はバッテリー自体も熱を生む存在です。
現在使われているスマホやノートPCのバッテリーは、ほぼ例外なく「リチウムイオン電池」です。
これは単なる「電気を貯める箱」ではなく、内部で常に化学反応が起きている装置でもあります。

●充電中に熱が出る理由

充電中、バッテリーの内部では、

  • 外部から電気を受け取りリチウムイオンを電極の一方に押し戻す

という 逆向きの化学反応 が起きています。

このときの、電池内部を電流が流れる際の「内部抵抗」によって、電子回路と同じように必ずエネルギーの一部が熱に変わります。
特に急速充電では、短時間で多くの電流を流すので、内部抵抗による損失が増えるため、余計に発熱しやすくなります。


●使用中(放電中)にも熱は出ている

バッテリーは、使っている最中も発熱しています。

放電中は、バッテリー内部の化学反応で電気を生み、その電気がCPUや画面、通信回路に供給される。
この過程でも、内部抵抗によるエネルギー損失が避けられず、少しずつ熱が発生します。

つまり、バッテリーは「充電していても」「使っていても」常に熱を出しているということです。


●なぜ「充電しながら使う」と特に熱くなるのか?

ここで多くの人が体感する現象につながります。

充電しながら動画を見たり、ゲームをしたりすると、急に熱くなる。」
これは偶然ではありません。
この状態では、スマホの中で同時に次のことが起きています。

  • CPUやGPUが計算を行う(計算回路の発熱)

  • 通信回路が動く(通信回路の発熱)

  • バッテリーが充電される(化学反応と内部抵抗のバッテリーの発熱)

つまり、3つの発熱源が同時に動いている状態になります。
その結果、内部で生まれた熱が一気に増え、本体全体が目に見えて熱くなるのです。


●発熱とバッテリー寿命の関係

結論を最初に書くと、バッテリーにとって熱は「最大の敵」です。
一度の高温で即死するわけではないけど、少しずつ確実に寿命を削るという点。
「あれ?最近やたら減りが早い…」と思ったときにはもう寿命が近いかもしれません。

電池というものは電気を単純に溜めているのではなく、電気エネルギーを化学エネルギーに変換して貯蔵し、必要に応じて再び電気エネルギーとして取り出している、化学反応で行ったり来たりさせている装置です。
リチウムイオン電池の場合は、正極 ↔ 負極 の間をリチウムイオンが移動するとそれを電子が追いかける。
この往復が、充電、放電に対応しています。

  • ではなぜ熱によってバッテリー劣化が進むのか?

温度が高い→ 化学反応の反応速度が上がる
これは化学の基本法則ですが、これは良い面もありますが同時に余計な副反応も一緒に進むことになります。

  • 電極材料が膨張・収縮を繰り返すことで「電極表面が劣化」
    これが進むとイオンの出入りがスムーズにできなくなる
    つまり、実際に使える容量が減ってバッテリーが小さくなったのと同じような状態になる

  • 高温による化学分解や高電圧での酸化反応で「電解液が分解」
    これによりイオンの移動が遅くなる=内部抵抗が増えるとの同じ

  • 充電時の負極と電解液の反応が増えると「SEI層が厚くなる」
    SEI層そのものは保護膜として機能し悪者ではありません。
    でも厚くなりすぎると、イオンが通りにくくなる=内部抵抗が増えるとの同じことになる

多くの人は、「バッテリー劣化=容量が減る」と思っています。
実際には、まず内部抵抗が増えることで充電がしにくく使用時も流れにくくなって最後に容量が減るという順番が多いです。

そして、その引き金になる最大要因が「熱」だということです。


●寿命を延ばす「現実的な対策」

極端なことをする必要はありません。

効果が高い順

  1. 高温を避ける・・これが最優先

  2. 充電しながら使わない・・特にゲームや動画など回路負荷が高いことをすれば熱の発生が増える。

  3. フル充電・完全放電を避ける・・20〜80%運用が理想。
    最後まで使う貯めるという事が、限界に近いところまで電極に負担させて押し出したり電極構造が不安定な状態で再充電することになるし、入れにくい状態のところに電圧を上げて押し込むことになる。
    「端の領域」ほど、化学的・電気的に不安定で、内部への負荷が大きく寿命を縮めやすいのです。

  4. ケースの放熱を意識・・厚手ケースは外の外気との接触が出来ず熱がこもる


◆パソコンの方が熱くなりやすい理由

「スマホよりPCの方が熱い」これは当然です。
理由は単純で、ノートPCでもスマホより処理能力が高く、熱の発生量よりも性能優先で設計されているため、消費電力が桁違いに多いからです。

  • スマホ:数W

  • ノートPC:15〜45W

  • デスクトップ:100W超

電気を使う量が違えば、熱も比例して増えます。


ファンは「冷やしている」のではない?

ファンの役割は「熱を消す」のではなく、「熱を外に運び出す」だけです。熱は、勝手に消えないのでどこかへ逃がすしかない。
ファンや放熱板は、内部で発生した熱を空気や外装へ移動させるための仕組みですからその熱自体で本体外装や周囲は熱くなるわけです。


●「熱くなる=壊れやすい」ではない

これも重要です。
現代の機器は熱を前提に設計されています。

CPUには、

  • 温度センサー

  • 自動クロック制御

  • 強制シャットダウン

が備わっています。
危険な温度になる前に「自分でブレーキをかける」ので、使う方は普通に使っている限りは熱に対して特別気にする必要もないです。


●では「異常な熱」とは?

熱に対して特別気にする必要もないとは書きましたが、以下は注意です。

  • 触れないほど熱い

  • 何もしていないのに常に高温

  • 急激な発熱+電池の減りが異常

これは、

  • バッテリー劣化

  • ソフト暴走

  • 冷却不良

の可能性がありますから、原因に対して対策をしないと急激なバッテリーの劣化につながることになります。


◆まとめ

スマホやパソコンが熱を持つのは、性能が悪いからとか設計が雑だからというわけではないです。
むしろ逆で、人間が求める速度と複雑さに、限界まで応えようとしている証拠と言えます。
CPUやGPUは、無数の単純なものから複雑なものまでの計算を一瞬で終わらせるために、電気を受け取る過程で化学反応を動かし続けています。
その過程で生まれる熱は、避けられない物理現象であり、同時にこれだけの仕事をしているというサインを発しているという事でしょう。

私たちの手の中にある小さな端末は、今日も限界ギリギリで働いています。
その頑張りの結果が熱なのだと知るだけで、スマホやパソコンの見え方は、きっと少し変わるかも?


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次回は「ITパスポート知識定着メモ」を少し書いていますので、お時間あれば読んでみてください。

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