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知るメモ|【アパートメントホテル】|ホテルなのに「暮らす」?~海外では当たり前!日本でも増え始めた新しい宿のスタイル

「アパートメントホテル」という言葉、聞いたことはありますか?
ホテルなのにアパート?
そう聞くと、少し矛盾した言葉に感じるかもしれません。
でも最近は、日本の都市部でもこの名前を冠したホテルを見かける機会が増えています。

アパートメントホテルとは、簡単に言えば「キッチン・洗濯機・リビングを備えたホテル」のことです。

  • キッチン(コンロ、冷蔵庫、電子レンジ)

  • 調理器具や食器

  • 洗濯機・乾燥機

  • リビングスペース

  • 複数のベッドルーム

こうした設備が、ひとつの部屋の中に揃っています。
アパートメントホテルでは、「寝る」「食べる」「洗う」「くつろぐ」という生活のすべてが、部屋の中で完結してしまいます。

外廊下で繋がっていてカギの付いた扉があるマンションの1室にも見えるので、それは民泊じゃないと思うかもしれませんが、簡易的ですがフロントもありホテルマンも常駐している場所も多いです。
私が夏休みを使っていった先の宿もそんな感じでしたが、思っているよりも便利で快適でした。

今回は、このアパートメントホテルが普通のホテルと何が違うのか、そして世界の人々がこのような施設をどのように利用しているのかを紐解きながら、「旅先で暮らす」という新しい選択肢について考えてみたいと思います。


ホテル・民泊・アパートメントホテルは何が違うのか

大まかに整理すると、次のようなイメージになります。

  • ホテル:サービスを買う

  • 民泊:住宅を借りる感覚

  • アパートメントホテル:ホテルとして宿泊しながら、住宅のように暮らす

ただし実際には施設ごとの差が大きく、法律上「アパートメントホテル」という独立した施設区分が存在するわけではない点には注意が必要です。

普通のホテルが「旅行者としてその街に滞在する」場所としての存在でしょう。
温泉やプールなど、そのホテルの宿泊者のみが楽しむための施設があったり、朝食やディナーを楽しむ場所としては優れている場合も多いです。

一方のアパートメントホテルは「その街に、一時的に住む」場所として使えるぐらいの差はあります。


例えば、自分が選ぶのは基本寝るだけみたいな使い方が多いです。
日中は観光地をめぐり、美味しいものを食べ、夜になってホテルに帰り、シャワーを浴びて寝るといった寝室中心の宿が多かったです。

そこに、アパートメントホテルに備わる、部屋の洗濯機やキッチン、電子レンジが備わると旅行中の自由度がまったく変わる。
さらに、ベースがマンションなので浴槽とトイレが区切られて個別にあり、風呂に洗い場があるものも多く、しかも寝室からそれらが廊下と扉で区切られて離れて配置されている場合も多いです。
同室で2人以上で泊まるとき、案外気になるのが音です。
寝室とその真横にあるユニットバスが一般的なホテルでは、あらゆる音が筒抜けなのを結構なストレスと感じる方も多いはず。
寝室、風呂、トイレが離れているだけで、そのストレスがかなり減り快適になるはずです。

キッチンも、普通は旅行で使わないと思うかもしれません。
でもスーパーなどで、その土地だからこそ安価に手に入る生モノは結構多いです。
手ごろな価格で買えた肉や野菜などに少し火を加えるだけで、おいしく食べれるというのも一つの旅の楽しみになるかもしれません。

あとは、夏の時期などは1日歩き回るだけで汗だくですから、着替えが必須です。
1泊ならともかく3,4泊となると荷物も増えてしまいます。
でも部屋に洗濯機があれば、ホテルに帰ってきたら洗剤と一緒に投げ入れて洗って、夜のうちに乾かして次の日は清潔な衣服が着れるわけですから、極端なことを言えば荷物なんかいらない。

ホテルにいながら街そのものが生活圏になる
これは、実際に使ったことがある人ほど実感する感覚だと思います。


実は「日本だけの新しい流行」ではない

海外では以前から、Apartment Hotel、Aparthotel、Serviced Apartment、Extended Stay Hotelといった名称の宿泊施設が存在してきました。
特にヨーロッパでは「aparthotel(アパートホテル)」という呼び方が定着しており、ホテルのように予約できながら、キッチンなどを備えた中長期滞在向けの施設として発展してきた歴史があります。

海外の人は、何のために使っているのでしょうか?

① 家族旅行・グループ旅行

ホテルの部屋をふたつ取るより、リビング+複数ベッドルーム+キッチンがひとつになった部屋のほうが、家族で過ごしやすいという声があります。

子供連れの旅行では、「子供を寝かせたあと、大人はどこで過ごすか」という、普通のホテルにはない悩みが生まれます。
大きめのアパートメントホテルなら、子供を寝室で寝かせつつ、大人はリビングでゆっくり過ごすことができます。
ヨーロッパのアパートホテルでも複数ベッドルームを備えた施設が多く、家族旅行やグループ旅行との相性の良さが強みとして紹介されています。

② 長期出張・駐在

ヨーロッパでは、出張の相当数が5泊以上の長期滞在にあたるとの報告もあり、こうした滞在にはアパートホテル形態が選ばれやすい傾向があります。
日本のJLLの分析でも、サービスアパートメントの主な利用者は、海外本社から日本へ派遣されて中長期滞在するビジネスパーソンや、大使館関係者などのいわゆる「エクスパット」だとされています。

たとえば「3週間の海外出張」を想像してみてください。
普通のホテルであれば、朝食を食べて出勤し、外食して部屋に戻る、という毎日の繰り返しになりがちです。
一方アパートメントホテルなら、近所のスーパーで買い物をし、部屋で料理をし、洗濯をし、リビングで仕事をして眠る、という「生活」に近いサイクルが成立します

③ リモートワーク・ワーケーション

近年アメリカでは、フルキッチンと洗濯設備、Wi-Fiを備えたエクステンデッド・ステイ(長期滞在型)ホテルが、リモートワーカーや「デジタルノマド」の受け皿として拡大しています。
全米大手チェーンのひとつは、2026年1月時点で600拠点以上を展開し、出張者だけでなく、転居中の家族やリモートワーカーまで幅広く利用者としているといいます。


なぜ海外では「暮らす旅行」が受け入れられたのか

日本では、「旅行=観光」という捉え方が比較的強い傾向にあります。
だからこそ、ホテル→観光地→ホテルという移動パターンになりやすい面があります。

一方で海外では、「その街に滞在する」という感覚が比較的強く根付いている場合が多いようです。
もちろん国や個人によって差はありますが、観光地をすべて回るより、その街での「ふつうの生活」を体験する旅行スタイルとの相性が良いと言えます。

コロナ禍が変えたもの

もともと存在していたアパートメントホテルという業態ですが、コロナ禍を経て、リモートワーク、ワーケーション、長期滞在、家族旅行、自炊、人との接触を避けたいというニーズとの相性が一気に高まりました。
ヨーロッパでも、リモートワーカーの増加によってアパートホテル業態が発展・洗練されてきたと指摘されています。

つまり「ホテルに泊まって観光する」だけでなく、「ホテルを生活拠点にして、その街で仕事も生活も観光もする」という使い方が広がっていったわけです。


日本でもなぜ増えているのか

日本での拡大を後押ししている最大の要因は、インバウンド需要です。

観光庁の調査によれば、東アジアからの訪日客の平均宿泊数は5泊前後、東南アジアは7泊前後、欧米豪では11泊前後とされ、特にドイツ人は15.7泊、フランス人は15.4泊という長期滞在も珍しくありません(観光庁「訪日外国人消費動向調査」)。
荷物が多い
数日以上滞在
洗濯や自炊をしたいし大人数で泊まりたい。
こうしたニーズに、従来の客室中心のホテルでは対応しきれない部分がありました。
国内で展開するあるアパートメントホテルブランドは、2023年上半期の全拠点平均滞在日数が6.5泊、開業から3年間で90カ国以上のゲストを受け入れたと発表しており、平均客室単価も東京都心部のホテル平均の倍近い水準で推移しているといいます。
長期滞在傾向が強く、単価の高い欧米豪からのインバウンドを取り込めていることが背景にあるようです。

一方でJLLの調査では、東京のアパートメントホテルの平均滞在日数は3〜5日程度というデータもあります。
本来は中長期滞在向けとして生まれたはずの業態が、いまや数泊程度の「ふつうの旅行」でも選ばれ始めている、ということを示しています。
東京・京都・大阪で店舗数を拡大しているMONday Apartのように、最大7名まで宿泊できるファミリー向け客室を備え、洗濯機や調理家電をひととおり揃えた施設も増えてきており、グループ旅行や家族旅行の受け皿としての存在感を強めています。


ただし、普通のホテルより「面倒」な部分もある

アパートメントホテルは万能ではありません。施設によっては、

  • 毎日の清掃がない

  • タオル交換の頻度が少ない

  • フロントが常駐していない、セルフチェックイン

  • 調理器具や調味料が最低限

  • ゴミの処理を自分で行う必要がある

  • アメニティが簡素

といった特徴があります。
ホテルらしい手厚いサービスを期待すると、戸惑う場面もあるかもしれません。
逆に、「自分の家のように使う」という前提で捉えると、非常に快適な滞在になります。


おわりに

実際に1週間ほど東京近郊のアパートメントホテルで違う場所2か所に泊って、それぞれ数日ずつ暮らしたらどうかの体験旅行をしてきました。
普段は車移動しかしないのですが、電車やバスが発達している地域ではどんな行動ができるのかと思い、あまりお金を使わずにどこまで行けるか試したりして遊んできた後に、近所のスーパーで食材を買い、部屋でテレビ番組を眺めながら食事をし、洗濯をして眠りにつくといった生活。
結構面白かったです。

旅行とは、有名な観光地をせわしなく見て回ることだけなのでしょうか?
朝、現地のスーパーへ行く。近所のパン屋で朝食を買う。洗濯をする。キッチンで簡単な料理をする。夜はリビングでゆっくりする。
そして、数日後にその街を離れる。
アパートメントホテルが提供しているのは、単なる「キッチン付きのホテル」ではありません。
それは、誰もが手軽に「旅先で暮らす」ことができる、新しい旅行の形なのかもしれません。
「今度の旅行は、あの街に住んでみよう」そんな計画の立て方も試してみませんか?


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次回は「東武百貨店」について少し書いていますので、お時間あれば読んでみてください。

日々の出来事から日記代わりにいろいろ書いています。


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