「日本はオワコンではない!」という直観は愛国心から〜羊社長の投資日記 〈第4話〉
こちらは「羊社長の過去の歩みを記録した投資日記」です。
今回は「投資を始めた頃の初心」について、ちょっとしっとり真面目なトーンで書いてみます。
第3話までのおさらい
2019年夏の暴落、米中貿易戦争激化の最中「資産を守ろう」とダブルインバース(株価が下がると儲かるETF)を買い、「日経よ、下がれ!」と呪詛を唱えるも、見事に担がれて人生初の損切りを経験したワタクシ。
「暴落局面で買い場を逃した」ことにショックを受け、「ただひたすら良い企業を安値で買うことに専念しよう」と心に決めました。
そんな時、ビビッと霊感のごとく背筋を貫く「使命感」が湧いてきたのでございます。それは投資を始める後押しとなった「初心」でした。
その心は――「日本」を応援すること!🎌
当時、まだ資産数百万円の若輩者が、なぜそんな大それたことを考えたのか?
それはひとえに「歴史観」から来るものでした。
ここから、すこしだけ身の上話をさせてください。
なんだか投資とは無関係そう…と感じる方。お気持ちはわかりますが、「マインドセット」はかなり重要な投資の基盤です。
今しばらくお付き合いください。
羊のパーソナリティ〜投資前夜のマインドセット
元来、ワタクシは「歴史」や「社会学」が大好物のド文系。
現実世界で闘うビジネスマンよりも、昔話の登場人物に関心を持つタイプでございます。
また、日夜「哲学書」を読んでは「自分の人生の悲哀」と「人類の行く末」を天秤にかけて、あぁでもない、こうでもない、と「世界の構造」を見渡すような夢想的な日々を過ごしておりました。
おまけに手取り20万円にも満たない自分の薄給を憂いながら、三十後半まで実家ぐらし。家事もロクに手伝わず、四畳半の薄暗い自室にこもっては、悶々と思索にふけって暮らしていたのでございます。
そんな夢想ばかりで、現実社会で誇れるものなど何もなかったワタシクですが、唯一救いようがあったのは「極端な思想に犯されて、世の中を憎まなかったこと」だと思われます。
人生は時に不条理です。
しかし「世界の歴史や構造を知れば知るほど」
翻って「日本の歴史・伝統・文化の素晴らしさ」
が心に沁みる感覚を抱いておりました。
それは「どちらが上か下か?」という「比較」ではなく
「日本らしさが世界のためになる」という「直観」でした。
その直観は、
日本は絶対に復活する!
このままデフレと低成長に沈み続けて終わるはずがない!
どういうわけか、不思議とそんな確信に繋がっておりました。
では、その思いがどこから湧いてきたのか、すこし整理して言語化してみます。
🇯🇵日本を信じる根拠とは?
ひとつ譬え話をしてみます。
日本は「和(わ)の国」と呼ばれます(聖徳太子の「十七条の憲法」の精神ですね)。
では「和」とはなんでしょう?
「和(規律)を乱さないように空気に同調すること…本音と建前を上手く使い分けて穏便に暮らすこと」
そんなイメージを持ち、日本に「閉塞感」を感じる方も多いのではないでしょうか?
しかし本質は違います。
和は「やわらぎ」と読むのが、古代日本語の意味を踏まえた有力な解釈の一つです。
その意味で十七条の憲法、すなわち7世紀の日本政治の理念を読み解くと…
「和(やわらぎ)を以て貴し(とうと)と為し」
⇒ 互いに心を和らげることを尊重し
「忤(さか)ふること無きを宗とせよ」
⇒ いたずらに対立せず
「衆(もろもろ)と論(あげつら)ひて然るべし」
⇒ 大事なことはみんなで議論して決めるべきだ
和を「同調圧力に沈黙するイメージ」ではなく、「互いに尊重しながら話し合うやわらぎの精神」だと捉えると、自然と文脈が繋がりませんか?
一人ひとりがむやみに対立せず「建設的に話し合う」という、まさに「現代の民主主義にも通じる理念」を謳っていることがわかります。
民主主義をアメリカなどの西洋文明から教わったもの、と単純に捉えると、日本文明の本質を見失うような気がしてなりません。
日本は元来「バランス(調整力)に優れた国」です。
この精神の裏側には、悠久の時代から育んできた「神道(民族的文化)」や、古代国造りに大きな役割を果たした「仏教(東洋的文化)」の影響が色濃く現れていると思います。
⛩️神道は、豊かな自然との共生を謳い、カタチあるすべてのものに「魂(神性)」を感じ(八百万の神)、先祖を敬う信仰です。
☸️仏教は、カタチあるものは必ず姿を変えること(諸行無常/有為転変)、自我への過度な固執(世界の中心に私を置くような思い込み)を手放すこと(諸法無我)、世の中のすべての事柄は縁の糸でつながっていること(縁起)を解き明かした哲学的な宗教です。
🇯🇵古来、日本はこうした異なる文化を対立させることなく融合させ、独自の社会へと昇華させてきました。その柔軟さこそが、変化に適応する「しなやかさ」と、社会経済を支える「強さ」の両方を育んだのだと思います。
そして、その確かな基盤の上に、海外の技術や知識を「柔軟に吸収」し、日本文明は「奥行きの広い複雑な社会」を構築したのだと考えます。

ちょっと変ですけど、作者のGemini殿に悪意はありませんのでお許しください。
日本文化の象徴から導いたイマジネーション
日本文化の「強さとしなやかさ」は、千年以上受け継がれてきた建築や工芸にも色濃く現れています。
例えば、ワタクシはそれを現存する世界最古の木造建築群「法隆寺」に見て取ります。
世界有数の地震国でありながら、完成当時の姿を留めて1400年近く受け継がれてきた法隆寺。それは、日本人が単に優れた技術を生み出しただけではなく、その技術を世代から世代へ受け継ぎ、磨き続けてきたことを物語っています。
とりわけ象徴的なのが、五重塔に見られる「心柱(しんばしら)」という発想です。
建物を力任せに固めて地震に抵抗するのではなく「揺れを受け流しながらバランスを保つ」その構造は、現在の東京スカイツリーの設計にも応用されている技術です。
自然を征服するのではなく、自然と向き合い、調和しながら生きてきた日本人らしい知恵の結晶なのかもしれません。

日本人にとって柱は神宿る場所、天地を繋ぐ特別な存在だったのでしょう。
文明は絶えず日進月歩するもの。
新しいものを生み出す力はとても大切です。
しかし、それと同じくらい大切なのは、先人たちの知恵を学び、守り、改良し、次の世代へと繋いでいく力です。私は、その積み重ねこそが日本文明の強みであり、今日の日本の企業精神にも脈々と受け継がれているのだと思っております。
ご理解いただけたでしょうか?
柔らかさと強靭さを兼ね備えた「和らぎの国ニッポン」。
それは、いわば「柳に枝折れなし」を体現した社会なのでございます。
歴史から現在への橋渡し〜そして未来への投資
法隆寺の宮大工が守ってきたのは、きっと単なる建物ではありません。
技術そのものだと思われます。
図面だけでは伝わらない。
木の癖。鉋の入れ方。組み方。
そうした知恵を、一人の職人から次の世代へ受け継いできたからこそ、1400年という歳月を超えることができたのでしょう。
企業もまた、同じではないか?
ワタクシはそう思います。
小さな町工場がつくる一本のネジ。
スーパーで売られている食品を包む包装フィルム。
自動車のエンジンを支える点火プラグ。
家庭へ安全に電気を届ける送配電用の電線や絶縁材料。
電子機器の中で精密に動き続けるベアリングやコネクター。
半導体を製造するための超精密な製造装置や高純度の材料――。
すべて技術の継承と職人たちの思い(魂)があるからこそ、高い品質を保てるものばかりです。
継続は力なり!
カタチあるものは姿を変えるが、知識や技術は紡ぐことができる。
その歴史的連続性がある限り、文明が滅びることはないだろう
そんな人類の知恵を体現した「日本社会」。
それは「継続力」がものをいう「モノづくりの国(職人の国)」である。
それが、ワタクシの日本に対する「歴史観」でございます。
投資1年目のワタクシは、決算もロクに読めない若輩者でしたが、日本社会に対する歴史観だけは、今と変わらず持っておりました。
そして、どんな企業に投資したいか?と考えて
「100年先も200年先も、社会を支え続けるモノづくり企業に投資したい」
そう決意したのでございます。
それは、自分の退屈な日常に差し込む「一筋の光明」のような希望でした。
なるほど、ワタクシにとって「投資とは希望」。
そうだ、その答えあわせをするために「資産運用」を始めたのだった。
だからこそ、証券口座を開き、「眠ったままになっていた貯金」を「未来の価値を紡ぐ企業」に投資して「価値ある資産」に変えようと考えたのだ。
ワタクシはようやく初心を思い出しました。
なんと恥ずかしいことでしょう。
目先の数千円に一喜一憂したり、「ダブルインバース」なんてつまらないETFを買ってみたり…。たった半年で初心を忘れ、相場に振り回されていた自分を心底愚かしく思いました。
さぁ、ここからが本番だ!
ワタクシは「心の心柱」を入れ直し、銘柄リサーチに挑みました!
まとめ : 第4話の振り返り
日本は断じてオワコンではない
投資にはマインドセットが必須である
マインドセットは「世界を見る目」と繋がっている
初心忘るべからず
✏️(予告)次回以降のエピソード…
マインドセットを整え、ようやく腰を据えて相場に臨んだワタクシが、当時持っていた銘柄をいくつかピックアップしてみます。
コマツ…ヤマハ発動機…双日…スター精密…東レ…三菱ケミカル…三菱UFJ銀行…etc
どれも割安株のオンパレード。
いったいこの銘柄たちの何を見て、どんな夢を託したのか?
次回以降は「割安株」に「夢を託した」その大いなる直観と、その後の悪銭苦難の歴史をお伝えします。
📘第1話はこちらから
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