【プレビュー】V・ファーレン長崎 VS RB大宮アルディージャ
長崎の主なデータ
8位 7勝6分5敗
29得点 29失点
得点数:1位
チャンスクリエイト数:1位
ゴール期待値:1位
シュート数:1位
枠内シュート数:1位
シュート決定率:7位
パス数:3位
パス成功率:1位
ドリブル数:2位
スルーパス数:1位
クロス数:2位
コーナーキック数:2位
ボール支配率:3位
1VS1勝利数:3位
失点数:17位
被シュート数:7位
被ゴール期待値:7位
被チャンス構築率:7位
被枠内シュート数:12位
被シュート成功率:20位
セーブ数:20位
こぼれ球奪取数:8位
クリア数:18位
ブロック数:18位
*順位はいい方から
オフシーズンに怒涛の補強をし、各種予想で圧倒的優勝候補に挙げられていた長崎。
しかし前半戦は勝ち星を思ったほど伸ばす事ができず、現在PO圏外の8位に甘んじている。
攻撃スタッツはもう言う事が無いくらいハイクオリティなデータが並び、1位がゲシュタルト崩壊してくるレベル。得点は千葉に並んでリーグ1位の、恐るべき破壊力である。
一方、守備のスタッツはシンプルに悪い。
何より失点数がかさみにかさみ、莫大な得点貯金を、多額の失点で相殺してしまっており、得失点差はなんとゼロ。
ただデータ的には、シュートもそこまで多く撃たれておらず、被チャンス構築も被ゴール期待値もそこまで悪くない。だのに失点数が多いのは、撃たれたシュートがことごとく失点に繫がっているためだという事を、被シュート成功率とセーブ数が最下位というデータが如実に示唆している。シュート撃たれてなくてセーブ数が低いってわけじゃあないしね。
また、クリア数とブロック数も悪く、一端攻め込まれるとDFが耐えきれなくて、失点献上という展開が多かった事が見て取れる。
とにかく典型的な攻撃偏重のデータが並ぶ、非常に特徴的な長崎の各種データという印象。
ただその辺りは勿論フロント・監督陣も承知の上なんだろうけど、守備力改善で四苦八苦しているなぁというのが、外から見ていて思っていた感想。
前節の長崎 (VS 水戸ホーリーホック)

守備の基本は大宮と同じ3-4-2-1。WBとトップにスペシャルなブラジル人が並び、中盤の底には今年の移籍の目玉の山口蛍が入る。山口が離脱中に失点がかさんで負けが込んでいたのだが、彼が帰ってきた後のここ数試合は最小失点で乗り切れている。
櫛引は大宮でやってた右CBではなく、左CBで先発出場。
WBの増山はジュビロ磐田のクルークスと並んで、アシスト数1位(6 アシスト)の良WB。
開幕からの守備の不安定さの改善のため、大分トリニータ戦から3バックを採用し、その大分、続くジェフ千葉と2連勝で、新システムにある程度手応えを持って臨んだこの試合。
3バック変更に面食らった大分・千葉と違い、事前に3バックのデータをしっかり解析したであろう、現在J2最強を誇る水戸に、どこまで新システムが通用するかの試金石となる、長崎にとって大事な一戦となった・・・
・・・のだが、開始10分でいきなり3失点!
1失点目:FKを櫛引がオウンゴール。
2失点目:中盤のセカンドボール争いに敗れ、ショートカウンターの形で渡邉新太にボールが入る。距離はあったが、ペナ外から振り抜いたシュートは、DFの股を抜いてゴール左隅へ。
3失点目:GKから左SHの津久井へロングボール。津久井がフィジカルを活かして相手を体で弾きながら強引にペナ侵入。津久井から少し離れたボールを渡邉新太が拾って、またもやゴールに撃ち込んだ。
ということで、長崎は試合開始早々に3失点というハンデを背負うことに。
1失点目はともかく、2・3失点目は渡邉新太の個が光ったゴールではあったが、新システム3バックへの長崎の自信を必然打ち砕いたであろう、水戸の即時攻撃であった。
*あ、三点目に絡んだ津久井という選手は、フィジカルが強いし、180 cmあるし、前への推進力あるし、本当にイイセンシュダナー。

試合序盤から得点に必要になった長崎は、前目に出ざるを得なくなる。
守備時3-4-2-1から、攻撃時は右CBの新井をSB化させた4バック可変で前進を図る。更にその際は、ボランチの阿部がアンカー化して、山口と縦関係になる4-1-1-3-1みたいな感じに (図の山口の位置はもう少し下)。
ただ、水戸に3点取られるまでほとんど長崎がボール持ててなかったので、この攻め方が通常通りなのか、3点取られたからなのかは不明。大宮相手なら普通に4バック可変はやって来そうではあるんだよなー。
パス数3位・ボール支配率3位が示すように、ロングボール主体でっていうか、アンカーを介した後ろからショートパスで繋いでいく意図が強い長崎。監督のインタビューを聞く限り、水戸のDMFとSHの間のスペースをWBで突いて、サイド攻撃をしたかったんだと思われる。
ところがこの試合、長崎は全く攻撃がうまく行かない。
試合通してとことん水戸の中盤の網に引っかかって刈られまくれ、前線にボールを届ける事ができない始末。
水戸が前後からボールホルダーを挟んだり、意識が行ってない死角からプレスをかけたりしてたのはわかるんだけど、特段特別なプレスをしているようには見えない中、気持ちいいほど中盤でボールをかっさらう様は、本当魔法を見ている感じだった。
水戸のネガトラジ時の、攻から守への切り替えの早さがそう見せたのかしら。。。
中盤でボールを奪われるならロングボールだぜ!・・・ってのがセオリーなんだけど、前半は向かい風だったってのもあったのか、スペシャルなジェズス目掛けたロングボールはほとんど使用していなかった。(元々ジェズスはポスト型FWというかボランチだったし…)
また、ジェズスの足下にボールが入っても、水戸の2CBが挟んで前を向かせることをさせず、この試合はほぼほぼ完璧に封じられてしまっていた。
一方、長崎の課題である守備だが、こちらもあまりうまく機能していなかったという感想。
3失点は個の力が大きかった面もあったけど、失点がたまたまだったとは言い切れない感じで、その後も水戸にゴールを脅かされ続けた。
中盤の網で奪われた後のカウンターであったり、後ろから繋がれての中央突破で組織的に綺麗に崩されたりと、数多く水戸にチャンスを作られ、渡邉新太のハットトリックを防ぐのがやっとの状態。
この試合を見た感じだと、特にDFとボランチの連携が悪く、簡単にこの両者の間のスペースを水戸に使われて、シュートまで持っていかれていた印象。例えばこのスペースにFWの渡邉新太が落ちてきても、誰一人捕まえにいっていなく、ボールを受けて楽々反転されるってのが散見された。
長崎の後ろはマンマークというかゾーン守備なのかな?守備ゾーンの隙間をうまく水戸に突かれていた印象が強い。
早く点が欲しいが中々うまく行かない長崎は、にっちもさっちも行かなくなり、前半40分という中途半端な時間に布陣を4-4-2に変えて、攻撃のテコ入れを図る。
4-4-2にしても、ボランチの阿部と山口が縦関係になるって攻め方は一緒だった。
だが前半にスコアは動かず、水戸が3点リードでハーフタイムへ。
前半のボール支配率は長崎が51%と、水戸を上回る意外な結果に。感覚だと、終始水戸がボールを支配しているように見えてた印象の前半だった。
後半も前半同様の展開に。
4-4-2にした長崎だが、前半同様に中盤で刈られまくってFWのジェズスまでボールが届かない。
風上に立つ事から、後半はロングボールも使ってくるのかなとも予想していたけど、ロングボールもそんなに使っていなかった。
あと、前からのプレスも、ギリェルメらのファーストプレスの後ろがついてこず全て単騎で終わってしまい、連動性のなさをDAZNの解説の人にも苦言を呈されていた。
終盤195 cmのFWセリンサリオを入れて若干押し込む時間もあったが、最後まで水戸を崩す事ができず3-0で終戦。
自信を持ち始めた3バックへの信頼感も揺らぐ、失点以外の部分の内容も水戸に上回られた長崎の完敗であった。
長崎注目選手
FW 9 フアンマ
ワントップを張る強靭系FW。ファンマじゃあなくてフアンマ。フアンマ・フアンマ。
高木監督政権下の長崎で活躍。その後、大宮の監督となった高木監督の要望で2019年に大宮入り。守備に重きを置く戦術の中、前線で単騎でボールを収めまくって、チームのライン押し上げに貢献していた。GKと1対1になってのシュートもうまいうまい。
足下へのパスを体を張ってポストするというより、愛媛FC戦のサンデーやラッソみたいな、50/50の前線へのアバウトなボールを、相手DFに体をぶつけて収めるってのが得意だった大宮時代。足下で貰うのがうまいシモヴィッチと、豪華に併用してたなぁ…。
残念なことに大宮は1年で退団。アビスパ福岡を経て、2023年に長崎に戻り、同年いきなりJ2得点王を獲得。今年4月のいわきFC戦でのハットトリック大爆発も記憶に新しい。
モンテディオ山形戦で貰ったレッドによる3試合の出場停止があけ、本当嫌なタイミングで復帰してくる事に。起用されれば、ガブリエウとのバチバチの肉弾戦が見られそう。水曜の天皇杯に出てたので、スタメンはどうなのかな?
DF 25 櫛引
フアンマがいた2019年夏、名古屋グランパスから大宮にレンタル移籍。
高木監督の下、3CBの右のレギュラーとして活躍。昇格に望みを繋ぐ、A水戸戦でのスーパーゴールは非常に思い出深い。
レンタル終了後、サンフレッチェ広島入りするも、2021年に大宮に完全移籍で復帰。4バックのCBのレギュラー格として出場を続けるが、途中就任した霜田監督の求めるDF像と違ったのかシーズン終盤はベンチが多くなり、シーズン終了後に長崎に移籍。長崎への移籍は、なんか笠原+櫛引と新里の、交換トレードっぽかったよね。
個人的には高木監督下の3CBの右の印象が強い。当時はずっと4バックの大宮を見慣れていて、CBってこんなに攻撃参加するんだーって、子供みたいな感想を持った記憶。
長崎では左CBを務めているみたい。長崎は右CBが上がる構造なんで、あまり攻撃参加は見られないかな?
大宮展望
前半戦をしめくくる長崎との一戦。
前節愛媛FC戦に引き続き、U-20参加で吏音不在の中での戦いとなる (試合当日はすでに帰国しているが、スケジュール的に無理はしないと思われる)。
前線に強力な外国人を誇る長崎の事を考えると、愛媛戦と同じくガブ様が中央CBに入り、村上が右CBに入ってくるはず。
長崎はトップにフアンマ、シャドーにMジェズスとかかな?怖い怖い。
新加入のイヨハは左CBを想定しているとは思うけど、特殊な役割が多いテツさんの戦術下の左CBでの、いきなりの起用は流石にないかな?WBもできそうであるので、ベンチに一人いてくれると非常に心強い。
シーズン開幕から(私が)待望していた左利きCBという事で、右利きの下口とはまた違うビルドアップのバリエーションが増えるのも期待大。
一方の新加入・津久井は、180 cmでフィジカルが強く、おまけに若いという、確かにRBのコンセプトに合致する良選手♪
去年のA沼津戦ではいいようにやられたなぁ…。
近々で長崎相手にいいプレー見せてるし、津久井のスタメンの可能性はどうかな?おそらく左右両WB(時にシャドー)での起用を想定しての獲得なのかなだけど、去年の沼津ではWG、今季の水戸ではSHということで、WB適正、特に守備面は未知数。だけど、あのフィジカルがあれば、十分WBでの守備タスク完遂も可能なはず。水戸では左右両SHやれてるのも期待大。
ただ、強力なWBを持つ長崎相手に、まずはWB関口で入って守備を安定させるのも得策。最近の試合は、関口の守備対応を見るのが本当に楽しいんだよね!関口には、健全なレギュラー争いに打ち勝ってほしい気持ちも非常に強い。
攻撃と守備ではっきりと得手不得手が分かれる長崎。守備では水戸が見せてくれたような、ワントップをCBで完全に潰し、中盤の網で前向かせないよう潰し続ける展開を期待したいっすね。この辺りのミソは津久井が色々知ってそう♪
攻撃では、サイド一辺倒だけでなく、シャドーを使って相手ボランチの背後で前向きにボールを受けて、どんどん中央突破を狙ってほしい。
特に健勇には期待大!
水戸戦の大敗のショックで、長崎が3バックに自信と信頼感を欠いて戦ってきてくれると、大宮的には嬉しいっすね。
長崎の試合はレノファ山口戦、いわきFC戦、そしてこの水戸戦と、長崎が大量失点した大味な試合ばかり見てるので、無失点で終えた千葉戦とかも見てみようかな…?
