【プレビュー】第6節 RB大宮アルディージャ VS 藤枝MYFC
前節の藤枝のやり方 (VS ジュビロ磐田)
藤枝の試合は前々節のいわきFC戦に引き続き、今期2試合目の観戦。

槙野新監督が品川CC横浜でやっていた4-1-2-3ではなく、昨季に引き続き3-4-2-1を継続し、真鍋、中村、近藤、三木と、4人もの大卒ルーキーをスタメンに抜擢。
去年主力だったFW矢村やDMF世瀬、WB川上辺りはベンチにも入っておらず、怪我でもしてるのかな…?
1トップに入る真鍋を支えるのが、松本山雅でJ3アシスト王にもなった菊井と、昨季パスにドリブルにシュートに、テクニックを見せまくっていた浅倉の技巧派コンビ。敵ながらこの2人の2列目は浪漫が溢れている。
左CBに入るのは、FC東京からレンタル加入の19歳の永野。昨季はガイナーレ鳥取でスタメンとして一年戦っていたのと共に、U-23代表にも飛び級で参加している逸材。
GKには昨季、足下の技術とセービングで名を上げた北村。去年の藤枝は北村が普通にDFラインに入ったビルドアップで、ポゼッションを狙う特殊なやり方をやっていたのが印象的。
ただ監督が変わって、このGK北村のビルドアップ参加は減少。去年みたいにGK+CBの2枚でDFラインを組むなんて極端なやり方はしてこなくなった。とはいえ、2CBを開かせた間にGKが入るようなやり方は健在。
また、去年高かったポゼッションにもこだわらなくなり、相手にボールを預けて構える場面が非常に多くなっていた。*いわき戦の保持率は40%と低め
槙野監督が提唱する、相手が選手を掴みきれなくする、惑わすような攻撃、ミラージオ。
ということで、ビルドアップに関しては色々なことをやっていた印象。

例えば、左CBと中央CBを開かせて、少し落ち気味にGKを配置。右CBを上がらせて右肩上がりになるやり方。これは去年、右CBに久富を置いてよくやっていた印象。
このやり方に加え、今年は同様なことを左CB永野を上げてもやっていて、左右どちらからも可変ビルドアップを見せていた。

あとこの2試合で見られたのが、DMF岡澤が落ちてくるこんな感じ。最終ラインは岡澤と楠本の2枚になり (楠本と岡澤の位置は逆かも)、左右CBをSBのように上げて、WBを高く張らせる、いわゆるミシャ式ビルドアップ。この辺りはミシャの門下生である槙野監督も取り入れている感じ。
勿論後ろ3枚残した3-4-2-1のまま前進を図る事もあり、試合の中でこれらのビルドアップ法を代わる代わる繰り出して、相手を惑わしながら攻撃していた。
あ、STの菊井や浅倉が結構落ちてボールを受けて、前を向いて前進するって事も結構やっていた。
守備はハイプレスよりブロック優先。
GKからの繋ぎの際の限られた局面でのみハイプレスは行うが、それ以外は徹底して5-4-1ミドルブロックを組むことを優先していた。そのため磐田の最終ラインは、ノープレッシャーでボールを持つことができていた。
またいわき戦のプレビューでも書いたけど、去年との進化といった面ではやはりインテンシティ。去年は密集を作っても強度で負けて奪う事ができず、カウンターでやられる事もあった印象の藤枝だったが、あのいわきFC相手にも中盤で肉弾戦で引けを取っておらず、このインテンシティの部分が一番パワーアップしている印象を受けた。
一方のジュビロ磐田に関しては、今年初めての観戦。
倍井とグラッサが抜けはしたが、それ以外の主力は残留したにも関わらず、ここまでJ3チーム相手にあまりいい結果を得られていない状況。
志垣新監督の4-4-2で、昨年のポゼッションスタイルというよりか、サイドからのクロスに重点を置いたような攻撃をしており、ロングボールも多くなってた。
守備も4-4-2ブロックで守るのが基本だが、横幅を狭めて中央に人を集めて対応する場面が多かった印象。
前節の藤枝 試合展開 (VS ジュビロ磐田)
試合序盤は、藤枝がボールを後ろから繋いで、それを受ける磐田が守ってロングカウンターで裏返しを狙う展開に。
磐田の幅を狭めて守る陣形に対し、藤枝は積極的に逆サイドにはたいて前進を図る。
その狙いが見えたのが13分。右CB森からの素晴らしいサイドチェンジで左サイドに展開後、クロスをファーに送り、右WB近藤がヘッドで中央に折り返して、最後は浅倉がシュートも、これはブロックに阻まれた。
このシーンは、サイドチェンジと大外狙いのクロスという、対磐田で狙っていたであろう藤枝のいい攻撃であった。この試合、藤枝はファーへのクロスを何本も上げていたので、磐田のウィークポイントとして結構狙っていたんじゃあないかな?
藤枝の時間の序盤が過ぎた15分ぐらいから、スパッとギアを切り替えたかのように、藤枝がボールを握る意図をなくし、磐田にボールを預け、5-4-1ブロックで待ち受けるやり方に変更。
ハイプレスをしない藤枝のため、磐田のDFラインは自由にボールを持って上がれるため、磐田の保持率がどんどん増えていく。しかし、中々に藤枝の5-4-1ブロックの穴を見つけられず、ブロックの外側でウロウロボール回しを続ける時間が多かった。
藤枝はこんなふうに攻守のメリハリをつけて、5-4-1ブロックに引きこもって守る時間を作っており、これはいわき戦の後半もそんな感じだった。
そんなブロック守備優先の藤枝だったが、26分、磐田のGKからの繋ぎの際に珍しくプレスに行ったところを、ロングキックで一気に裏返される。その後、右サイドへのスルーパスで抜け出したグスタボ・シルバが角度のないところからシュートを決めて、磐田が先制。磐田は藤枝のブロックを崩せない中、一瞬の隙きをつけた感じ。
藤枝の攻撃で魅せたのは浅倉。
36分のカットインからの強烈な左足のシュートであったり、43分の真鍋を狙った絶妙スルーパス(真鍋はシュート空振り)であったり、二列目で起点となる攻撃が光った。利き足じゃあない左足のシュートもだけど、やっぱり浅倉うまいんだよねー。
そんな浅倉の絡んだ攻撃が実ったのが38分。何度も狙っていた永野からのサイドチェンジを左で受けた浅倉が中央にクロスを送る。これをファーのWB松木(近藤の負傷で途中交代してた)がダイビングヘッドで折り返し、中央の三木が押し込んで同点に追いついた。
この攻撃も13分の攻撃と似て、幅が狭い磐田の守備を狙った、横幅を目一杯使った振り幅が大きい攻撃であった。フリーの選手が余るファーにクロスを入れるってのも徹底していた。
45+1分にも左WBから右WBへの大きなサイドチェンジで磐田を混乱させ、送ったクロスを最後は中央の森がヘッドも枠外に。これも藤枝の狙い通りの幅を使った攻…って、CBの森がヘディングシュート…!?
そんなこんなで前半は5-4-1ブロックを崩せない磐田に対し、浅倉を中心とした磐田の弱みをついた幅を使った攻撃と、ファーへのクロスの狙いで多くゴールに迫った藤枝のペースであったが、1-1の同点で終了………と思ったが、ATにアクシデント。
直前のプレーで審判への異議により1枚イエローを貰っていた菊井が、また審判に暴言を吐いてしまった(多分)ため、今度は1発レッドで退場に(*イエロー2枚の累積ではない?)。
勿論、何を言ったのかはわからないけど、一発レッドということでよっぽどの事を言っちゃったのかな、と。
ということで後半丸々10人で戦う事になった藤枝。
やり方をガラッと変えざるを得なくなり、後半はそこまで参考にならないので、あまり書きたい事がない感じ。
5-3-1、もしくは5-4-0ぎみにブロックを引いて、徹底的に閉じこもってゴール前を固める藤枝に対し、ボールを握り続け、サイドからのクロスから中央でシュートを狙う磐田という構図に。
中央に長身のペイショットを入れたりして、何度もゴールに迫る磐田だったが、ゴール前を固める藤枝の壁を破る事はできずに、そのまま試合終了。
PK戦は耐え抜いた藤枝が勝利した。
シュート数は「藤枝: 8 VS 磐田:19」、ゴール期待値は「藤枝:1.46 VS 磐田 2.43」と、後半ほぼボールを握っていた磐田のデータがまさった感じに。藤枝の高い期待値の内訳は、大体が前半の貯金かな?
試合後の槙野監督が「(後半も)相手の攻撃は怖くなかった」と言っていたけど、藤枝が10人になってからの攻撃はともかく、前半の磐田の攻撃の狙いはちょっとぼんやりしてよくわからなかった印象でもあった。
藤枝 注目選手
41 GK 北村海チディ
藤枝の保持パスサッカーを最終ラインで支えるGK。足下の技術を強く求められる藤枝において、最終ラインに入ってビルドアップに参加する。
178 cmとGKとしては小柄ながら、シュートストップも見張るものがあり、確か去年のセーブ数がリーグ1位とかだったはず。なにげにロングキックの威力も強い。
あ、大宮で二種登録されていたジョーンズ・レイも頑張れ!
8 MF 浅倉廉
藤枝のプレイメーカー。パス、ドリブル、シュートといずれも高いレベルでこなし、藤枝の攻撃をのきなみ1段階上げてくれる中心選手。
いわき戦ではあまり目立っていなかったが、磐田戦ではその攻撃センスが光りまくっていた。
大宮戦では、STでコンビを組む菊井が出場停止でいないため、浅倉への期待も一層大きくなる。
17 MF 岡澤 昂星
中盤では菊井・浅倉のSTコンビが目立つ中、それを下支えするのがDMFの岡澤。去年も可変アンカー化して藤枝の攻撃を支えたりなどしてたが、今年は槙野監督の求めるタスクに応じて最終ラインに落ちて組み立てに参加したりもする。ミドルブロック守備時の強固な網としての役割も大きい。
大宮展望
前節、いわきFC相手にそこまで後ろから繋いでいかなかった大宮。
ハイプレスのいわきに対し、藤枝はその逆を行くように引いて守るブロック守備がメイン。後ろで回す際はノープレッシャーな事が多いため、大宮がボールを握る時間が増えると予想される。
相手陣地に入るまではそこまで苦労しないハズなので、メインの注目事項は5-4-1ブロックを組んだ藤枝をどう崩していくかってところかな、と。
とすると、トップには裏抜けとスピードのサンデーより、高さのある健勇が適任かなぁ?
藤枝の攻撃は先述のように、色んな陣形を代わる代わる取ってくる変幻自在なミラージオ。
上がってくるCBや、逆に落ちていくST、最終ラインに入ってくるDMF、そして(去年ほどではないけど)DFラインに入ってくるGKなど、マークを中々に捕まえづらく、プレスのかけどころが混乱しそう。
藤枝の攻撃を組み立てる菊井が不在の中、やはり潰しておきたいのはSTの浅倉。落ちてボールを受けたりもするので、マッチアップするであろう左CBイヨハがどこまで浅倉の動きについていくのかってのも着目ポイント。
