観戦記 第5節 いわきFC VS RB大宮アルディージャ
概要
第5節
2026/3/7
いわき VS 大宮 1-1 (5 PK 4)
大宮得点: 74'泉
いわき得点: 83'加藤
@ハワイアンズスタジアムいわき
*現地観戦*
大宮陣形

Sub: 笠原、村上、関口、カウアン、神田、和田、松井、日髙、健勇
いわき相手にどんな陣形組んでくるかと思ってたけど、前節の長野パルセイロ戦に引き続き4-2-3-1を継続。
トップにサンデーが入り、2列目は左から泉、山本、カプリーニの並び。カプは今期初スタメン。健勇がベンチということで、ちょっと前線に高さ成分が不足気味。
出場停止の小島に代わって、今季得意の足下からの展開力を活かせてる中山が初スタメン。中山はビルドアップが重要視されている今の大宮にあって、確実に序列が上がってきている感じ。
最終決戦兵器カウアンも初のベンチ入りをしてきた。
左SBに聖が入ったことからもわかるように、攻撃時のビルドアップは可変3バックではなく、前節のように4バックのまま行っていた。
いわきのマンマークプレスに真正面から挑んでいくんだ!!…とスタメン見た時は目を輝かせたが、どんなだったかは後述。
いわき印象

スポナビだと3-1-4-2表記だけど、今日はボランチ2枚の3-4-2-1で入ってきたいわき。
CBには神村学園卒ルーキーの中野、怪我から帰ってきた遠藤、そして大宮キラーの堂鼻と、面白いメンツが並ぶ。
スタメン見た時に、今期左CBが主戦場だった高橋はどこ守るんだろ?って思ってたけど、ボランチに入り、前節不在だった柴田とコンビを組んだ。高橋はこれまでの試合でも偽CB的にボランチに上がる事が多かったんで、CB遠藤が怪我から帰ってきたことで、人材の有効活用をしてきた感じ。
前線の1トップには長身のオウイエが入り、西谷と山口が1.5列目で攻撃を組み立てていた。前節藤枝MYFC戦で、ペナ内での素晴らしいドリブルがあった柏レイソルからレンタルの中島が右WBに入り、左WBには正確な左足のクロスが持ち味の山中が入った。
今年はここまで、後方からのショートパスでの繋ぎも見せていたいわきだったが、大宮のハイプレスを嫌ってのためか、前半は風上だったこともあったからか、今日はあまりボールを握って後ろから繋いでいく意思は見せず、シンプルに前線のオウイエに当てるやり方が多かった。
*1試合通してのボール保持率も43%と低かった

前半は4バックを採用したと田村監督が言及していたんだけど、これはハイプレス時にマンマークするために可変していた形を指していたと思われ。
基本陣形は3-4-2-1だが、大宮が後ろから繋ぐ際は右WB中島が最終ラインに入って4枚になりつつ、左WB山中は中盤に残り、左ST山口が最前線に入る4-4-2になっていた。
大宮の4-3-2-1に対し、4-4-2はミラーになるため、マンマークプレスでハメたいいわきが事前に用意していたやり方だったかと思われる。いわきはこういった相手に合わせた変形が大の得意なんだよね。
大宮にある程度運ばれると4-4-2を解いて3-4-2-1に移行する感じ。攻撃時は3-4-2-1で攻めてきていた。
ただ、今日は大宮が後ろからあまり繋いでこなかったため、この4-4-2可変ハイプレスはあまりうまくハマっておらず(大宮目線で言うと、いわきの土俵に上がらなかった!)、後半からは無可変の3-4-2-1に変更したって感じ。
とはいえ、いわきの得意のマンマーク守備は健在。特にサンデーに対しては遠藤がしっかりついており、裏抜けのボールが入った時に、サンデーを自由にさせない落ち着いた対応はさすがだった。
またカプリーニには、こちらも対人が強い堂鼻がついていて、この辺りの選手同士のバチバチしたやり合いは見ていて面白かった。
試合展開 前半
まず試合の流れを決めたのは、風。前節に続き、今日もスタジアムには強い風が吹くことに。
前半は大宮から見て左サイド前方から斜めに強い風が吹いており、中々この風の制御にお互いが苦しんでいた。
特にロングボールが押し流されたり、逆に押し返されたり、いつもとは全く違う挙動を示していたため、特に一つのミスが許されないDF陣は神経をいつも以上に使うことを強いられていたと思われる。
そんな前半、風上に立ったのはいわき。
後ろから繋いでくるのではなく、風を利用してシンプルにFWオウイエに当ててくることが多く、オウイエが左に流れて裏抜けなど狙っていたのだが、マッチアップしていたイヨハがそれを許さず逐一潰してくれていた。
今日の前半のいわきのやり方だと、オウイエにキープされてると中々に苦しかったんだけど、彼に仕事をさせなかったCB陣の働きはナイス!
いわきのマンマークプレスに対し、大宮のビルドアップはどうしてくるのかなーって思ったんだけど、今期取り組んでいる後ろからの繋ぎは優先せず、大宮もロングボールが多くなる。
最強★ハイプレスのいわきに対し、松本山雅戦や福島ユナイテッド戦の時のような後ろからの繋ぎがどこまで通用するのかを見たかったってのはあったけど、まぁこのやり方はこのやり方で全くもって正解だったかな、と。
で、松本山雅戦の時も書いたけど、このやり方をするにあたり、土台をしっかり支えているのがGKグローバー。
今日も相手の激しいプレッシャーがある中、バックパスや横パスを落ち着いて捌き、ロングパスやミドルパスをしっかりと味方の足下に繋いでくれていた。本当に今日も長短織り交ぜた足下の技術の高さを発揮し、大宮の攻撃の下支えをしてくれていた。前半の何分か忘れたけど、イヨハに出したミドルパスに足下の技術の粋が集まっていて、一人興奮してた。
*あとゴールキックの時も、風を考えて低弾道の鋭いキックを選択したりしてた
ということで互いにロングボールが多くなった前半。
片方のチームがロングボールを跳ね返し、それをもう片方のチームがまた跳ね返し、それをもうもう片方のチームが…のように、ヘッドで撃ち合って空中にボールがいる時間が長かった印象の前半に。
何だろう、互いに後ろからの繋ぎを取り入れている今年の大宮といわきの試合っていうか、去年の大宮といわきの試合を見ている感じだったなー。
それでも前半の大宮は左サイドを中心に攻めていて(CKも多かった!)、サンデーが流れてロングボールを受けて単独突破を図ったりしていたが、そこにはCB遠藤がことごとく潰しにくる。
一方でオウイエに対してはイヨハが自由を与えないてなかったのもあり、両チームのCBが非常に頑張っていた感じの前半に。
いわきは21分の山中のクロス、29分のオウイエキープからの山口のシュート、32分のオウイエのシュート等でゴールに迫る。
大宮も23分の茂木のロングスローの流れからの泉のシュート、33分のカプリーニのサイドチェンジ、泉のペナ内での縦突破など、惜しい場面を作るが、決定的なシーンまでは至らず、0-0で前半は終了。
風下で押し込まれることもあり、耐えざるをえない部分もあった大宮であったが、前半の終盤はそんな中でも押し気味に試合を進めることに成功していた。
シュート数は「いわき: 3 VS 大宮: 8」
大宮の支配率は58%との事だったが、後ろから繋いでったわけではなかったので、そんなに保持率が高かった印象はなかったかな。
*前半終了間際に、今日もカプリーニ潰しに効いていた大宮の天敵CB堂鼻が負傷退場。代わりに桒田が入った。
試合展開 後半
後半からいわきは、西谷から田中の交代。田中は右STへ。
また先述の通り、4-4-2可変ハイプレスが大宮にすかされてたので、3-4-2-1に戻したとのこと(まだDAZN見直してないので、多分だけど…)。
大宮の攻撃は50分。グローバーのキックで一気に抜け出したカプリーニがシュートまで持っていく。シュートはいわきのブロックにあったが、後半から風上に立った大宮が、早速その風を味方につけたような攻撃を見せる。
また56分には、左サイドの泉のクロスに対しカプがシュートも、これもブロックされてしまった。
前半はある程度我慢のサッカーにもなってた大宮だが、風上の後半はペースを握り押し込めるようになっていく。
そこでまず59分にサンデーから健勇にチェンジ。前線でキープできる健勇を入れて時間を作ってもらい、更なる押し込みを図る。
またこの辺りから後ろからのビルドアップも試行してきて、70分には横幅を目一杯使ったビルドアップからいわきのプレスをうまいこと剥がし、いい攻撃に繋げていた。去年歯が立たなかったあのいわきのプレスを相手に、いい剥がしができたのを見られて、個人的には結構嬉しかったシーン。
丁度この70分前後の時間帯は大宮の時間となり、いわきに連続攻撃を仕掛ける。ラインも高く上げて相手陣地に押し込み、いわきのクリアもことごとく回収し、波状攻撃を加えられていた。
72分はいわきのプレスを食いつかせといてからの西尾(多分)の好フィードで中盤を飛ばし、それを健勇が鬼キープ。最後の泉のシュートは枠外だったが、前線で時間が作れる健勇を入れた事が実ったような攻撃だった!
そんな攻勢が続いた74分、聖のアーリークロスを、中央で泉が頭で合わせて先制。左の聖から、左の泉へというホットライン。マークつかれながらも、パワーで押し込んだ泉はこれで5試合4得点と、量産体制に♪
中央で受けて泉がパスを出した後、迷わず中央に走り込んでいったのも、去年の泉の動きとは違う今年のタスクの一端が見受けられた。
77分にその泉から松井、中山からカウアンへ交代。
カウアンはDMFに入ったが、そこまでボールタッチがなく、真価はまだまだ発揮しきっていないデビュー戦ではあったかな(ボールロストからカウンター喰らったシーンも、、、)。ただ、試合前練習では強烈なシュートを結構決めてたんで、本領発揮はまだまだこれからこれから。
待ちに待った初ゴール🔥 pic.twitter.com/LqPd5SECaE
— いわきFC (@IwakiFcOfficial) March 7, 2026
大宮ペースで試合を進めていたが、83分にいわき得意のCK一発にやられてしまい、試合は振り出しへ。
終盤になってからはいわきも圧力を増し、中盤で互いの男と男の肉弾戦が繰り広げられる、自分が見たかったいわきVS大宮の試合の様相に。
いわきは長身の木吹へのロングボールで起点を作り、左サイドの荒木(神村学園卒の日髙の同期)がドリブル突破を見せ、山中のFKでゴール前にカオスを作るなど、リスクを負ってハイラインで追加点を狙う。
大宮も前がかりになったいわきの裏を狙い、何度も健勇がDF裏で起点を作る。アディショナルタイムには抜け出した健勇がGKと1対1になったが、これは決めきれず、観客席はみなが天を仰いだ (あれはGKの体の寄せがうまかった)。
最後は互いの攻撃を撃ち合う派手な展開になりながらも、得点は生まれず、1-1の引き分けでタイムアップ。
今季初のPK戦は、グローバーが最初の2人を止めるも、山本、聖、玄の3人が外してしまい、敗北となった。
最終的なシュート数は「いわき: 10 VS大宮:18」と大宮が大きくリードも、ゴール期待値は「いわき: 1.33 VS 大宮:1.21」と同格の結果に。期待値は大宮が上回ったって思ってたんだけど、これはちょっと予想外の結果。いわきの得点シーンがほぼほぼゴールライン上からのシュートだったんで、あの1本の期待値が相当高かったのかな?
いわきはCK3本の内1本を決めきり、今年も十八番のセットプレーは大健在。大宮は左を中心に11本CKを得たが、得点に繋げることができなかった。泉のショートコーナーからの聖のクロスのやつは惜しかったんだけどなー。
あ、茂木のロングスローは去年より威力が上がっててよきかな。
また、大宮の支配率も57%と今節もボールを握ったという試合だった。
雑感
終盤は予想していた肉弾戦になったが、序盤はロングボールが多かったこの試合。強風が両チームの戦い方に、少なからず影響を及ぼしていた。
リーグ戦での対いわき初勝利はお預けにはなったが、それでも去年あれだけこてんぱんにやられたいわきに対し、前後半通じて押し気味に試合を進められたため、個人的にはある程度満足する内容の試合だった。セットプレーからの失点だったのは、まぁ仕方ない。
ロングボールとビルドアップの使い分けも、前節長野戦よりうまくできていた(と思う)し、相手を引き込んでおいてからの惜しい裏抜けの形も何回も見られた。
試合後の宮さんの談話「自分たちがやろうとしていたことはできていた」や「崩しの最後のところまでは行けていたので、僕はそこまで悲観する内容ではないと思っています」ってのも、自分の感想と近い感じ。
ただ、まぁ、なんやかんやいっても、いわきは強いなーと感じた試合でもあったので、全てがうまくいくわけでもなし、今より強くなって、次回の対戦ではしっかり90分で勝ち切りたいっすね。
おまけ

明け方まで雨だったので、今日は高速バスでいわき入り。去年、自分が丸一日かけた道 (200 km)を、3時間強で走り切るとは文明の利器とは凄いもんです。

一年ぶりのハワイアンズスタジアムへ。いわき駅からの無料シャトルバス、ありがたし。

こぢんまりながら、ピッチとの距離が近いスタジアム。傾斜があまりなく、反対側の事象は若干わかりづらかった。
強風で、旗やら横断幕やらが終始バッサバサしていた。

試合前の一幕。自然とカウアンの動きを目で追っていた。

PK戦前の一幕。
PK戦はこっち側のゴールで行ったため臨場感マシマシで、キッカーとGKとの距離が非常に近く感じた。
