観戦記 第4節 AC長野パルセイロ VS RB大宮アルディージャ
概要
第4節
2026/2/28
長野VS大宮 1-2
大宮得点: 49'泉、53’泉
長野得点: 78'行徳
@長野Uスタジアム
*現地観戦*
大宮陣形

Sub: 笠原、村上、関口、中山、神田、和田、カプリーニ、日髙、サンデー
4バック相手の長野に対しては4-3-1-2で行くのかと思ってたけど、今日の大宮は4-2-3-1を採用。
*陣形の選択についての考察は雑感で
トップに健勇を置いて、2列目は左から泉、山本、松井の並び。松井はこれまで2トップの片方を担っていたが、今日はサイドで出場。SHでの適性が試される。
CBはイヨハと西尾のコンビに変更。左CBに左利きのイヨハを入れたのは、ビルドアップで試したい事があったからかな?なお、前節ベンチ入りしてたガブ様は、今日はベンチ外に。
そして左SBは聖が初スタメン。途中から左SBに入ってたことはあった(札幌戦)けど、今日はスタートからということで、チームのビルドアップ法にも必然的に変化が。
これまでは左SBが残って、DF3枚で回す、3-4-1-2 or 3-4-2-1が基本のビルドアップだったけど、今日は茂木と聖の両SBがバランスを取って、明確な可変はせずにビルドアップしていた感じに。
2CBを開かせ、また両SBもある程度シンメトリーに上がらせる。そして2DMFを近づけ、2CB+2DMFでのビルドアップの組み立てを試みていた。
*勿論、臨機応変にSBが下がってビルドアップの補佐も行っていた
前節の福島ユナイテッド戦もそうだったけど、この辺りは右SBに攻撃的な関口ではなく茂木を入れて、晴れて聖とのコンビを試してみたのかなと思われる (*勿論キャンプで用意はしていたはずだけど)。
今日もハイプレスによる狩りと、後ろからのビルドアップを見せようとした大宮だったが、どちらとも長野のやり方にうまい具合にはぐらかされてしまっていた(後述)。
*3/19追記
公式のINSIDEでは玄がアンカーで山本と小島の2IHの4-1-4-1だったとのことだけど、DAZN見返しても4-2-3-1にしか見えない・・・
長野の印象 守備

陣形はボックス型の4-4-2。
前節からメンバーは1枚交代。大卒ルーキーの森田がボランチに入り、小島潰しの任を与えられた。
GKには前節から続いて長身の中野が入り、左SHに元大宮の近藤、右SHに野嶋が入ってきた。
前節のコンサドーレ札幌戦において、ハイプレスで前から規制をかけにいったんだけど、札幌のパスワークにうまく剥がされてしまい、途中からブロック守備に切り替えた長野。
だので大宮のビルドアップに対して、プレスとブロック、どっちで守ってくるのかなと思ってたんだけど、勇気を持って前からのハイプレスを選択してきた!
長野は先述の大宮の2CB+2DMFに対し、マンツーマン気味に選手を当てる。
特に小島と玄のW司令塔に対しては、長谷川と森田のボランチ2枚がべっとり徹底マークしており、2人がボールを受けに下がっていっても、しつこくついていっていた。とにかく大宮のビルドアップのキーマンである2DMFに対し自由を与えず、ボールを持たせて前を向かせないよう徹底していた。
この辺りは開幕3連戦を見た上で、大宮のビルドアップの鍵がDMFの2人であると見て、藤本監督がしっかりと封鎖してきた感じ。
また後方では山本に対し、こちらも主にDFの附木がマンマーク気味についていて、こちらも自由にさせないぞ感を全面に出していた。高さが全体的に不足している長野にあって、今日は附木の高さと対人守備には見張るものがあった。

こんなわけでハイプレスで前からの守備に挑んできた長野。元々大宮の4-2-3-1に対し、長野の4-4-2はミラーとなり、長野としてはガッツリ陣形を噛み合わせることができる (上図)。そのため長野は、噛み合わせた陣形で、マンマーク気味に目の前の大宮の選手にプレスに行けていた。
*SHよりDMFの方が前になっていたのが特徴的
今日は大宮が4-2-3-1でビルドアップしていたけど、もし3-4-2-1だった場合は、SHを1人上げた4-3-3プレスで来ていたのかな?
長野の印象 攻撃
長野の攻撃は、後ろから無理に繋げずに、前線へ速く当てるやり方。
必然、ロングボールが増えるんだけど、このことにより大宮のハイプレスを無効化することに成功していた。ハイプレス対策としてはセオリー通りのやり方だけど、今日はこれが功を奏し、おかげで前節あれだけハマっていた大宮の前線での狩りは空振ってばかりで、全くボール奪取ることだできなかった。
*今日の大宮の平均ボール奪取位置は34.9 m。前節の48.1 mから、10 m以上押し下げられてしまった
またピッチ幅を広く使ったサイド攻撃も冴える。
今日も逆SHを中央に寄せて密集を作っていた大宮に対し、サイドチェンジを有効に使って大宮の狩りに絡め取られる前に密集を脱出。加えて逆サイドでフリーになったSBとSHでうまいこと前進させて、サイドの高い位置からのクロスによるフィニッシュに繋げまくっていた。*長野は中央に高い選手がいないので、低く速いクロスを多く選択
ここまで有効にサイドチェンジを使えていた相手は、結構久しぶりだった印象。
とにかくロングボールとサイドチェンジを織り交ぜた攻撃に、今日はハイプレスが不発で、長野に押し込まれることになってしまっていた。
試合展開 前半
(注: 各時間はスタジアムのアナログ時計で確認した物なので、実際の時間とは若干の誤差があるかもです)
今日のピッチは若干肌寒い気温の中、強風との戦いにもなる。前半、大宮は風下となり、大宮の左サイドから斜めに風を受ける形となっていた (スタンドも寒かった…)。
そして前半は長野の時間帯が続くことに。
試合開始から、5分のCKなど危ない場面が続く。
7分には左サイドで聖がSH野嶋の突破に完全にやられた後、ゴールを決められるも、これはギリギリオフサイドで事なきを得る。
長野は先述の通り、大宮のハイプレスをロングボールで回避して、前線の裏抜けを狙ったり、サイドの幅を使った攻撃からのサイドの崩しで大宮を押し込む。前半は風上だったこともあって、ロングボールの威力も増していた。
また大宮陣内に攻め込んだ時は、大宮陣内にGK以外全員入ってくる感じでハイラインで押し込んできていた。この事により大宮のクリアボールが、ほとんど大宮陣内で長野の選手にカットされ、二次・三次攻撃を浴びせられる場面が何度も見受けられた (25分前後のシーンが典型的)。
また、大宮陣内の深い位置でスローイングを大宮に与え、多人数で囲んで奪ってカウンターに繋げるなんて狙い(←多分)も見せていた。この辺りの大宮スローイング時の長野の守備は、非常にうまいなーって思いながら試合を見ていた。
大宮もこの前掛かりの長野をひっくり返さんと、ロングカウンターを狙っており、12分や14分など、DFラインからのフィードで惜しいシーンを作れていた。しかし、向かい風もあったのか、長野が大宮の狙いを見たためか、前半序盤以降はフィードが繋がらず、頼みの前線の健勇も孤立してしまっていて(DMFが下がり過ぎていた?)、中々に前線で形が作れなくなっていっていた。
攻勢を続ける長野。
33分のDFに当たってコースが変わったロングシュートだったり、続くCKからのシュートがグローバー正面だったり、34分の左サイドからの完璧なクロス&シュートが枠上に行ったりと、何度も大宮のゴールを脅かす。
特に34分の野嶋のシュートは1点モノで本当に危ないシーンだった。このシーン、野嶋にシュートは撃たれてはしまったが、最後まで聖が頑張ってマークを外さなかったのが、シュートを外した一因となったかな、と。
という事で前半はスコアレスドローで終了。
ロングボールでのハイプレス回避から、ピッチ幅をうまく使って大宮の中盤の網を回避してからのサイド攻撃で、得点力不足が嘘みたいにいい攻撃を連発していた長野ペースであった。
大宮の攻撃面では、ボランチが封鎖されてビルドアップがうまくいかず、ログボールでの前線のキープもままならず、敵陣でプレーすることが殆どできなかった。序盤の散発的なロングカウンターぐらいしか良い攻撃ができていなかった感じに。
守備でもハイプレスがハマらず、長野に左右に振らされて密集に誘い込めず、サイドをいいようにやられてしまっていた。
クロスに対しては、高さに分のある中央の西尾とイヨハで迎撃はできていたが、失点しなくて本当に助かったような内容であった。
*シュート数は「長野:7 VS 大宮:2」で、しかも長野の枠内6本という内容
*長野がボールを握った印象の前半であったが、縦に速い攻撃が多かったためか、大宮の支配率は57%だった
試合展開 後半
という事でうまく行っていなかった前半を踏まえて、まずは選手交代。前半、中々ボールを触れず起点になりきれなかった松井に代わり、前節ハットトリックのカプリーニを入れて攻撃にカツを入れる。
カプは結構高い位置のサイドに張る事が多く、また逆サイドの泉も似た感じになったように見え、後半からは攻撃時に4-2-4の形になる事が多くなった印象を受けた。ここら辺が後半からの修正だったのかなぁとは思うんだけど、いかんせん後述する小島の退場でゲームプランが早々に崩れてしまったので、後半からの修正を確信できるほどの観察時間がなかった感じ。
後半からの修正(?)のためか、風上に立った事からか、後半開始後は大宮がペースを握り、長野を押し込む時間が続く。
そして49分、右サイドからの茂木のロングスローから、逆サイドで受けた泉が後ろに下がりながらのカットインで右足を振り抜くと、ボールはグラウンダーでゴール対角線に吸い込まれ、大宮が先取点を挙げた!
これで泉は2試合連続で得意のカットインからのゴール!丁度右サイドが風上だったため、茂木のロングスローもいつもより威力マシマシになったのも得点に繋がった♪
とにかく悪い流れだった前半を払拭せんと臨んだ後半開始早々、幸先のよいスタートに。
すると先制点から間もない53分、CK崩れの流れで後ろから山本がアーリークロス。これを中央の泉が今度はヘディングでゴールに流し込んで、追加点をゲット。CKの流れだったので、ゴール前に長野の選手は十分にいた状況下だったが、山本のクロスがいい具合に長野の選手のゾーンの隙間に落ちていってくれた。
58分のロングカウンターからの、泉の優しいラストパスを受けたカプリーニは、惜しくもGKとの1対1を外してしまう。また、続く聖のクロスに合わせた山本のヘッドはGKの正面であった。
という事で後半からはペースを握っていい感じであった大宮だったが、59分に落とし穴。自陣内でパスミスをした小島が、パスを奪われた相手の足を引っかけてしまって、これがドグソ判定で1発退場に。
中盤の要の小島がいなくなり、一人少なくなってしまった大宮は、健勇を下げて中山を入れて4-4-1に変更。健勇をトップに残してキープ役にさせるのかなって思ってたけど、山本をトップに入れる選択をしてきた。
大宮の最前線のプレスが1枚となったことで、DFラインで簡単にボールを回せるようになり、両SBを非常に高い位置に上げて押し込みを図り、攻勢に転じる長野。
前線に189 cmと長身のFW大崎を入れたのを皮切りに、前目の選手を投入。近藤に代わり大卒ルーキーのFW清水を入れ、大崎と清水の2トップにし、藤川がトップ下気味の3トップに変更。
70分には西尾との体のぶつけ合いに勝った大崎が、サイドを見事に突破。その後の野嶋のシュートはなんとかブロックでなんとか凌いだが、1対1で西尾がやられたのは本当珍しいシーンだった。*このシーンはFW清水投入の前
72分、右からのアーリーに対する忽那の決定的なヘッドは、グローバーがどっしり体を開いてセーブ。
前節も似たようにグローバーがセーブしたシーンがあったけど、あれだけの体躯のGKが目いっぱいに体を開くと、シュート撃つ方も穴を見つけるのが中々に難しいだろうなって思う。
🟠Look back🎥2/28(土)vs.大宮
— AC長野パルセイロ_official (@NAGANO_PARCEIRO) February 28, 2026
GOAL!!!!⚡|78' DF4 #行德瑛#acnp #パルセイロ pic.twitter.com/AMoQowDB7K
長野の攻撃をなんとか凌いでいた大宮だったがしかし、78分にCKを押し込まれて、1点差に縮められてしまう。

攻勢を続ける長野は交代カードを使い切って攻撃全振りに行き、攻撃時の最終形態はこんな感じに。
SBの忽那と安藤を高い位置に上げて、2CBに。スタメンの長谷川隼ではなく、途中出場の長谷川雄志をアンカーに配置し、森田と吉田で三角形を作るのと共に、前線は先述の3人に。
こんな感じで非常に前掛かりな攻撃的陣形で、一人少ない大宮に畳みかける。
大宮も聖→関口(左SB茂木、右SB関口に)、玄→和田さんの交代で、なんとか逃げ切りを図る。
4-4-1守備の前線の山本一人で長野の組み立てを律しきれない大宮は、何分かは忘れたけどカプと宮さんがピッチ際で相談し、プレス時にカプが前線に入る4-3-2に修正 (3の真ん中に和田さん)したりもしたが、やはり一人少ない中では長野の攻勢の波を押し返すことができず、我慢の守備が続く。
そして大宮はなんとか10人で30分以上耐え抜いて、1点差を逃げ切る。
冷や汗ものの4連勝となった…!
10人になってからはボールを持つことも中々に難しく、最終的な大宮のボール支配率は前半から大きく落として50%になった。
シュート数「長野:14 VS 大宮:10」で、長野の枠内シュートは11本に。そしてゴール期待値も「長野:2.02 VS 大宮:0.73」と、本当にしのぎきった感が強い試合だった。
10人になってからの最終盤はほぼ一方的に殴られ続けたが、長野に決定的なジャストミートするようなシュートは許してはいなかったため、最後の最後の所での守備は本当に頑張れてたかと思う。
雑感
前半は完全な長野ペースで、大宮の後方からのビルドアップと、ハイプレスによる狩りはほとんどうまくいっていなかった。後半からカプを入れて、特にサイドでの起点作りに(多分)修正を加えた中で、泉の2得点で主導権を握るも、小島の退場でいい流れを手放してしまった感じの試合に。
10人になってからの試合展開はまぁそうなるよねって感じで、あまり語りたいことはなく、どちらかというと前半うまく行っていなかったことの方がトピックかな、と。
前半終わった時に感じた一番の疑問が、「長野の4-4-2ハイプレスは戦前のスカウトからある程度わかっていたはずなのに、3バックではなく、何故4-2-3-1ビルドアップを選択したのか?」ってこと。
4-4-2ハイプレスに対し、いつもの3-4-2-1 or 3-4-1-2ビルドでは、最終ラインと中盤で数的優位とズレを生み出せるのに対し、4-2-3-1ビルドは先述の通り、相手のプレスにガッチリ噛み合ってしまう相性のよくないやり方。そのため、何でわざわざ長野のプレスに噛み合う4-2-3-1を選択して、相手にやりやすいようにしてしまったのかが疑問なんだよね。。。
考察①
長野がハイプレスでなくブロック守備(前節の途中からみたく)で来ると予想して、両SBで押し込もうとしたのかな…ともちょっと思ったんだけど、これはちょっと考えづらいかな。
考察②
前節の札幌が同じ4-2-3-1で長野のプレスを無効化できてたのを再現したかったとか?ただ札幌はGKをCB間に入れるやり方で、大宮のとは違うんでこれも可能性は低そう。
考察③
とすると考えられるのは、わざと相手の土俵に立って、プレスが噛み合わされる状況下で、4-2-3-1ビルドがどこまで通用するかテストを兼ねて確かめたかった…という考え。
実際、「選手の配置はチャレンジしました」や「相手がマンツーマン気味で来ることは想定していた」と、試合後に宮さんがコメント出していることからも、あえてテストしたかったって意図が読み取れるんだよね。
*勿論自分が気づけていない、今日の長野に対しての4-2-3-1のメリットってのもあったのかもしれないけど…
ハイプレス相手をDFラインに引き込んでおいてから、ひっくり返すみたいな事(前節福島戦はそれができてた!)をやりたかったのかもだけど、結果的には、長野のプレスに前半は封じ込められてしまったため、そこはトライ&エラーで今後の改善に繋げられるはず。
特に次節は、J2・J3では最強のマンマークプレスを要するいわきFCが相手なんで、今日の試合の結果を元にブラッシュアップして、チャレンジャーとして挑んでいってほしいし、どんなやり方をしてくるのかが今から非常に楽しみなんだよね!
おまけ

今日はまだまだ寒いので、新幹線で長野入り。

そして自転車で、あの涙の篠ノ井運休事変以来の長野Uスタジアムへ。

相変わらず屋根完備でピッチとの距離も近い素晴らしいスタジアム。1階席ながら傾斜も程々あって、全体のピッチ上の動きもとても見やすい★

試合前に恒例のスタジアムDJからの煽りも。前回と比べて煽りがやんわりだったんだけど、もっと煽ってくれてもよろしくってよ。

なんとかしのぎきった試合終了後、宮さんがメッセージを届けにゴール裏まで来てくれました。
