【プレビュー】第4節 AC長野パルセイロ VS RB大宮アルディージャ
前節の長野のやり方 (VS北海道コンサドーレ札幌)

大宮のレジェンド藤本監督指揮2年目の長野。
昨シーズンは3バックで戦っていたが、今シーズンは4-4-2を採用している。
守備でも攻撃でも大きな可変はしていなかった感じ。
長身2 mのGK中野は対戦相手の札幌からのレンタルだが、契約上試合出場は可能とのことで今季初スタメン。
サイドの2列目ってイメージが強かった忽那は左SBで先発し、元大宮の左SH近藤と左サイドの攻撃に携わる。
2トップは進と藤川。ロングボールが多い長野だが、2トップの身長はそこまで高くない (*共に172 cm)。
対する札幌は前節大宮戦と同じメンバーで4-2-3-1配置。
奇しくも開幕から3試合連続で札幌の試合を見る事になったが、この試合は前2試合とも違ったやり方をしていた。札幌は26/27シーズンを見据えて色々試しているのかもしれないっすね。
開幕いわきFC戦は、GK+2CB+2DMFのショートパスで後ろから繋ぎ、中央突破を図る攻撃と、ミドルブロック守備。第2節大宮戦は、両SHを上げたサイド攻撃とミドルブロック守備って感じ。
そして3戦目の長野戦で、何より特徴だったのがハイプレス。大宮戦では積極的な前プレは行っていなかったのだが、この試合では前線からガンガンプレスをかけていた。この辺りはJ2のいわき・大宮と比して、DFの足下の技術に狙いどこありと踏んでのやり方だったのかな?
攻撃ではいわき戦みたいに、2CBの間にGK田川を入れた3枚で後ろから繋ぐやり方。この時両SBが高い位置を取り、いわき戦みたいな中央突破というか、サイド攻撃に主眼を置いて前進を図っていた感じ。また、シンプルにTOPのバカヨコに当てるロングボールも適宜出しており、この試合ではその期待に応えたバカヨコが前線で収める事ができていた。
一方の長野のやり方。
守備の基本はハイプレス。まず2FWで、札幌の2CBにプレスに行って規制をかけにいく。…が、先述の通り札幌はGK田川を加えた3枚の最終ラインのため、数的不利で中々に規制をかけづらい。そんな時は、2FWにSH 1枚を加えた前線3枚でのハイプレスも敢行していた。
しかしそこは札幌が一枚上手。この試合の札幌は長野のプレスを物ともせず、ショートパスで華麗にプレスを剥がして前進していた。
例えば4-3-3気味で前掛かりに来る長野に対し・・・
1. 上がっていたSBを、ボールを受けさせるために下がらせる
2. 長野のSBがマークでそれにくっついていく
3. 上がった長野のSB裏にSHを走らせてサイド突破する
・・・みたいな感じで、組織的にうまいこと長野のビルドアップを剥がしつつ、チャンスに繋げていた。
前節の大宮VS福島ユナイテッドの密集具合と比べると、長野のハイプレス時は選手間の距離が広く、2次プレス・3次プレスに行くのがワンテンポ遅れてしまっており、札幌を規制しきれていなかった印象を受けた。
ということで試合開始からかけていたハイプレスがうまくハマっていなかった事もあり、前半の中盤辺りからハイプレスをすっぱり捨てて、4-4-2ミドルブロックを組むやり方に長野は舵を切る事に。*ブロック組んでる時の4-4-2の各ラインの統一感は、見ていてとても綺麗だった
しかし、ミドルブロックを組んで札幌を中盤の網にかけようとしたのだけれど、中盤もうまい具合いに札幌のパスワークで突破されてしまっており、攻撃を防ぎきれていたとは言えない感じに。
今日は試合を通して札幌のショートパスの前進に対し、だいぶ苦戦をしいられてしまっていた。
*札幌は大宮戦と同じく、トップ下の荒野がフリーに動いて、長野のマークを外して上手いことボールを受けて散らしていた
長野の攻撃はビルドアップでの組み立てより、縦に早く入れるやり方で、必然ロングボールが多くなる。
それが実ったのが10分。後方のDFラインでの回しにGKが加わり、札幌のハイプレスを食いつかせる。そうして札幌のDFラインと前線を分断させておいてから、GKのキックで一気に前線へ。前では2FWとSH近藤が非常に近いとこに位置しており、まずはFW藤川がポスト&レイオフ、受け取ったFW進が前方にパス、走り込んだSH近藤が華麗なファーストタッチでDFを置き去りにしてシュートを放ちゴール!これが長野の先制点となった。
ビルドアップ時、前線の中央近いとこに3人だけを残していたってのは、長野の事前に練られた作戦だったと思われ。でないと近藤があそこまで中央にいるはずないので。
とにかく前線三人のいい距離感からのコンビネーションで、長野が幸先よく先制した。
*昨年からの得点力不足で苦しんだ長野にとって、8試合ぶりの得点だったとのこと。
🟠Look back🎥2/21(土)vs.札幌
— AC長野パルセイロ_official (@NAGANO_PARCEIRO) February 21, 2026
GOAL!!!!⚡|10' MF8 #近藤貴司#acnp #パルセイロ pic.twitter.com/7Myp9TweRT
1点取って優位に試合を進めたい長野であったが、その後は札幌のペースに。
長野のビルドアップは、札幌のハイプレスに潰されまくってしまい、困って出すロングボールも札幌のCBに跳ね返され、ゴールに迫れない。
ボールを握れない長野だったため、この試合、圧倒的に札幌がボールを握る事に (*長野はそこまでボールを握る必要はないサッカーではあるんだけど)。
ボールを保持してショートパスで繋ぐ札幌に対し、サイドをやられて防戦一方の長野。ボールを奪えないので、狙っていたであろうショートカウンターにも中々繋げられない。
18分にはDFライン裏に飛び出したバカヨコを止めようとしたGK中野が、そのバカヨコを倒してしまいPKを与えてしまう。これをバカヨコが決めて1-1の同点に。
その後もピンチを招く長野だが、GK中野の好セーブなどでなんとか追加失点は許さずに前半終了。
札幌が支配率66%と圧倒する数値に。シュート数は「長野: 2 VS 札幌: 6」と思ったより札幌のシュートは少なかったが、試合の主導権を握っていたのは間違いなく札幌であった。
後半も札幌がボールを握って攻め、長野がカウンターを狙うも良い攻撃に繋げられない展開に。
長野が作れたチャンスは、70分のCKでファーのCB大野がフリーでヘディングシュートを撃てたが枠外になったのと、78分の途中出場のFW大崎(熊本から加入)が2人をかわしてGKと1対1になるも、シュートが枠外に外れたシーンくらいだったかな。
82分に近藤に代わり山中が左SHに入って基点となった事で、最後の時間帯は札幌を多少を仕込むことができていたが、それ以外の時間帯は殆どが札幌のペースであった。
終始押し込む札幌だったが、ディフレクションの難しいシュートや、木戸の無回転シュート等はGK中野に好セーブを連発されてゴールネット揺らせない。
試合は1-1のまま動かずタイムアップ。PK戦は札幌が制した。
最終的なシュート数は「長野: 4 VS 札幌: 16」、ゴール期待値は「長野: 0.43 VS 札幌: 2.68」と、印象通り札幌が圧倒した形に。札幌は2点目が本当に遠かった。また、ボール支配率も札幌が63%を誇った。
昨年得点力不足に苦しんだ長野だったが、この試合でも4本しかシュートを撃つことができず、攻撃の形はもっと再現性高く作っていきたかったところ。
長野 注目選手
1 GK 中野 小次郎
身長2 mを超える長身GK。菅野らの影に隠れて中々札幌でチャンスを掴みきれない中、今年は長野にレンタル移籍。とはいっても、昨年は11試合に出場しており、札幌サポの期待も厚い。古巣対決となった札幌戦では好セーブを披露し、同点に持ち込む事に貢献した。
第1節と第2節は田尻がスタメンとして出ていたけど、大宮戦ではどちらが出てくるのか?
8 MF 近藤 貴司
元大宮戦士の攻撃的MF。
愛媛FC所属時代の2019年(ちなみにその時の監督が現札幌の川井監督)、大宮戦で2得点をあげた事を経て、2020年に大宮に加入。高木監督の3-4-2-1のシャドーとして、シーズン序盤はスタメンであったが、徐々に出場機会が減っていき、僅か1年で退団となった。
運動量と攻守のバランス取りがうまく、オフザボールのところでよく顔をキョロキョロさせて、全体を俯瞰して位置取りしていた印象が非常に強いプレイヤー。
大宮キラーぶりは、次の試合では控えておいてほしいところ。
大宮 展望
開幕三連勝の大宮は、今季初アウェイで長野に乗り込む。
4バックの長野ってことで、中盤ダイヤモンドの4-3-1-2っぽいかな。
札幌のハイプレスに苦しんでいた長野だったので、大宮も4-3-3ハイプレスでビルドアップを封じ込めていきたい。
大宮のプレスに対するロングボールでのひっくり返しも、長野のFWとの高さのミスマッチで、2CBが跳ね返してくれるはず。FW脇によくいる近藤に、こぼれ球を回収はされたくないところ。
長野の2FWのハイプレスに対しては、DF3枚の数的優位制でうまいこと剥がしていきたい。また、後ろからのビルドアップで長野のFWとSBを釣りだしたとこで、その裏をサンデーなどで積極的に狙っていければですな。
保持にこだわらない長野なので、この試合でもある程度ボールを握って押し込んでいくことは可能なハズ。この3戦では見られなかったビルドアップや崩しなんかが見られるといいっすね。
