観戦記 第3節 RB大宮アルディージャ VS 福島ユナイテッドFC
概要
第3節
2026/2/21
大宮VS福島 6-0
大宮得点: 11'小島、32'山本、64’泉、70’ 76’ 88’カプリーニ
福島得点: なし
@NACK5スタジアム大宮
*現地観戦*
福島印象

陣形はおなじみの4-1-2-3。
前節のいわきFC戦から2人メンバーチェンジ。トップには福島歴の長い樋口、IHに中村を抜擢。ベンチには泉の弟のMF泉彩稀や、川崎からレンタルのMF永長が入ってきた。
プレビューでも書いた通り、福島といえば後ろからショートパスで繋いで、中央を突破していく、中々面白いサッカーをしてくるチーム。ただ、前節はいわきを相手に後ろからの繋ぎがうまくいってなかったため、いわきと似てハイプレス主体の大宮相手に、やり方を変えてくる可能性も少し考えていたんだけど、この試合でも変わらず中央からの突破攻撃をしてきてた。
そんな中央突破型福島だけど、ビルドアップ時は本当に選手全員が中央に集まってくる感じ。SBも中に寄せて、自分達で選手間の距離を縮めてパスの成功度を上げる。
3トップチープの場合、両WGがサイドに張って幅を取るやり方をする事が多いんだけど、福島のWGは中に絞って、3トップは非常に近い位置を取ることになる。というか頂点の樋口は結構下に落ちてきてボールを受ける偽9番的な動きをしてて、攻撃時は前線3人の三角形が逆転する4-1-2-1-2 (4-1-3-2で、岡田と芦部の2トップ)みたいなになることもあった。
*後半、樋口を結構ボランチの位置で見かける事も多かった。樋口のポジション取りはDAZN見返せねば
という事で、福島の攻撃時は中央に集まる集まる。
前節をDAZNで見た印象以上に中央に集まっており、更に大宮の密集守備も相まって、福島の攻撃時はフィールドの一部分の人口密度が異常に高くなっていた。
守備はハイプレスとブロックの混合。
大宮が後ろから繋ぐ際はマンツーマン気味で高い位置からプレスをかけていき、ある程度運ばれるとブロックに移行する感じ。まぁ、オーソドックスなやり方ではあるんだけど、ブロック移行する設定ラインは結構高く、ハイプレスがハマらず大宮陣地の半分くらいまで運ばれると、プレスを解いてブロックを優先していた。
大宮陣形

Sub: 笠原、聖、ガブリエウ、関口、中山、和田、カプリーニ、日高、サンデー
4バックの福島が相手ということで(?)、中盤がダイヤモンドの4-3-1-2が今日の基本陣形。
サンデーに代わり松井が初先発で健勇と2トップを組み、前節に引き続き山本がトップ下に入った。
松井は開幕前はSHなどのサイド突破型の選手だと思っていたけど、この3試合を見る感じ、運動量を活かして前からプレスを仕掛ける、2トップの一角として考えられているみたい。
今日の松井は裏抜けやロングボールを受けるようなサンデーのタスクというか、右サイドの高い位置に流れてボールを受ける事が多かった。右サイドでためを作って山本に元いたスペースを突かせたり、サイドで泉のように1対1を仕掛けさせたりすることを狙っていた印象。*茂木がいい具合に松井をサポートしていた
ただ今日の前半は観客席とは逆側に攻めていて、更に山本との区別がつきづらく(スパイクの色が似てる…!)、まだまだ特徴は掴みきれてない感じ。もっと試合を見てみたいっすね。
また右SBには、前節途中出場でいいクロスを何度も上げて、チームの逆転勝利に大きく貢献した茂木を抜擢。前節の出来からも、これは予想していた交代であった。今日の茂木も前節に引き続きクロスを上げまくってチャンスに繋げるのみならず、全体を俯瞰して立ち位置を工夫し、チーム全体の攻守のバランスを取っていた。
例えば攻撃時はイヨハが残るいつもの3-4-1-2…だったんだけど、右SBに茂木が入った事からか、逆サイドのイヨハとバランスを取る事が多かった印象。
攻撃時は基本的に茂木が上がる感じではあったけど、イヨハが上がってボランチの位置に入ったりすると、茂木が立ち位置を落としたり、相手に茂木が押し下げられた時はバランスを取る感じでイヨハが前に出たりしていた。関口が右SBに入った時より、互いがバランスを取りながら位置取りをしていた印象。
イヨハでいうともう一つ。ある程度相手を押し下げられた暁には前に上がっていくことも多かったけど、左サイドの泉とイヨハの互いが同一レーンで被らないように、ハーフレーンとサイドレーン(内と外)でバランスを取っていた。例えばイヨハがボランチの位置に入ったら泉が外に開き、イヨハがサイドを駈け上がったら泉が内に入っていく…みたいな。
この動きは札幌戦などでもやってたんだけど、今日は試合展開的にイヨハが上がれる事が多く、何度も両者のこの動きを見られた感じ。
泉はサイドに張ることが多かった去年に比べ、攻撃時でも中に入っていくことが今年は本当に多い。
大宮の守備
先述の通り中央に人を寄せて後ろからショートパスで繋いでくる福島は、大宮にとっては密集ハイプレスと相性がいいのは戦前に予想していた通り。今日は大宮のハイプレスがハマりまくっていた。

図で表すとこんな感じ?
福島が幅を取らない攻め方をするので、こんな感じでボールサイドに互いの密集がぶつかり合って、人口過多地帯が生じてたってのをイメージいただければOKです。実際は上図よりもっと密集してたんだけどね。
*サイド圧縮なので、逆サイドの福島のSBなどは空くことが多い
大宮のハイプレスは4-3-3で敢行。自由にさせたくないアンカーの針谷へのパスコースを(主に山本が)防ぎながら、3トップでDFラインにアタック!
密集に密集をぶつけてるので、DFからボールが前に出ても、中盤で逆「へ」の字型で待ち受ける泉・小島・玄ですぐさまプレス。その隙きに前線の選手も再度プレスに参加し、あっという間に多人数でボールホルダーを囲み、ボールを奪取!そしてすぐさまカウンターへ!という、前線からの組織だった「狩り」に今日は成功しまくっていた。
福島はビルドアップから前進を図るも、今日は大宮の狩りに大苦戦。何度も自陣低い位置でボールを奪われてしまい、中々前進する事ができていなかった。
こんな感じだったため、今日の平均ボール奪取位置はハーフライン (52.5 m)を超えるんじゃね?とか思ってたんだけど、試合後に確認したら48.1 mだったとの事。惜しかった…!
ただ、非常に高い位置だって事は間違いなく、大宮としても過去一の高さだったんじゃあないかな?
あ、福島がビルドアップに困った時のロングボールも、西尾・村上を中心に弾き返し、こぼれ球も勝率よく回収できていた。
そんなわけで、ハイプレス、圧縮プレス、ゲーゲン、ポジトラカウンター、高い位置での奪取等々、今日の大宮はやりたかった守り方をピッチ上でいい具合いに表現できていたのでした。
大宮の攻撃
松本山雅戦、コンサドーレ札幌戦に引き続き、今日も大宮がボール保持し、後ろからの繋ぎを見せる。
ゴールキックを後ろから繋ぐ際は福島もハイプレスをかけてきていたのだが、ビルドアップは安定。ある程度福島の前線を引き付けて中盤にスペースを作らせておいてから、斜めのパスでプレスを回避したり、DFラインの幅いっぱいをパスで繋いでプレスのズレを作って前進したり(31分のシーンとか)、いい形を何度も作る。
というか今日は紹介しきれないぐらい多くのビルドアップパターンを見せてくれていたので、後でDAZNを見返すのが楽しみ。
また福島を引きつけておいてからのフィードも冴える。イヨハ、西尾、村上らのフィードで、1対1ならロングボールを高確率で収めてくれる健勇ら前線の選手に送りまくっていた。
特に今日はイヨハからのフィードが素晴らしく、サイドに追い込まれていてもサイド側の左足から高精度のフィードを放っていて、プレス回避&前進に貢献しまくっていた。あの左サイドのライン際で相手のプレスを受けながらもフィードを出せるのは、左利きの何よりの利点なんだよなー。
*あ、40分の村上のフィードも美しかった♪
試合展開
御存知の通り今日は6-0と圧勝した大宮。
・4-3-3ハイプレスによって福島のビルドアップを封鎖
・密集構築
・高い位置で奪ってのショートカウンター
・同じく高い位置でのゲーゲンプレス!
・後ろからのビルドアップでの福島のプレス剥がし
今日は上で述べたここいら辺の大宮がやりたかったことが、試合を通してことごとくハマっており、常に大宮ペースで試合が展開していたため、あまり試合展開については書きたい事がない感じ。
という事でこの項は簡単に。
序盤から大宮が押し込んでいた中、先制点は11分。右サイドからの茂木のクロスを健勇が中央でビタ止め。落としを受けた松井の折り返しを小島が狙い一閃、地を這うシュートでゴールネットを揺らした。
今日も茂木のクロスからのチャンス♪
福島もゴール前に人数は揃っていたが、健勇にボールが入った時点で全員ボールウォッチャーになって下がってしまい、ペナ内に広大なスペースができている事に気づいていない感じだった。そこをうまくついた小島と、よく見ていた松井はナイス!
続いて32分。ギアチェンジで一気にトップスピードに入った泉を見逃さず、イヨハが絶妙なスルーパス。サイドを駈け上がった泉から、目が合ったという山本にクロスが入り、中央でこれを決めきって追加点。
松本戦に続きサイドでマークを完全に置き去りにした泉の加速力と、山本のホットライン♪これで山本は開幕から3戦3発の大当たり。
前半の福島は、20分、21分と連続して大宮の密集を抜け出すことに成功し、岡田が逆サイド(人の配置的には左だが、ピッチ的には中央レーン)を攻略したのがいいシーンであったが、21分の樋口のシュートはグローバーがナイスセーブ。ピンチの芽をつんでくれた。
前半の20分前後は福島がボールを回せていた時間帯であったが、試合を振り返っても危なかったのはこのシーンぐらいであったかな。
後半も前半と似て、福島のビルドアップを順繰りにハイプレスで潰していく大宮・・・という展開に。
64分、イヨハのインターセプトのポジトラから、泉がドリブルで2DFの間を切り裂いてシュート!ボールはDFの股を抜いてゴール対角線に吸い込まれた。
ドリブルを警戒して2人にマークされていた中、そこを貫いてくかって感じの突破で眼福眼福。サッカーとは関係ないけど、THE FIRST SLAM DUNKの宮城の2人抜き突破の光景が真っ先に脳裏に浮かんでしまった。
*このシーンでも、イヨハは中央から泉にパスを出した後、中央を空けてスペースを作ると共に、泉を補佐するために泉の背後に回って、バランスよく動いているのがわかる

交代も随時行い、最終的にはこんな陣形に。村上の脳震盪で6人交代が認められ、スタメンから半分以上が入れ替わった感じ。
プロデビューの日高はどこで使うのかなだったけど、トップ下での起用になった。今日は短い時間ながら、オフザボールでのスプリントの速さであったり、相手背負ってボール受けたり、左に流れてパス受けたり、何度か光ったプレーを見せてくれた。今後もチャンスをどんどん掴んでいってほしいっすね。先にデビューしていた、いわきの同級生二人の活躍も刺激になっていたハズ。
今日も中盤に入ったのは中山。
福島も足が止まってボールを自由に持てる時間も多い中、後ろから前線に何本もパスを供給。視野広くフリーの選手をターゲットし、その相手の足下につける速いパスが非常に正確だったため、扇の要のように中山からボールが展開できていた。今日の試合終了間際の個人技とパス&ゴーでプレスをうまく剥がして展開後、ゴール前に走り込んでってクロスを頭で合わしたのも惜しいシーンだった。
確かにこの展開力を活かして、去年みたいに3CBの真ん中で使うのも浪漫があるんだけど、4バックの今となってはCBでの起用は無いんだろうなぁ…。
そして今日もジョーカーの役割を担ったカプリーニは、僅か20分弱でハットトリックを達成!
70分、山本の中央の頑張りを経て、茂木のクロス(また!)を、中央で落ち着いてゴールに流し込み、まず1点目。
76分には、今日も多く見られた小島のインターセプトからの持ち上がりクロスを、中央で足下でうまくコントロール。素早い反転からのシュートで2点目。
トドメは88分。左サイドのサンデーからの、GKとDFの間に入れる絶妙なロングスルーパスをスライディングでキープ。その後すぐに立ち上がってゴールに押し込み、ハットトリック達成!
チームのやり方の延長線上で取れた3点だったけど、いずれも適切な位置取りでゴールに絡むカプリーニはちょっと格が違ってましたね。
契約等で少し出遅れはしたかもだけど、前節の決勝点に引き続きの大活躍で、宮さんの選手選考を大いに悩ますことになりそう。
ということで試合は6-0という大差で終了。
圧倒的に大宮が攻めていた印象があったけど、シュート数は「大宮:15 VS 福島:9」と、そこまで差があったわけではなかった結果に。ただ福島のシュートは枠外が多く、前半の樋口のシュート以外はグローバーを困らせたシュートはほとんどなかった印象。*大宮の枠内シュートは12本。
ゴール期待値は「大宮:2.48 VS 福島:0.63」。実際の得点数である6に近い値ではなかったが、大宮が大きく上回った感じに。
そして大宮の支配率は57%ということで、3試合連続で高い値になり(61%、58%、57%)、大宮がボールをよく握っていたことがわかる。
今日の試合的に、福島はボールを持ちたかったけど持てなかった、運びたかったけど運べなかったという感じだったかな、と。得意のパスワークが低い位置で潰されてしまい、中々ボールを保持することができていなかったのかなと思う。
雑感
試合の流れ的にも、6-0のスコアを表したかの感じで両チームの差がはっきり出てしまった試合に。
上でも書いたけど、
・4-3-3ハイプレスによって福島のビルドアップを封鎖
・密集構築
・高い位置で奪ってのショートカウンター
・同じく高い位置でのゲーゲンプレス!
・後ろからのビルドアップでの福島のプレス剥がし
これらがうまい事ハマって、福島をほぼほぼシャットアウトでき、攻め続けることができていた。
うまく行ってない事を踏まえての、福島のビルドアップやプレスの修正などを確認したかったんだけど、後半以降も大きく改善されたわけではなかったので、その辺りはよくわからないまま終わってしまった感じでした。。。
確かに個の力の差という物は少なからずあったかとは思うんだけど、先述の4-3-3プレスや、密集構築からのゲーゲンカウンターなど、全体の戦い方のベースがしっかりしていたが上でのチームとしての快勝だったなーって感想。
個人的には今日の戦い方で、いわきFCに挑んだ時にどうなるかが早く見てみたい…!(あと2節)
ともあれ開幕3連勝を飾った大宮。
今日のケチャドバがあるにせよ、3試合で得失点差8は中々の物。
次は今シーズン初アウェイの長野戦。このまま今のやり方を貫いて、もっともっと逞しくなってほしいっすね。
