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観戦記 第1節 RB大宮アルディージャ VS 松本山雅FC


概要


第1節
2026/2/7
大宮VS松本 2-1
大宮得点: 16'山本、39'健勇
松本得点: 75'藤枝
@NACK5スタジアム大宮
*現地観戦*



松本印象

松本陣形

3-1-4-2予想をしていたが、蓋を開けてみればボランチに深澤と渋谷の2枚を置いた3-4-2-1にしてきた。
GKには長崎から新加入の富澤が入り、右CBには八戸から石崎監督が連れてきた白井が、中央CBには大卒ルーキー(阪南大で松井の同期)金子が抜擢された。
ワントップには見るからに体が強そうな加藤が入り、田中と村越がそれを支える。加藤は体が大きいながらもファーストプレスを厭わず、前線で高い運動量を示していた。

昨年八戸で披露した前からの守備を、松本でも仕込んできた石崎監督。カテゴリーが上の相手にも臆さず、加藤のファーストプレスを筆頭に、前線の三人で大宮のDFラインに代わる代わる規制をかけ続けていた。
前線のプレスを突破され、大宮のボランチやWBにボールが入ってもすぐさまニの矢・三の矢で選手が対応にあたってきていて、この僅かな短期間で守備を仕込んできたのはさすがだなぁと思って見ていた次第。

迎撃以外の時は、WBは高い位置を取らず、後ろ5枚はしっかり残して待ち受ける感じ。ブロック時は5-4-1になっていたが、ブロック組んでというよりも、前からの守備の方がやはり印象が強かった。


大宮の守備

大宮 守備

Sub: 笠原、聖、茂木、中山、シルバ、和田さん、カプリーニ、日高、松井

スタメン見た感じ、全く陣形が読めずにあれこれ考えながらの試合前。大宮の場合、メンバー表のポジション表記通りの配置が多いんで、サンデー1トップ気味の3トップなのかなーとか考えていた。

そして蓋を開けてみれば、Wボランチの4-2-3-1を採用してきた大宮。
小島と玄という配球と持ち上がりできる司令塔タイプの2人をボランチに配置し、トップ下に健勇、WG気味のSHに泉と山本、そしてサンデーが1トップのような感じの配置であった。

守備としては、監督が何度も言及しているように「狩り」に行くのが基本。中盤で相手ボールホルダーに対し、2人であたるような感じで狩りに行き、前半はことごとくネガトラからの即時奪取、そしてポジトラカウンターに繋げる事ができていた (ゲーゲンプレス!)。
新加入の山本も運動量多く縦運動を繰り返し、ボールを受けた相手が顔を上げる前にプレスにあたっていた。よき。
またこの中盤での狩りにキャプテン健勇が凄く利いてて、誰かがアタックした後の2人目のアタックに多く絡んでおり、前線で決してサボらず全速力で狩りを遂行していた。よきよき。



大宮の攻撃


大宮 攻撃

プレビューでも書いた通り、攻撃にあたって一番気になっていたのが左SBのタスク……だったんだけど、先発がイヨハという事から、ある程度は予想がついた感じに。
基本的な攻撃時の陣形は去年と変わらず、左SBイヨハがDFラインに残り、右SB関口がWB化するやり方に。関口に押し上げられた山本は、サンデーと2トップを組み、健勇がトップ下になる感じ。*サンデートップ & 健勇・山本のWシャドーでもある
カットインからの右足シュートという武器を持っている山本は、左サイドで使われるとばかり思っていたけど、今後も右で使われるのかな?右に置くメリットについてはもうちょっと試合を見ればわかるのかも。

ただ前線の3人は非常に流動的で、縦関係やポジションを入れ替えたりすることが多かった。
サンデーが裏抜けでサイドの高い位置で基点を作った時は中央に健勇が入っていったり、去年のカプのように山本が中盤まで落ちてボールを受けたり、左右両サイドに健勇が流れたり。松本からすると中々この三人(特に山本)を捕まえるのは難しかったんじゃあないかな?

昨年はボール保持にこだわらず、縦に早く当てるやり方が主流だった大宮だが、戦前の噂通り、後ろからの繋ぎの意思も強く見せる。去年はあまり見せなかった近距離でのパス交換が格段に多くなり、ある程度ボールを保持して押し込むことも今シーズンの狙いの一つだという事を見せてくれた。
そしてその中心は、やはりWボランチの小島と玄。小島に関しては言うまでもないんだけど、玄もやはりシンプルにトメル・ケルがうまく、この二人でパスのハブ役になりまくっていた。
この細かいパスの繋ぎでの前進によってチャンスも多く作れており、特にパスをした後にすぐ動き出して、相手マークを振り切ってパスを再度貰ったり、フリースペースに走りこんだりする、いわゆるパス&ゴーが非常に機能していた。今日の前半はこのパス&ゴーで松本の中盤のプレスをうまいこと回避し続けていた。

ただ勿論後ろからのビルドアップがうまく行くわけでなく、松本のプレスにハメられそうになった際はGKに預け、無理なくロングボールに逃げ込むことも。
ただ大宮の場合は、前線に高さのある健勇でそのロングボールを回収できるのみならず、最前線にはサンデーがいるため、普通はただのクリアのロングボールになるところが、一気に裏抜け★サンデーを狙うこともできていた。
ハイプレスチーム相手にロングボールが有効なのは基本なんだけど、恐らく後ろからのビルドアップとセットで、この裏抜け★サンデーも考えられているハズで、この辺りの昨年からの進化は見ていて面白かった。今後も後方からのショートパスでのビルドアップと、裏抜け★サンデーのハイブリッドは多く見られるんじゃあないかな?
あと、足下に自信を持っているグローバーが正確なロングキックを蹴れるって事も、この戦術の落とし込みにおいては大きい。


試合展開 前半


最初はお互いのやり方の予備知識が全然ない中、大宮の新しいやり方を理解するのに精一杯に…。
松本のやり方の把握を他所に、「お、2ボランチだー」とか「山本右なんだー」とか「前線3人が動きまくるけど、基本陣形はどれだ!?」とか「ゲーゲン!」とか「流石に宮さん長袖だー」など、大宮のおもしろポイントを色々見つけるのに勤しんでおりました。
とはいえ松本もFW加藤を筆頭にハイプレスで立ち向かってきており、さすが石崎監督だなーとか思いながら最序盤を観戦していた。


序盤は松本のプレスにやや面を喰らって押し下げられることもあったが、16分、泉のショートCKをペナ外で受け取った山本が、一人かわして得意な右足の強烈ミドルシュートをゴール対角線にぶち込み、大宮が先制ッ!!
なんか去年の最終戦に決められたのと似たような、山本の素晴らしいゴールだった。
このミドルを活かすには、山本はやっぱり左サイドに置いた方がいいような気もするんだけど、右に置いているのには必然的な理由があるはずなんで、試合を通じて早く理解してみたい・・・。

得点後は一方的な大宮ペースに。
松本のハイプレスにも慣れ、先述の細かいパスからのパス&ゴーで松本の中盤のプレスを回避できるようになっていき、一方的にボール保持する展開に。
21分のカットインからの泉のシュートや、27分のサンデーのナイスキープからのカウンター、32分の(去年のAジュビロ磐田戦のような)関口の縦+中をえぐる突破からの健勇シュートなど、狙った形のいい攻撃を見せる。

また守っては相手ボールホルダーに対し、素早く2人で潰しに行くことができており、松本の前進を許さない。30分には高い位置で村上がボールを奪ってからの、綺麗なポジトラカウンターでゴールまであと一歩まで迫る(*奪ってからシュートまで8秒以内)。このシーンは本当理想的な狩りだった。



一方の松本の攻撃。
元々後ろからのビルドアップよりかは、縦に早い攻撃に重きを置くやり方だとは思うんだけど、途中からは中々に裏抜け一辺倒になってしまっていた印象。狩りのためにハイラインを引く大宮のCB裏のスペースを狙ってロングボールを放ち、前半はFW加藤に勝負させるぐらいしか攻め手が限られてしまっていた。
そして、その裏抜け狙いに立ち塞がったのがCB西尾。今日はずっと自分の背後のスペースを気にし続け、いざロングボールが裏に来ると加藤との駆けっこ勝負にことごとく勝利。松本に高い位置での基点を作らせなかった!
西尾は加藤との高さ勝負にも負けておらず、後方で防波堤となり続けていた(←タノモシイ)。


そんな感じで大宮ペースのまま進んだ39分に追加点。
小島からの浮き球スルーで、泉が小田を完全に振り切り左サイドを突破。クロスをサンデーが中央で頑張ってポストし、最後はペナ外から健勇が右足一閃、ミドルを叩き込んだ。
松本としては、WB小田があそこで泉のマークを簡単に外してしまったのはいただけなかったかな、と。去年のHベガルタ仙台戦で、仙台のSB高田が泉のマークを外して失点していたのを思い出した。

で、前半は2-0で終了
途中からは圧倒的にボールを握り続け、松本のビルドアップも裏抜けもシャットアウトした大宮の一方的な展開に。ともかく宮さんも試合後「完璧だった前半」と評価したぐらい、圧倒できていた前半であった。

ボール支配率も去年の大宮からは想像もつかない66%という値に。この数字は狙い通りって事で喜んでいいのかな?得意のショートカウンター発動機会が減ってしまうってこともあるので、高ければいいってわけじゃあないので、チームとして狙い通りだったのかは気になるところ。



試合展開 後半

松本 後半


うまく行ってなかった前半を踏まえ、松本は選手と陣形交代でやり方を変更。
ボランチを1枚削って安永をサイドに置いて、中盤をボックスからダイヤモンド型にしてきた。(図では5バックだが、実際は3CB & 2WBの3バック)
中盤で潰されていた事を踏まえ、パスコースを沢山作るのと共に、安永で中盤でボールキープしたい感じ。

前半に比べある程度ボールは回るようになった松本だったが、後半も大宮がボールを握る展開。50分のCKや56分のトリックFKからの健勇フィニッシュや、62分の山本の素晴らしいキープからの関口突破などいい攻撃を見せる。


大宮の守備で「おっ」と思ったのが69分のシーン。松本に密集を突破されて逆サイドに振られたんだけど、関口が一人で対応して攻撃を遅らせた間に玄がカバーに入り、マーク交換して事なきを得たとこ。
去年の終盤、逆サイドでやられる事が多かった中、今日はこんな感じで非常にスマートに対応してピンチまで持って行かせなかったので、目立たなくても嬉しかったシーンだった。
去年の4-3-1-2から4-2-3-1に変えたのも、この辺りの対策だったんじゃあないかなとも予想しているんだけど、今日の松本は逆サイドをあまり狙ってなかったんで、答え合わせは今後の試合を見つつですかね。

62分に松本は、前線で走りまくっていた加藤と田中に代わり、大卒ルーキーの藤枝と、サンフレッチェ広島からレンタルの若い井上を投入。ハイプレスの質の向上を図る。
対する大宮も65分にサンデー→カプの交代。カプが右に入り、サンデーのいたトップの位置には山本が入った。

70分には密集を突破されて藤枝のシュートを許す。角度がなかったためゴールから外れたが、この試合初めてピンチらしいピンチであった。


大宮 失点


そして75分、松本が得点
ということで、図で解説を初めてしてみた!


失点シーン【1】

【1】
①    ボールホルダーの深澤に健勇がプレス
②    ボールを受けに落ちる村越へのパスコースを消そうと、村越の前に小島が入る
③    しかし深澤は村越を選択せず、健勇のプレスギリギリで、一人飛ばしてサイドの小田に速いパスを出す
④    小田から前線の井上へパス。井上はサイドへ開く


失点シーン【2】

【2】
①    パスコースを塞ぎに行った小島より前に出て、マークを振り切れたドフリーの村越がゴール前に走り込むと共に、ボールホルダーの井上がサイドに開く。この二人に一人で対処しなくてはならない西尾が出足を迷った末、村越マークを優先する
②    西尾が迷っている間に、村上が中に絞ってフリーの村越にマークへ行く。*西尾はボールホルダーの井上に行くと、村上は思った
③    村上のマークから外れた藤枝がゴール中央に走り込む。*関口が絞って藤枝をマークできてない
④    ドフリーとなった藤枝にクロスが入り、素晴らしいトラップからシュート!

という感じだったかな、と。(パワポはわかりづらい!?)

とにかく健勇の強プレスをものともせず、大宮のマークをずたずたに切り裂いた、深澤の1枚飛ばした高速パスが何より素晴らしかった得点だったかな、と。マークを振り切った村越のフリーランと、藤枝のトラップからのシュートの切り替えもGOOD!

大宮視点でいうと、あの咄嗟の瞬間でのマークでの受け渡しは中々に難しいし、村上が藤枝のマークを外して村越のケアに行ったのも理解はできるんだよね。スライドすべき関口はもうちょっと絞って藤枝のケアに行くべきだったんだけど、難しかったかなぁ…?
小島の先読みインターセプト能力が裏目に出てしまったような失点でもあった・・・。



後半失点後 展開

1点取って息上がる松本が攻勢をかける。
フレッシュな前線2枚のハイプレスに引っ張られる形で、中盤のプレスが活性化。77分にはサイドに佐相を入れて、大宮に襲いかかる。

大宮も中盤のプレスが甘くなり、松本のパスワークで崩される場面もしばしば。
中盤にシルバを入れて強度を高めた方がいいんじゃあないかと思いつつ、劣勢でも交代は77分の泉→聖、90+2分の山本→松井のみであった。*聖はSBでなく、1枚前のSH/WBに
今日は交代枠も全部で3枚しか使わなかったのはもったいないなぁとは思った次第。

で、その後は崩されての失点はあまり想像がつかなかったんだけど、一発があるセットプレーにはヒヤヒヤしつつ、最後はなんとかしのぎきって2-1で逃げ切った大宮

終盤は負けている側がリスクを負って攻めてくるため、劣勢になるのはまぁよくある事なんだけど、中盤のインテンシティで負けてしまっていた点はちょっと気になったポイント。

それでも後半の終盤まではボールを握っていた大宮。最終支配率は61%と、やはり松本を大きく上回った形に。今後も50%以上握る試合が続くのかな?

終わってみればシュート数は「大宮:11 VS 松本:11」の同数。ゴール期待値も「大宮: 0.71 VS 松本: 0.59」と、こちらも結構互角の結果となった。
得点以外にもいい形でのシュートも多かったし、被シュートもGKの処理が簡単な物が多かったんで、ゴール期待値はもう少し大宮がまさるのかなぁと思ってたんで、これはちょっと予想外のデータであった。


雑感


という事で百年構想リーグの開幕戦を勝利した大宮。
試合前に色々と妄想予想していた答え合わせをしながらの観戦に。

左SBを残しながら、細かいパスを多用しての前進するのは、今後も軸にしていくのかな?それとも相手に合わせて変えていくのかな?去年それやろうとして、こてんぱんにやられたいわきFC(AWAY)にもどこまで通用するかも気になるところ。
ただ上で書いたように、サンデーや健勇ら収められる前線にロングボールで逃げられるっていう保険は大きいかな、と。

毎試合コンセプトややり方、メンバー等を変えてチーム作りをしていく可能性もあるため、今から次戦が楽しみ♪
新加入選手の特徴等も見られ、間違いなくチームのレベルアップに貢献してくれていたことも確認できたのも大きな収穫だった。

一方でこの短期間で、よく動き回るプレスサッカーをあそこまで仕込んできた石崎監督が、この半年でどれだけ松本を強くさせるのかという楽しみもできた感じ。この半年は10チームでのリーグ戦なので、松本の試合を見る機会も多くなりそうだし、これからの進化が楽しみなチーム。高橋祥平・大橋・佐相の元大宮戦士達も頑張ってほしいっすね。

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