大切にしてもらえて、嬉しかった #116
子どもたちが通っていた幼稚園では、
毎年クリスマスに、
手作りプレゼントを親から子へ、
プレゼントすることになっていた。
今から3年前。
長女が年少のクリスマス。
次女がもう赤ちゃん用の服を卒業した
タイミングだったので、
ロンパースベア
(※赤ちゃんが着ていた服を使って作る
ぬいぐるみ)
を作ることにした。
長女の分と、次女の分。
合わせて2体作った。
裁縫は得意で、
大好きな私にとって、
大切な思い出が、
自分の手で新しい形になっていく時間は、
とても楽しかった。
でも、
その時にひとつだけ思ったことがある。
ものって、
持ち主の気持ちが宿ることで、
価値は何倍にもなる。
“思い出の服”という私の気持ちは、
この服にハサミを入れた時に、
ひとつの区切りを迎えた。
だから、
娘たちがこのベアを大切にしてくれることで、このベアに、新しい命が吹き込まれるといいな。
そんなことを思っていた。
娘たちに渡すと、二人とも喜んでくれた。
毎日のように、
おままごとの相手役になったり、
一緒におうちの中をお散歩したり、
たくさん遊んでくれた。
あれから約3年。
ソファに座っていた私の元へ、
今日も娘たちがベアを持ってやってくる。
「〇〇ちゃん(ベアの名前)、最近ね、
でんぐり返しできるようになったの〜!」
次女にコロンと一回りさせられるベア。
そしてすかさず、
「おお〜すごーい!上手〜!」
次女は褒め方までお手のもの。
一芸見せたら、
次女の手製の抱っこ紐の中へ入れられ、
そのまま子ども部屋へ。
「あーん。あむあむあむ、美味しい〜!」
長女がおままごとのハンバーグを
ベアの口へと運ぶ。
そのまま抱っこして子ども部屋へ。
こんなふうに、
毎日子どもたちと一緒にいる。
たまに所々ほころびて、
「〇〇ちゃんがけがしちゃったよ〜」
と娘たちがお医者さん(私)の
元へと連れてくる。
「わかった。
ママ先生が必ず治してあげるからね!
〇〇ちゃん、頑張るから応援してあげて!」
大真面目にそんなことを言いながら、
治療したりする。
治療しながら、
作った頃より随分とくたびれてきたな、
と思う。
生地は少し薄くなって、
あちこちに縫い直した跡もある。
でも、全部終わって顔を見ると、
あの頃よりもずっと、
優しい顔をしているように見えた。
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