「ごめん」と言えなかった私へ、次女がくれた「ありがとう」 #90|付き添い入院メンタル記録【番外編】
少し前、長女の付き添いで入院していたが、
我が家には4歳の次女がいる。
今回の入院中は、ほとんど幼稚園に行くか、祖父母と過ごしていた。
祖父母とは、家で折り紙をしたり、
工作をして遊んでいたらしい。
家ではわがまま言って甘えてくるのに、
祖父母の家で撮られた写真を見たら、
借りてきた猫のような作り笑顔だった。
祖母曰く、聞き分けが良すぎる、と。
次女は幼稚園で、入園してから一度しか
泣いたことがないらしい。
だから私は今まで次女のことを、
特別気にかけてきたつもりだった。
病室で長女が寝たあとに写真を見返して、
どうしたものかと、考えてみた。
お姉ちゃんにと、たくさん折り紙を折って、渡してくれたことを思い出した。
ひらがなを一生懸命覚えていることも。
だから、ピンクの折り紙の裏に
ひらがなで手紙を書いた。
薄暗い部屋の中、目頭を拭いながら、
滲んだ文字をハートの形に折った。
次の日久しぶりに、次女が祖父母と
荷物を届けに病院の外まで来てくれた。
私の顔を見るなり、目を背けた次女。
「これ、開くと中にお手紙書いてあるから
あとで読んでみてね。」
ハートの折り紙を渡しながら、
それだけ伝えた。
次女はチラッと私を見て、少しだけ笑った。
「ありがとうね!またね!」
とだけ言った。
ただ、唇を噛み締めて振り向かないように、病室へと戻っていくことしかできなかった。
ごめん。
でも今の私には、
笑って離れることしかできない。
ここで言ってしまったら、
次女も私も、
崩れてしまう気がしたから。
次の日、
また次女が祖父母と一緒に、
病院の外まで来てくれた。
今日は昨日とは違ってニコニコというか、
少しニヤニヤしていた。
ん?と思っていたその時、
祖母と一緒に、
「「ママいつもありがとう」」と言って、
カーネーションの折り紙とカードをくれた。
そっか。今日は母の日だったか。
「ありがとうね」
それだけ伝えた私は、
折り紙とカードを両手でそっと持って、
また長女の待つ病室へと戻った。
本編はこちらから↓
