真夜中のロールケーキ #93|付き添い入院メンタル記録⑤
少し前、
長女の付き添いで入院していた。
前回の話はこちら↓
退院を明日に控えた夜。
嬉しくて仕方ないはずなのに、
心は少しザワザワしていた。
いつもより期間が長かったからか。
また日常に戻る自信がなかったからか。
今回の入院は、最初から最後まで、
毎日私が付き添っていた。
初日に荷物を取りに行って以来、
病院の敷地から一歩も出ていなかった。
たったの1週間なのに。
外がすごく遠いように思えた。
布団でまだ眠れずにいる娘の横に寝転がって、胸をトントンする。
「明日ね、お家に帰れるよ。
パパも次女ちゃんも、
長女ちゃん帰ってくるの待ってるよ」
自分にも言い聞かせるように言った。
娘が寝た後、
起こさないようにそーっとベットから抜けて
お風呂へと入る。
張り詰めていた糸が切れたみたいに、
また視界が滲んだ。
それを無かったことにするように、
シャワーで洗い流す。
お風呂が終わった後は、
毎日ご褒美タイムを作っていた。
23:30。
家にいる時なら、とっくに寝てる時間。
小さな灯りの中、
昼に下の売店で買ってきたロールケーキを、
プラスチックのスプーンで小さくすくう。
甘い。美味しい。
やっと、終わる。
寝静まった病室の中で、
自分の心の声だけが聞こえるようだった。
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