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最後の一口をくれる人 #101

このタイトルは、
私の夫を一言で表してみたもの。

私の夫は、最後の一口をくれるような人。

……とはいえ、
これはただの惚気ではないので、
最後まで読んでいただけたら嬉しい。


ファミレスに行った時。

夫はまず、
私や子どもたちが何を頼むかを見ている。

そして聞く。

「どれにする?」

「んー、AとBで迷ってるんだよね」

すると夫は言う。

「じゃあ俺Aにするから、アオBにしたら?

これならどっちも食べられるし。

子どもたちにもあげられるかも」

自分が一番食べたいものよりも、
みんなが嬉しくなる選択をしている。
多分、無意識に。

料理が運ばれてくる。

「アオ、これどのくらい食べる?
先に好きなだけ食べていいよ」

「やったー!ありがとう」

そう言って、
遠慮なく半分くらい食べる私。

「もー、食べ過ぎね?」

なんて言いながらも、
最後の一口になると、夫は言う。

「アオ、食べる?」


「うん!」

……自分でも思う。
私、遠慮なさすぎでは?

私は、
“最後の一口をくれる人”ではない。

自分で食べてしまう。

子どもに「ちょうだい」と言われたら
もちろんあげるけれど、

夫に言われたら、

「やだー」

って食べちゃう。

自分でも、
なんてやつだと思う。

だから、
それができる心の広さを、尊敬している。


義理の両親とご飯に行った時のこと。

義父が夫とまったく同じことをしていた。

私が遠慮しそうなことまで考えて、
子どもたちが好きそうな、
ハンバーグセットを黙って頼んでくれていた。

そして、

「こっちも食べる?」

と、まず子どもたちに聞いてくれる。

“自分が口をつけたものをあげるのは…”と、そこまで気遣って、先に取り分けてくれる。

その姿を見て、

「ああ、これか」

と思った。

夫の“最後の一口をくれる優しさ”は、
きっとここから来ていた。

優しさって、
大きなことじゃないのかもしれない。

最後の一口を見た時、
少しだけ顔を上げて、周りを見ること。

そして、

「食べる?」

って自然に差し出せること。

そんな小さな優しさが、
人から人へ、静かに伝染していく。


夫から受け取った優しさを、
今度は子どもたちへ。

そしてまた、誰かへ。

私もそんなふうに
分け与えられる人になりたい。


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