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【盲点】北越高校だけの問題じゃない!部活動バス事故が示した学校の限界

高速道路でマイクロバスが事故を起こした。乗っていたのは部活の遠征に向かう高校生たちだった。
17歳の男子生徒が亡くなり、複数人が重軽傷を負った。

報道が続く中で、ずっと引っかかっている問いがある。
「このバスは誰が手配していたのか」「事故が起きたとき、誰が責任を持つのか」。

部活動という場所が、どんな仕組みで動いているのかを整理すると、見えてくるものがある。



北越高校のニュース、見ましたか。

モモ「店長、ちょっと聞いていいですか。高校の部活でバスが事故になったやつ、見ました?」

レイ「北越高校の話ね。2026年5月、福島県郡山市の高速道路でマイクロバスが衝突事故を起こしたやつ」

モモ「ソフトテニス部が遠征中で、17歳の男の子が亡くなって……本当に気の毒で。で、私がずっと気になってるのが、あのバス、誰が手配したんですか? っていうことで」

レイ「それが説明が食い違っているところなの。バス会社側は『レンタカーと運転手を手配した』と説明している。でも学校側は『レンタカーを依頼していない』と会見で否定した」

モモ「え、食い違ってるんですか?」

レイ「食い違ってる。捜査はこれから。でも、こういう食い違いが出てくる背景には、部活動の仕組みそのものの問題があるんだよね」

モモ「どういうことですか?」


「先生の善意」の上に成り立っている。

レイ「まず前提として、部活動の顧問をやっている先生は、基本的に残業代が出ないって知ってた?」

モモ「え、でも土日も練習してますよね、絶対に」

レイ「そう。文科省の2022年度調査によると、中学校の先生の平日の在校時間は1日あたり11時間1分。土日も合わせると2時間以上いる。今回の北越高校は私立だから、この公立学校のデータが直接当てはまるわけじゃない。ただ公立の場合は中学も高校も同じ給与制度が適用されるし、部活動の仕組みが整理されていないという問題は公私立問わず共通してる」

モモ「それ普通に長くないですか? 過労死ラインじゃないですか?」

レイ「でもそこで公立学校教員の残業代の仕組みを見ると、時間外勤務手当は支給しないかわりに、給料の4%を『教職調整額』として一律に払う設計になってる」

モモ「4%って……月給の4%で一律、しかも何時間働いても同じってことですか?」

レイ「そうよ。残業時間が増えても手当は変わらない」

モモ「え〜! 月給20万の先生でも8千円ですよね。バイトのシフト1回分くらいじゃないですか。しかも週6日でも週7日でも同じって……残業代って最初からなかったんですね、全然知らなかった」

レイ「2025年に法改正があって、2030年度までに10%まで段階的に上げると決まった。ただ、これも残業代ではなくみなし手当のまま」

モモ「部活顧問の先生って、週何日働いてるんですか?」

レイ「週5日活動している先生が56.4%、週6日が6.6%、週7日が0.3%。週5日以上の活動がかなり多い、ってことよ」

モモ「それって、制度上は『断れる』んですよね?」

レイ「公立学校は制度上は強制じゃない。でも実際には赴任したら顧問枠を割り当てられて、断りにくい空気がある。『誰かがやらないといけない』という中で引き受けてきたというのが実態ね。で、そういう仕組みの中に、遠征の手配や安全管理の問題も乗っかってくる」

モモ「野球経験がない先生が野球部の顧問とか、そういう話も聞きますよね」

レイ「そういう話は出てきてる。制度として整理しきれていないことが積み上がってきた、というのが実態ね」



保護者が払っているお金と時間。

モモ「私の大学の友達も、中高ずっと部活だった子が多くて、親がすごく大変そうって話をよく聞くんですが」

レイ「笹川スポーツ財団の調査では、中学生が運動部に入っている家庭が1年間に払う費用は平均で約5万円」

モモ「5万円! それって月に直すと4000円くらいですか?」

レイ「部費・用品費・交通費・合宿遠征費・大会参加費を全部足したらね。高校になると活動頻度はさらに上がって、高校期の運動部平均で週5.2日、休日は3.9時間の活動」

モモ「週5日以上ってほぼ毎日じゃないですか。高校生で」

レイ「野球みたいな競技だと週6日・休日6時間以上という数字もある。3年間続けたら、保護者の送迎時間も含めてかなりの量よ」

モモ「お金だけじゃなくて、家族の時間もかかってる。でもそれって『子どもに部活させてあげてる』って親心として飲み込まれてきた話で、制度として計算されてきたわけじゃないですよね」

レイ「……そうね。そこをちゃんと直視してこなかった、というのはある」


遠征のバス、誰が管理しているのか。

モモ「今回の事故で、バス会社と学校の説明が食い違ってるって話でしたけど。なんでそういうことが起きるんですか?」

レイ「本来、貸切バスは道路運送法上の許可事業で、安全管理体制が整った事業者を使う必要がある。2016年に軽井沢で起きたスキーバスの事故、知ってる?」

モモ「スキー旅行のバスが事故になって、乗ってた大学生が大勢亡くなったやつ……」

レイ「あれを受けて国交省は貸切バスの監査・運行管理などの対策を強化した。ただ部活の遠征バスについては、今回の報道でも誰がどこまで手配・管理していたのかが当事者間で食い違っている」

モモ「え、それって会社で言ったら……経費の清算も出張手配も、担当者が個人で全部やってるようなもんじゃないですか」

レイ「……まあ、そういうことよ」

モモ「それって事故が起きたとき、誰も責任を取れる立場にいないってことじゃないですか?」

レイ「そこが一番大事なとこ。誰が安全の責任を持っているのかが、起きてから問われる状況になっている。それが今回の事故が示していることよ」

モモ「Xとか見てたら、バスが手配できなくて保護者が自分の車に生徒を乗せて遠征に連れて行ったって話、結構出てきてて。それはそれで大変だったって声が多くて……」

レイ「そういうことは現場レベルで起きてきた話ね。保護者が乗り合いで運転する、というのが現場の対処として続いてきた。で、そのときに事故が起きたら、学校の行事なのか個人の移動なのかで責任の所在が全然変わってくる」

モモ「万が一のとき、学校の保険が効かないケースもあるってこと?」

レイ「場合によってはそうなる。誰が手配したか、どういう形の移動だったかで、どの保険が適用されるかが変わる。バス会社か、先生か、保護者か——手配の経路が不明確なまま動いているから、何かあったときに最初から食い違いが生まれやすい」


「地域移行」は解決策になるか。

レイ「今ちょうど、部活動を学校から地域に移す改革が進んでいるの」

モモ「地域移行って、先生じゃない人が指導するってことですか?」

レイ「そう。現行の政策では主に公立中学校の休日部活動が対象で、2023年から改革推進期間が始まって、2026年からは実行期間に入った。今回の北越高校は高校だから、地域移行政策の直接の対象ではない。ただ、教員の負担・費用・安全責任の設計が曖昧という構造は中学でも高校でも同じで、地域移行で議論されていることがそのまま高校の問題にも当てはまる」

モモ「指導者って誰がやるんですか? その辺の元気なおじさん?」

レイ「……まあ、地域のスポーツクラブとかOBとか退職した先生とか。ただ正直、指導者が十分に集まらないという課題は全国的にある」

モモ「そうですよね。指導できる人がいなければ地域移行しても意味ないし、費用も上がりますよね、外に出したら」

レイ「保護者負担が月1000〜3000円程度という報道もある。そうなると経済的に余裕のない家庭の子どもが部活をやめざるを得なくなる可能性が出てくる」

モモ「安全や責任の整理をきっかけにはできるけど、格差の面では難しくなる。どっちが正解ってないやつですね」

レイ「地域移行は万能策じゃない。移動手段・安全責任・保険・費用をどう設計するかをきちんとやらないと、『地域移行したけど事故の責任は誰?』という問題はそのまま残る」



「事故のニュース」から「制度の問題」として読む。

モモ「じゃあ結局、今回のバス事故って、何の問題として整理すればいいんですか?」

レイ「三つある。一つ目は、善意に依存して動いている仕組みの脆さ。先生が個人の判断で動いているうちは、何かあったときに制度として安全を担保できない」

モモ「二つ目は?」

レイ「外注の責任設計。バスの手配でも地域移行でも同じで、『安く外に出せばいい』じゃなくて、誰が何の責任を持つかを決めないと、次の事故が起きたときまた同じことになる」

モモ「三つ目は」

レイ「費用と時間が可視化されていないこと。教員の残業も、保護者の負担も、ずっと『教育的な善意』として飲み込まれてきた。でも実態はある。事故が起きたときにようやく可視化されるってのは、設計として遅い」

モモ「子どもの話に見えて、全部大人の設計の問題なんですね」

レイ「そうよ。子どもは今ある仕組みの上に乗っているだけ。設計を直すのは大人にしかできないから」


💬 知ってると一目置かれる一言

レイ「今回の話で一つ使えるフレーズがある。『善意の残業』」

モモ「善意の……? いい人が自分から残業してるってこと?」

レイ「違うわ。善意に頼ることで仕組みを成り立たせてきた、ってこと。残業代がなくても顧問をやってくれる先生、時間や費用を負担してきた保護者—その献身があるから制度として維持できてきた、という仕組みのことよ」

モモ「だから問題が出てきても『先生ありがとう』で終わってきたんですね」

レイ「善意に依存した仕組みは、善意が尽きたとき、あるいは事故が起きたとき、一気に崩れる。今回の事故が示しているのはそこよ」

モモ「……なんか、学校の話だけじゃないですよね。会社でも思い当たることある気がします」

レイ「そうでしょ。『誰かがなんとかしてくれる』は、制度として安全じゃない」


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読んでくれてありがとうございます! 部活のニュースって「大変だったね」で終わりがちだけど、整理すると制度の話だったりします。「なるほど」と思ったらスキ❤️を押してもらえると嬉しいです。フォローしてもらえると次の記事もお届けできます。コメントや記事リクエストもお待ちしてます! また次の記事で!


※この記事は2026年5月8日時点の情報をもとに作成しています。


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