【簡単あらすじ】この部屋から東京タワーは永遠に見えない(微ネタバレ)【麻布競馬場/集英社文庫】
以前のTwitter(現X)には、140文字までしか投稿できないという制約があり、その不自由さがありながらも・その不自由さを利用したツイートを利用した作品。
本作は、twitter文学とも呼ばれ、あるアカウントのツイートをまとめたショートストーリー集。
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『はじめに』
季節が春へと移り変わりつつあり、冬の寒さを感じる日は少なくなってきましたが、それと入れ替わるように、花粉の季節が到来してきました。そうなると、当然のように休日は部屋で過ごすことが多くなり、それに比例して読書量が増えていますので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。
このレビューを読んだことで、作品や作者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。
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学校の先生・程々有名なインフルエンサー・パパ活女子など、ストーリーごとに語り手は全て違います。
ですが、語り手たちの本当に言いたいこと・考えていること(奥底の部分)は、ある程度共通しているところがあるからか、
「1Kで家賃は9万」
「今年で30歳になります」
「麻布」
といった言葉が何度も出てきます。
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東京に住んでいる(以前住んでいた)「20代の若者」であって、「現状に何かしらの不満を持ち、自身の境遇を他の人と比較している」というところが共通し、自分の自尊心を満足させ・自尊心が傷つかないように生きてきた人たち。
そして、東京で成功している人たちに憧れ、自分もその人たちになりたいと思い・行動してもたどり着けず、東京の郊外や地元に戻る人たち。
しかし、東京で夢破れた(と考えている人たち)は、まるで成功している人のように振る舞い・どこか他人を下に見る感じがところどころに表現されている。
その人たちから見ると、成功しているような・東京に染まって生活しているような人たちでも、その人の奥深くには、その人にしか分からない澱を隠し持っている。
その部分まで、この作品ではさらけ出されています。
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ここまでして東京に残りたいと思うのか
そこまで東京には魅力があるのか
本作品は、すっきりした読了感を味わうようなものではありませんが、多くのストーリーが4~6行程度にまとまりを持つ構成ですので、リズム感が良くどんどん読み進めることが出来ます。
若者であれば、自分の今現在の状況と比較しながら。
私のようなおじさんであれば、若い頃を懐かしむような感情で。
そして、少し昔のバブル期・東京の雰囲気を味わうことが出来る。
読者の歩んできた人生・現在の境遇によって各ストーリーのとらえ方が全く変わり、読了するととても不思議な感情になる本作、皆様も是非ご一読ください。
(※私のように、出身地も大学も東北地方で、就活で東京に行ったものの、4~5月の気候とは思えない空気のジメジメ感と、満員電車の酷さや水道水のカルキ臭さから、「東京は遊ぶには良いところだけれども住むところではない」と認識し、人生の大部分を地方で過ごしている人間には理解出来ない内容があることをご了承ください笑)
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