【簡単あらすじ】嘘か真言か(微ネタバレ)【五十嵐律人/文藝春秋】
『 紀伊真言が、嘘を見抜けるかを見抜け 』
司法修習を終え、その後任官三年目にしてようやく希望が通り、そして「見習い裁判官」とも呼ばれる「判事補」となった、日向由衣。
その後、志波地方裁判所に配属された日向だったが、上司の紀伊真言・特例判事補は、情報工学系大学院出身であり、情報を処理するように裁判を進める変わり者という噂と、「嘘を見抜くことが出来る」という噂の持ち主でもある。
曲者の上司との初対面での会話から、良好な職場環境は期待出来そうにないと感じた日向だったが、さらに、所属する地裁の阿古部長からは「紀伊真言が、嘘を見抜けるかを見抜け」という指示も受けていた…
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『はじめに』
季節が春へと移り変わりつつあり、冬の寒さを感じる日は少なくなってきましたが、それと入れ替わるように、花粉の季節が到来してきました。そうなると、当然のように休日は部屋で過ごすことが多くなり、それに比例して読書量が増えていますので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。
このレビューを読んだことで、作品や作者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。
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以前、幻告
六法推理
が大変面白かった作者さんの作品です。
本作は、以下の五編の短編集になっています。
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1.嘘か真言か
リサイクルショップで指輪を持ち去ったというありふれた窃盗事件が発生する。
誰もが通常の流れで結審されると思っていたが、紀伊特例判事補には違った画が見えていた。
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2.喰うか騙るか
ある事情から「特殊詐欺グループ」の仲間入りすることになった桃山晋平。
その後、グループの安土と様々な詐欺事件を行い売り上げを伸ばしてきたが、司法取引により、上司で指示役である安土こと浦城努を訴えた。
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3.一か罰か
志波地裁に配属されてから、日向判事補は未だに裁判を担当していない。焦りもあり・経験を積むという狙いもあり、家賃の滞納が原因の一軒家の明け渡しの現場に、執行官とともに立ち入る。
一軒家に踏み込むと、そこでは借主が首を吊っていた…
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4.夢か現実(うつつ)か
中学生の卒業文集「将来の夢」にスパイと書くほど、自由で刺激的なダークヒーローに憧れていた女性・相川梨子。
大人になり、スパイにはなれなかったが、ルポライターとして様々な潜入ルポを書いており、今回は「とある特殊詐欺グループ」の潜入に成功する。
その記事は彼女の自信作だったが、ある技術に夢を丸ごと奪われることになってしまった。
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5.幸か不幸か
日向の携帯に、司法修習の同期・楓からの着信があり、電話を掛け直すと「女子中学生とファミレスで会いたい」という連絡だった。
そのファミレスで、女子中学生に「起訴されている父親は嘘をついている」という相談を受ける。
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個人的には「一か罰か」が良かったです。
無国籍問題というのは私も聞いたことがあるのですが、問題の深いところに関しては全く分かっていない状況ということに気づきました。
まさかこの問題に、民法の「離婚後三百日問題」が深くかかわってくるとは思いませんでした。
やはり法律は、一つの条文に様々な条文が関連してくるものですね。
私の本業も法律に関わってくるので感じるのですが、どの分野の法律も、
今ある法律が絶対のものでは無く、特に、昔に制定されたものは現代に相応しくなるようマイナーチェンジを行う必要がある。
ということだと思います。
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正直、「新米判事補と裁判官の対立もの」というのはそれほど目新しいテーマでは無いのですが、紀伊特例判事補の描写がうまく、一般的な「感情の起伏が少ないロボット系人物」というものではなく、凄く人間味のある良いキャラクターになっていると思います。
また、最後まで読了すれば、題名について、なぜ
「噓か誠か」や「嘘か真実か」ではなく、
「嘘か真言か」にしたのか
ということも良く分かると思います。
前述しました「原告」「六法推理」でもそうですが、法律をテーマにした作品は作品自体の面白さはもちろんですが、読了後にちょっとした法律を学ぶことが出来るので大変好きです。
読了後には少し賢くなることの出来る本作を、皆さんも是非ご一読ください。
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