【簡単あらすじ】告白(微ネタバレ)【湊かなえ/双葉文庫】
『 では、私はどうすればよかったのでしょう。』
「イヤミスの女王」と呼ばれる片鱗が垣間見え、
登場人物の細やかな心理描写や、謎の散りばめ方も秀逸で最終盤では衝撃的な展開に。
湊かなえさんの本質が分かる・デビュー作と思えない内容の濃さの本作。
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『はじめに』
日に日に暖かくなり日本各地で桜の開花宣言が聞かれるようになりました。そうすると(私もそうですが)花粉症に悩まされる季節でもあります…しかし、外出しにくい気候ということは、読書の時間を多くとることが出来るというようにポジティブに考えることを心がけています。
このように、読書をするための絶好のシチュエーションを得られる時期ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。
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『 愛美は事故で死んだのではなく、このクラスの生徒に殺されたからです。』
ある中学校の終業式のホームルーム。
担任からの話が当たり前のように始まる。
この中学校では、「厚生労働省・全国中高生乳製品促進運動」のモデル校に指定されたため、毎日200mlの牛乳を飲むことになっており、それについての意義や感想など今年度のまとめの話が続く。
しかし、その話の最後、今年度限りで教師を辞めることを告白した女性教師は、
「最後にみんなに聞いてもらいたい話があります」
と話を切り出した。
それは、年度途中に事故で亡くなったと診断された、「女性教師の娘・愛美」の本当の死因についての話だった。
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先日レビューしました暁星
(惜しくも本屋大賞受賞とはなりませんでしたが、こちらの作品も是非読了ください!)
とともに、知人からおススメされた作品です。
ある中学校の教師が終業式のホームルームで話し始めた告白。
それは、自身の子どもが亡くなったのは事故では無く、クラスの生徒に殺されたという内容だった。
というところから始まり、そして、それに関連する各人物の描写を中心とした、6章構成になっています。
各章のタイトルが「聖職者|殉教者|慈愛者|求道者|信奉者|伝道者」となっており、確かにその言葉に相応しい登場人物なのですが・・・
それらの中心人物の考え方に、ある程度共感はするもののその行動を起こすかということについては、うーんと首をひねってしまうような、なんだかもやもやする、まさに「イヤミスの女王」という名がついた湊かなえさんの片鱗が分かるデビュー作です。
極論として話してしまうと、本作内の様々なことに結論を出しておらず、全てが読者に委ねられている作品とも言えます。
特に、
森口先生が聞いた「八坂准教授からの返事の答え」は何だったのか?
「私はどうしたらよかったのでしょうか。」の答えは?
という二つについては、作品の文脈もしくは読者の感性で考えるしかありません。
しかし、それでも決して「投げっぱなし」という批判には当てはまらない作品です。
登場人物の心理描写の巧みさで知られる・湊かなえさんの原点とも言える作品、是非ご一読ください。
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☆同作者の他作品レビュー☆
☆他の小説レビュー☆
※ここから、結構なネタバレになります。
ネタバレを読んでも良い方でしょうか?
ではそろそろよろしいでしょうか。
巻末には、文庫化記念として
「告白を映画化した監督・中島哲也さん」のインタビューがあります。
ここにもかなり面白いことが書かれているのですが、その中に、
『その中には本人がわざと嘘を言ったり、本人すら気づかない嘘がまじっていることもあるわけです。深読みしようとすれば、いくらでもできました』
とあるように、本作には嘘が混じっていることが(ほぼ)公言されています。
この発言を基に再読すると、また違った面白さがあると思います。(少なくとも私にはありました)
二度読み必須のお得作品です!
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