【簡単あらすじ】選ばれない人(微ネタバレ)【安藤祐介/光文社】
『 就活ってのはクソゲーみてえだなあ 』
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蜂谷徹郎は、自身の子ども時代の家庭環境から、超一流商社に入社することが人生の全てを左右すると考える大学三年生。
その信念の終着点である就活で勝つため、常にスーツを着用しどんな時でも敬語で受け答えをする蜂谷は、周りから「就活侍」とあだ名をつけられるような、愛すべき変人。
しかし、同級生の夏美・鴨志田・静原、就活でのライバル・加賀美、ゼミ教授の井畑、そして、途中で井畑ゼミに聴講生として入った通称「おじさん」などとの交流を通じ、少しずつ、蜂谷の信念が揺らぎ始める。
それは、悪いことなのか・それとも良いことなのか。
そして蜂谷の就活の行方は?
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『はじめに』
冬の寒さを感じる日は少なくなってきましたが、それと入れ替わるように、花粉の季節が到来してきました。そうなると、当然のように休日は部屋で過ごすことが多くなり、それに比例して読書量が増えていますので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。
このレビューを読んだことで、作品や作者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。
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題名の「選ばれない人」という文章からは、
私は(会社から)「選ばれない人」になってしまった。
といった、マイナスの意味のみを受け取ってしまう方が多いかもしれませんが、本作を読み進めると、
私は(会社に)「選ばれない人(=会社員としては不適当だが、プロとして生活出来る人)」を目指す(になる)。
といった、前向きの意味を受け取ることが出来るようになります。
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会社員として働く。
様々なフリーランスとして働く。
どちらが上で、どちらが勝ち組、という訳ではもちろんありません。
小説なので、かなり誇張・エンタメ化されていますが、現代学生の悩みや進路先についてきちんと描写されている作品です。
中学生時代から貫いてきた信念が揺らいだとき、残されているものは何か。
そして、自分が貫いてきた信念は、周囲にはどのように映っていたのか。
その後、自分が進むべき道は何か。
第八章 彼は敵ではなかった
第九章 彼は何も答えなかった
第十章 彼は種を蒔いていた
ラスト三章は怒涛の展開で、一気に引き込まれました。
私も大学時代の就活を思い出し心揺さぶられた本作。
現在就職活動をしている方、自身の就職活動を振りかえりたい方など、皆さんも是非ご一読ください。
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※個人的には、コミカル風表紙でかなり損している作品だと思います。
私は、表紙を見てコミカル・心軽く読み進められる作品だと思い購入しました。
そして、初めのうちは、主人公や同級生・転入生について、外見や個性が突き抜けているので表紙のイメージに沿っていたのですが、読み進めるうちに、少しずつ深いところに踏み込んでいき、最終的には多くの読者が考えさせられる内容になりました。
作者の安藤祐介さんは、解説によると、「様々な職業に就く人たちを通し、人生を描く作家」として注目を浴びている方ということで、本作も、それに相応しい完成度だと思います。
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