【簡単あらすじ】詐欺師は天使の顔をして(微ネタバレ)【斜線堂有紀/講談社タイガ】
『 これは一体何の皮肉で何の罰なのか 』
日本中を騙した超能力者・子規冴昼とそのブレーン・呉塚要。
順風満帆だったある日、突然、冴昼が行方不明になる。
要は冴昼を探し回るが、手掛かりすらつかめない。
その三年後に冴昼から要に電話がかかってくる。
電話の内容通りに要が行動すると、自分達が「ある」と人々に思いこませていた超能力が当たり前の異世界に辿り着く…
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『はじめに』
酷かった花粉の飛散もようやく収まり、窓を開けると爽やかな風を感じ、周りがポカポカ陽気になっていると私自身も何となく幸せも感じるという、絶好の読書シチュエーションを得られる時期が到来しました。ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。
この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。
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第一話 超能力者の街
『これは一体何の皮肉で何の罰なのか』
「初雪を見てくる」
事務所で窓の外を眺めていた冴昼はそう言い外に出た。
要は「絶対滑るぞ」と受け答え…
そして冴昼は失踪した。
そこから約三年、要はありとあらゆる手を使い冴昼を捜索したが、全く手掛かりを得ることは出来ない。
そんなある日、冴昼から事務所に突然電話がかかってくる。
やっと掴んだ手掛かりに縋るように、要が電話の内容通りに行動すると、
超能力・サイコキネシスが当たり前の世界に飛ばされ、
冴昼は、その世界で殺人事件の容疑者となり警察署に勾留されていた。
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第二話 死者の蘇る街
超能力者が当たり前の世界から、強制的に元の世界に戻された要。
そんなことで冴昼を元の世界に連れ帰ることを諦めるような男ではない・要は、冴昼のいる異世界への入口と考えられる電話ボックスが出現する規則性を見つけ、その三日後、無事に異世界に飛ばされることになる。
その世界で冴昼を見つけた要が、同じ境遇にある、ヘルベルチカ・ミミという二人組と公園で話していると、近くのベンチにスポーツカーが突っ込み、座っていたカップルのうち男性が即死してしまう。
しかし、女性のほうは全くの無傷であり、「だから早く死んどいたほうが良いって言ったでしょ!?」と電話で話し始め、どこかに死体の処理を依頼する。
今度の異世界は、「実体を持った幽霊が当たり前に存在する」、つまり「死者の存在しない」世界だった。
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エピローグ ●●の街
『 観測してくれ、また俺のこと 』
死者の存在しない世界から強制的に戻された要は、件の電話ボックスを見つけ、今度は高級な列車の一部分と思われる場所に飛ばされた。
そこで冴昼に会った要は、第一声でこう質問した。
「なあ、お前は何で俺を殺さなかったんだ?」
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本作は、インチキ霊能力者として現実世界で人々を騙す側・胴元だった二人が、今度は逆に、まるで世界中の人々から騙されているようにしか思えない前提の異世界に迷い込み、事件に巻き込まれる、という内容です。
舞台が、超能力・異能力が蔓延る世界なため、殺人のトリックも・殺人の動機も・事件の解明方法も、全てが私たちの常識では測れないような内容なため、全てが解明してもふわふわした読了感です。
確かに荒唐無稽な作品ではあるのですが、展開に一本筋が通っている上にきっちりと最終的に収束しているのは、さすが斜線堂有紀さんだと思います。
異世界で事件を解決する異色のミステリー作品。
私達の凝り固まった常識を揺さぶる・不思議な読了感を味わえる本作を是非ご一読ください。
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