草が主張し、夫婦も主張する家ーー夕方の散歩道で聞こえてくる罵り合い
夕方、犬の散歩に出かけると、家の中から夫婦が大声で罵り合う声が聞こえてくることがある。 その家の玄関まわりは、いつも草が元気よく主張していて、宅配便の人たちは、どうやってあの背の高い草をかき分けて玄関にたどり着くのだろうかと考えてしまう。
さらに、敷地を一歩出た公道のアスファルトにはヨモギがたくさん生えているのだが、我が家のルークは決まってそのヨモギめがけて用を足す。もちろん始末はきれいにしておく。けれど、その間にも、ドラマのクライマックスみたいな夫婦げんかが近所中に響き渡っていることがある。
初めてその声を聞いたのは、この町に引っ越してきた2020年9月ごろ。「ああ、この夫婦は長くもたないだろうな」と思ったものだ。ところが、あれから年月が経っても変わらず大げんかをしているということは、ある意味では“持っている”ということなのかもしれない。
そして、その家の塀には、ある政党のポスターが貼られている。家族の幸せを掲げる政党の支持者が、あれほど激しい夫婦げんかをしていて大丈夫なのかしら……と、つい余計なお世話なことを考えてしまう。
