耳ダンボ👂テーラー稲津の内緒話#63「ステージ0乳がんで指輪が増える姉と“量産オペ”という奇妙な現実」
関西の友人・Yには姉がいる。その姉が、どういうわけか乳がんの検査にたびたび引っかかるらしい。
Y「もう信じられないんだけど、姉ってね、2〜3年ごとに乳がんの手術してんのよ。それも“ステージ0”の」
私「え?どういうこと? がんなんて毎日できては消え、消えてはできての繰り返しでしょう? しかもステージ0の乳がんって、何を切るの?」
Y「そうなのよ。事情は私も知ってるんだけど、オペをする医師も、させる姉も、ちょっと……ね(笑)。 ただね、姉ってスゴイがん保険に入ってるのよ。がんの診断がついたら100万円もらえるやつ。だから、片方の胸にできた小さな塊を、ほんの少し取り除くだけ。見た目もほとんど変わらないのよ。 しかも姉ったら、キラキラしたものが大好きでさ。『このくらいの恩恵がなくっちゃ』って、100万円もらうたびに指に新しい指輪が光ってるわけ」
なんてこと、と私が驚いていると、Yはさらに続けた。
Y「姉はね、いくら医師に勧められても、ホルモン治療も抗がん剤も放射線も絶対にやらないのよ。 で、姉の娘は看護師で、日本の標準治療を信じてるから……そのあたりで大げんかして、しばらく冷戦状態だったの。でも、何を言っても姉は聞かないし、あれだけ元気にピンピンしてたら、娘だって引き下がるしかないのよね。だから今は、2〜3年ごとに“怪しいかけら”をちょっと切ってもらって、ついでにキラキラしたものを手に入れてハッピー、って感じみたい」
笑える話だ。 だけど、ステージ0の乳がんを喜んで切る医師と、切られる患者。お互いにウィンウィンなのかもしれないけれど、これって本当に問題ではないのだろうか。
私は思う。
近い将来、こんなバカバカしいオペは、きっと姿を消すだろうと。
