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異星人アリサと閻魔さまのトリセツ第28話「ムーンショット計画が頓挫?」【7割リアル連載小説】

真由美がドクター・ミネルバの家でレクチャーを受けたあと、アリサが真由美の家に遊びに来た。

真由美「アリサ、ムーンショット計画が頓挫したって話、どうして私が入院してた間に教えてくれなかったの?ずっと“あれ、どうなってるんだろう”って気になってたのに、ミネルバが“計画そのものがなくなっている”って教えてくれたのよ。レクチャーが終わってからその話になったもんだから、詳しいことまでは聞けなかったの」

アリサ「ああ、あれね。正式発表はされていないけどね。たしか、随分まえに計画が打ち切りになった感じよ。目標全部がキャンセルっていうより各分野が好きなように研究を続けている場合もあるかもしれないけど……。うーん、今は闇側にも優先順位があるだろうからね。あっ……そのこと、真由美に言ってなかったかも。ごめん、ごめん」

真由美「なーんだ。まあ、よかったけどね……。で、いったい何があったの?」

アリサ「まあ最初から無理があったのよ。サイボーグだの、アバターだの。AIやロボットが相棒として感情を人間のように共有しながら生きて行くとかさ。確かにAIやロボットは人間のフリが出来ると思うわ。でも、本当に人間と同じような感情を持つって……やっぱり不可能よ。ウィル・スミス主演の映画の『アイ、ロボット』にはウィンクする人間っぽいのがいたけどさ——」

真由美「ふーん、そうか……。まあ、そうよね。人間とロボットの共生や融合なんて……。いくら最先端の科学が使える時代になったとしても、地球人には限界がある気がするわ。アセンションすれば、わざわざロボットと融合する必要もなくなるかもしれないしね。地球人は銀河の中で最低レベルの機能しか持っていなくても、それが逆に魅力だったりすると思うわ。ムーンショット計画を考えた人って『マトリックス』とか未来アニメを見すぎたんじゃないかしら?……いや、むしろその逆か。構想があって、それをアニメやハリウッド映画にするのが普通の流れよね。それで、しれっと内閣府のホームページに載せる。でも、あれを下ろさずに載せ続けている理由って、私たちに夢のある未来を想像させたいからなのかしら?夢って言ったって、ただ人々を困惑させているだけのように思えるけど。今の世界とかけ離れすぎているもの」

アリサ「そうよ。アレを見て誰もが、そういう世界で生きたいとは思わないんじゃない?誰だか知らないけど発案者ってっちまってるわ。でも、テレビドラマやアニメにムーンショット計画に合わせて、それっぽいものがいくつかあるわね。AIで調べたことがあるんだけど、身体・空間・時間の制約からの解放として、『ID:INVADED』、疾患の予測・予防として『PSYCHO-PASS』、AIとロボットの共進化として、『BEATLESS』や『エデン』、地球環境再生として、『風の谷のナウシカ』が対応しているんだってさ。ほかに食料供給の持続性や汎用量子コンピュータの対応なんちゃらとか……。ごめん、今思い出せないわ」

真由美「『風の谷のナウシカ』は何度も観ているからよく知っているけれど、他のは観てない。脳内をロボットと共有して生活するなんて私には理解できない世界だわ。調べ物や文章の校正をしてくれたり、進化型炊飯器がお米を美味しく炊いてくれるのには感謝しているけどね。でも、生活や身体にAIを取り入れすぎるのは好きじゃないわ。寝たきりでも脳が指令を出せばAIがやってくれるとか、目の見えない人の代わりにAIが目になってくれるっていうのは有難いと思うけどね。でも、健常者の場合はどうかしら?アレクサも気持ち悪いことがあったからコンセントを抜いて放置しているし。何でもかんでも便利になる方向に進めすぎると、楽になった分、違う種類の不都合が増えるような気がしてくるの。勿論使い方次第なんだろうけどね」

第29話へ続く


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