耳ダンボ👂テーラー稲津の内緒話#58「ホオジロザメは忘れないーー人が触れると海のバランスが崩れる話」
今日も、昨日に続いて A さんから聞いた話を書くことにしよう。
海で“えまき”をする様子をテレビで見たことがある。観光客に魚を見せるには良い方法なのかもしれないが、どうやら良いことばかりでもないらしい。
例えば――ホオジロザメ。 どれだけ勧められても私はノーサンキューだが、A さんはなんと、そのホオジロザメをナデナデしたことがあるという。
野生……というか、もう“自然そのもの”の存在だ。
海外か日本かは定かではないが、A さんはどこかの海で初めてホオジロザメに触れたらしい。もちろん海のエキスパートと一緒だったのだろうが、そのホオジロザメには意外にも狂暴さがなかったという。
恐らく、人間から餌をもらったことがあり、そのたびにタッチされていたのだろう。A さん曰く、 「一度人間に餌をもらって優しくタッチされると、ホオジロザメはそれを忘れないそうなの。結局、自力で生きるのが難しくなるんだって。サメに限らず、ほかの魚もそうみたい。マグロだって、カツオだって」 と。
最近のショート動画にも、ワイルドアニマルと人間との交流がよく上がってくる。 罠にかかったピューマ、穴に落ちた象、網に引っかかったコンドル、海に潜るたびに会いに来るサメ……。
あ、そうか。 サメって、忘れないんだ。 特別な理由があってレスキューされたなら、人間と交流を深めることもあるわけね。
となれば、人間の楽しみや気まぐれで、海の生態系を壊してしまうことは、案外簡単なのかもしれないってことか。
私たちの生活圏で考えれば、せいぜい野良犬や野良猫、鳥くらいが対象になるのだろうけれど、海という特別な環境にいる生き物に、下手に手を出すのはどうなんだろう。
やっぱり、ほおっておくのが自然で、ナデナデするのは余計なお世話なんじゃないか――そんなふうに思った。
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