#22『薄明』第4章:名前を呼んで⑦🔞
【大切なお知らせ】いつも物語を見守ってくださり、ありがとうございます。今回と前回のお話は成人向けの表現が含まれますので、18歳未満の方はご遠慮ください。
正直少し踏み込んだ内容になっているため、有料にした方がいいのか悩みましたが、櫂と茉莉にとって、そしてこの物語にとっての重要なターニングポイントとも言える大切な回で、自分的にも、ものすごく思い入れがありお気に入りのエピソードですので、二人の覚悟を一人でも多くの方に届けたいと思い、無料公開といたしました。
二人が初めて結ばれるこのシーンを、私は「ただの性愛」ではなく、「命のやり取り」のような、純粋で圧倒的な大人同士の愛の証明として書きました。どうぞお楽しみください
前回のお話はこちら。
もし読んでない方はぜひ前回から読んでください。いや絶対読んでからのほうがいいと思う。ぜひぜひ。
櫂は茉莉の頰から両手を離し、たまらずその場で自分のTシャツの裾を掴み、一気に脱ぎ捨てた。
茉莉は、露わになった彼の身体を間近に見て、思わず息を呑む
いつもスーツやシャツの姿しか見たことがなかった
窓の外で走る稲光が、彼の肌の陰影を鮮烈に浮かび上がらせる。
広く、厚みのある肩幅。
鎖骨から胸板にかけて走る、無駄のないしなやかな筋肉の隆起。
それは茉莉を護衛するため日々トレーニングしてきた男の機能美ともいえる美しさ。
腹部に刻まれた深い溝
呼吸に合わせて硬く波打つ腹筋。
こうして冷静に眺める彼は、これまで兄や家族だと自分を騙そうとしていた努力を、無残なほどに打ち砕く圧倒的な「男」だった。
ずっと一緒にいた人間を異性として改めて意識したことに気づき、茉莉の頬が瞬時に火照りだす。
「……なんですか。あまり、見ないでください。……恥ずかしい」
櫂は茉莉の視線に耐えかねたように、片手で顔を覆って視線を逸らした。
浮き出た腕の血管や、浮き沈みする喉仏。
自分の視線にたじろいで顔を覆う櫂を見て、茉莉の胸の奥がキュンと甘く疼いた。
いつも冷静沈着で、感情の機微さえ見せなかった「完璧な櫂」が、自分の視線ひとつでこんなにも乱れるのか。
(……私だって、ドキドキしてるのに)
茉莉は、ベッドの上で自分が着ているネグリジェをたくしあげ、脱ぎ始めた
「……茉莉? 何を……」
驚いて顔を上げた櫂の目の前で、薄いシルクがするりと床に落ちる。
月明かりに照らされた、白く、柔らかな茉莉の肢体。
「……っ……、……」
櫂が息を呑み、言葉を失って固まる。
櫂の熱を孕んだ視線を受けながら、茉莉は羞恥心で震えそうになるのをこらえて、彼の胸に自分の額をこつんと押しつけた
「……おそろい。
……ね、これで櫂と平等だよ」
肌と肌が直接触れ合った瞬間、バチッと静電気ような衝撃が走る。
使用人と、主ではない。
今はただ、求め合う男と女として対等でいたい、という茉莉の気持ちが痛いほど伝わってきた
「……、……茉莉。あなたは、本当に……」
「……櫂、……心臓の音、すごい。……私と一緒だね」
櫂の胸に手を当てて茉莉が控えめにささやく
ふたりの胸から伝わってくる、早鐘のような鼓動。
大切に、大切に扱わなきゃいけないと自制していた櫂の腕が、ついに我慢の限界を超え茉莉を強く抱き寄せた。
「……平等、なんて。……こんなの、私の負けです。……もう、絶対に離しませんから…!」
不器用な照れを脱ぎ捨て、櫂は茉莉に覆い被さった。
逞しい胸板が、彼女の柔らかな胸を圧し潰す。
互いの心臓の音が、狂ったような速さで共鳴し合う。
「……もう、無理です。……こんな健気なことをされて、止まれるほど私は強くない」
雷光に照らされた彼女の美しい裸体を、彼は食い入るように見つめた。
「……嫌なら、今、……私を突き飛ばしてください。
……この先へ進めば、私はもう、あなたを一生離さない……」
そう言うと、彼は自分の熱く昂った場所を、彼女の濡れた秘部に押し当てた。
ビクッ、と茉莉の身体が緊張にこわばる。
「…怖いですか?」
茉莉は櫂の目を見つめながら、首を横に振った。
「……っ、……愛しています、茉莉。…………あなたを、…たまらなく愛している……」
雷鳴が空を切り裂くのと同時に、櫂はゆっくりと、茉莉の内へと自身を沈めていった。
「あ……、あ……っ……」
身体を分かちがたく繋ぐ、熱い、重い楔
めりめりと侵入してくる櫂自身の大きさに茉莉は顔を歪めながらも、自分を貫く彼の熱を必死に受け入れようとした
「大丈夫…ゆっくり、息を吐いて…すぐ、楽になりますから……」
櫂が耳元で囁く
ひと月半。
あれからお互いにどこか遠慮して過ごしてきた反動が、重なった場所から熱い濁流となって溢れ出した。
櫂は茉莉の指を絡め取り、シーツに縫い付けるようにして固定する。
「……この1ヶ月半。……どれほど、あなたに…触れたかったか。……正気を保つのが、これほど難しいとは思いませんでした」
櫂はゆっくりと腰を動かし始めた。
深く、内側の柔らかな粘膜を擦り上げるたびに、茉莉の身体がぴくんと震え、甘い声を上げる。
「あ……、は……っ、……櫂、………っ…、」
「……逃げないで。力を抜いて…」
さっきの指先とは比べ物にならない質量感
押し広げられる感覚に茉莉の息が浅くなる
櫂の動きは、茉莉を壊さないよう慈しみながらも、その奥深くで自分の存在を強く刻み込もうとしていた。
彼は首筋に顔を埋め、茉莉の香りを胸いっぱいに吸い込みながら腰を大きくグラインドしていく
「……あ……、……あ……っ、…………櫂……はぁっ…気持ちぃい…、
おかしくなりそう……、」
茉莉は腰がとろけそうになるのを抑えることが出来ない
「……私も、おかしくなりそうです。……茉莉、あなたが好きだ……。狂おしいほど、愛している……」
外では雷鳴が再び咆哮を上げ、激しい雨が窓を叩く。
けれど今の二人には、互いの肌が擦れる音と、重なり合う熱い吐息しか聞こえない。
優しく、深く、容赦なく突き上げられる衝撃に、茉莉の思考は完全に停止した。
櫂の逞しい腕が茉莉の腰を浮かせ、さらに奥深く、逃げ場のない場所まで自身を沈めていく。
「……っ、……見てください、茉莉。……私を、見て……」
懇願するような彼の声に目を開けると、そこには、愛しさと独占欲に理性を焼かれた、見たこともないほど情熱的な男の瞳があった。
櫂の動きは次第に熱を帯び、本能の荒々しさが混じり始める。
けれど、その腰の動きは驚くほど的確に、さっき指先で教えたばかりの「甘い場所」を逃さず抉った。
「……う……!」
茉莉が顎をのけぞらせて震える
経験したことのない、身体の芯から突き上げてくる熱い痺れ。
互いの愛が注がれ合い、徐々にコントロールの効かなくなる欲求が最も高いところへと近づいていく
闇とも光ともいえない深さの中にふたりは結びついてゆく
櫂は、茉莉の内側が充血してふくらみ、痙攣しそうに自身の楔を締め上げ始めたのを感じ取った。
自分の限界はとっくに超えていたが、櫂は奥歯を噛み締め、彼女が辿り着くその瞬間まで、必死に自制の糸を繋ぎ止めていた。
「……くっ、……
……あぁ……茉莉……行こう……一緒に……!」
茉莉が大きく背中を反らせ、円弧を描く。
そして絶頂の声を上げたその瞬間
櫂は自らもすべてを解き放ち、彼女の深奥へと、熱い愛の奔流を何度も、何度も流し込んだ。
やがて雷鳴は遠のき、雨音が静かになっていく
さっきまでの嵐が嘘のように、
深い静寂が訪れようとしていた──
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