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錦小倉 高見一力堂 島根松江 和菓子なスクチャイ102 2025.09.09

和菓子なスクチャイ102 島根 > 松江

※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。


錦小倉 高見一力堂 島根松江

錦小倉 高見一力堂 島根松江
錦小倉 高見一力堂 島根松江
錦小倉 高見一力堂 島根松江

1.「錦小倉」の特徴と歴史

松江の老舗和菓子店「高見一力堂」が製造販売している「錦小倉(にしきおぐら)」は、明治初期から松江や出雲地方に伝わる伝統的な和菓子で、その名前には日本の美しい風景や風情が込められている。

2.外観

紅葉の渓流に映る風情を「紅葉の錦」に見立てて、薄いカステラ生地で羊羹を挟んでいる。

薄めの生地のカステラの色は水分のせいか茶色が濃く、これが紅葉を表しているのかもしれない。

しっとりした水分はビニール包装を透して見えるが、中身の本体を実際に触るとこの水分は結構べたつきがあり、みりんや砂糖が含まれる液体と思われるのだった。

触るとべた付くのでそのまま持つわけにはいかず、切ってから爪楊枝やフォークで食べるのが良さそうだ。

3.素材と製法

独自の製法で作られた薄くてしっとりとしたカステラ生地が、羊羹を優しく包み込んでいる。

製造元公式サイトによると、その羊羹は国産最高級とされる備中産の小豆を使い、柔らかく練り上げた小倉羊羹を使用しているとのことだ。

小豆本来の風味とあっさりとした甘さが特徴だ。

4.味と食感

錦小倉 高見一力堂 島根松江

しっとりとしたカステラ生地のふんわりとした食感と羊羹のずっしりとした食べ応えが絶妙なバランスを生み出している。

甘さも控えめでいくらでも食べ続けられる味と食感だ。

吾輩は最初の半分こそ写真のようにお上品に切って皿に載せて食べたが、後半は5代目三遊亭圓楽師が羊羹をかじって食べていたように吾輩も「錦小倉」の棹をそのまま持ってかじって食べた。

高級菓子を雑に食べる豪快さで美味しさがいっそう増したような気がしたし、皿を使わないので洗い物が増えないという利点もあった。

5. 「高見一力堂」の歴史

「錦小倉」を製造する高見一力堂は、江戸時代の宝暦年間(1751年〜1764年)に創業した歴史ある和菓子店で、かつては松江藩の御用達も務めていた由緒ある店舗だ。

なお、高見一力堂の他の商品には、たとえば以前紹介した「姫小袖」がある。

6.類似のお菓子と製造元

「錦小倉」は高見一力堂だけが製造販売している銘菓だが、名前は異なるものの松江には「錦小倉」と似たようなカステラ生地で小豆の餡や羊羹を挟んだお菓子が複数存在し、例えば以下のようなお菓子がある。

6.1.風月堂の「八雲小倉」

「八雲小倉」は松江にある老舗和菓子店「風月堂」が製造するお菓子。

見た目も製法も「錦小倉」に似ており、カステラ生地に羊羹が挟まれている。

「八雲」は小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)に由来する名前で松江の文化と深く結びついている。

6.2.彩雲堂の類似品

「若草」で知られる彩雲堂も餡をカステラ生地で挟んだお菓子を製造している。

「錦小倉」という名前ではないが、似たようなお菓子を扱っている。

以上のように「錦小倉」という名前のお菓子は一力堂の代表的な商品だが、松江ではカステラと餡を組み合わせた和菓子が広く作られており、それぞれの店が独自の名前を付けて販売していることがわかる。

7.青森の「シベリア」を思い出す

現在青森で多く販売されている「シベリア」もカステラ生地で羊羹を挟んだお菓子だった。(以前紹介

小豆餡を固めたのが羊羹なので、かじるときに寒天質を感じるかどうかの僅かな違いはあるが、吾輩は「錦小倉」をかじったときに「シベリア」を思い出したのだ。

「シベリア」は庶民の菓子パンのような位置付けで安価なので、高級菓子の分類の「錦小倉」と比べるのはいかがなものかとも思ったのだが、その味に共通点があったので一筆触れておきたいのだ。

ガバガバお腹いっぱいに食べてもそんなにお金がかからずそのまま大量にかじって食べても罪悪感を催さない「シベリア」と高級原材料で割と高価な「錦小倉」とは対照的だ。

今回の「錦小倉」は特寸サイズということで、写真で隣のナガノのくま(身長7.5cm)と比べてみたらわかるようにそんなに大きくはない。

島根県アンテナショップ(日比谷しまね館)での売値は税込993円だが賞味期限間近のため20%引きで税込794円だった。

写真の大きさでこの価格では日常に食べるお菓子としては贅沢品となるだろうから「シベリア」のようにお腹を膨らませるために食べるのは邪道だろうし、そもそもそんな食べ方では不昧公が言う「侘び寂び」にはほど遠い。

ちなみに「錦小倉」はカステラ部分もしっとりと砂糖を含んだ水分を含んでいて表面はベタついていたのでそのまま本体を持つのは憚れた。

先にも書いたが、水分はたぶん原材料のみりんのせいかもしれない。

一方の「シベリア」はカステラ部分は乾燥しているのでそのまま持って食べやすかった。

「錦小倉」と「シベリア」と比較することに意味があるのかどうかわからないが、「錦小倉」を食べながら「シベリア」を思い出したので一応触れたまでだ。

結局、カステラ生地と和のあんこはとても相性がいいということが言えるのだ。

(おわり)

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