若浪(昆布巻き羊羹)甘精堂本店 青森市 和菓子なスクチャイ252 2026.01.28
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※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
若浪(昆布巻き羊羹)甘精堂本店 青森市



1.「甘栄堂」と間違えた「甘精堂」
新青森駅の名産品売り場に入っている一軒が「甘精堂」だが、この甘精堂を最初「甘栄堂」と間違えて・・・というか、店内で「甘栄堂」はどこかと人に訊いた時に案内されたのが「甘精堂」だったのだ。
「かんえいどう」と「かんせいどう」の読みが似ているせいもあるだろうが、「甘精堂」にはその時吾輩が探していた「雲平」が当然なく、甘精堂の店員のおねえさんは私が弘前の「甘栄堂」の女将さんと話す電話に親切に出てくれて、無事別店舗で「雲平」を見つけることができたのだった。
2.「甘精堂」の店頭に立つ
その時のお礼、ということもなかったのだが、別の日に新青森駅に降り立った時に。今度は改めて「甘精堂」の店頭に立った。
どのような商品があるのなどの予備知識もないままにだ。
ちなみにその時、以前「雲平」を一緒に探してくれた店員のおねえさんはいなかった。
さすがにいたら改めて前回のお礼を言うつもりだったが、違う店員さんなら何も知らないはずなので、まあわざわざこんなことがあって以前世話になったとかいちいち説明するまでもないだろうと、吾輩はとりあえず一般の客として「甘精堂」の店頭に立った。
もちろん店員さんにはいちいち言わないが、内心は、今回何か買ってささやかながらではあるが前回のお礼代わりに売り上げに貢献させていただこう、という気持ちであった。
3.「甘精堂」は羊羹の店?
さあ、そこで何を買うかだ。
ショウケースにはいろいろ種類の羊羹が並んでいて、「甘精堂」は羊羹がメインの和菓子屋さんなのかなと思った。
羊羹は好きだが、はっきり言ってどこのメーカーでも羊羹の差はどんぐりの背比べと日頃から思っていて、吾輩は羊羹はよほどの特徴がないとなかなか印象に残らないのだ。
たとえそれが「とらやの羊羹」であってもだ。実際、有名なブランドほど名前と金額に酔わされる人がほとんどだろう。
ま、しかし「とらや」は貰えると素直に嬉しいのでそこは某アメリカ駐在嫁とは一緒にしてもらいたくはない。( ´∀` )(余談)
そのようなことで吾輩は新青森駅の「甘精堂」の店頭に立って、ありゃりゃ、ここはほとんど羊羹専門店だにゃ(なぜかネコ語)と一瞬途方に暮れたのだ。
4.昆布の羊羹


そこでどうせなら個性が尖っているような羊羹があればそれを買おうと思い、店員のおねえさんに珍しい羊羹のおすすめはないかどうか訊いてみた。
すると「昆布羊羹」はいかがかと来た。
試食もさせてくれた。
ほんのり昆布の香りが漂った。
しかしそれだけだった。
おねえさんは、もう一種類「若浪」昆布羊羹があって、そちらは昆布が巻いてあるので昆布の使用量が圧倒的に多いと言った。
しかし試食はないとのこと。
ひと口サイズの小さいのもないから、買うとしたら1棹で賭けだ。
個性が尖っていると言えば、粉昆布を練り込んだ生優しい「昆布羊羹」よりも本物の昆布を巻いた豪快そうな「若浪」だ。
吾輩はその「若浪」210gの1棹を買うことにした。税込1,350円だった。
5.食べた


開封した途端に磯の香りが漂った。
いいぞいいぞと思ったが、何だか昆布巻きでも食べる雰囲気だ。
ナイフで切ってみて気づいたが、一般の羊羹と思って生優しい気持ちで切ると巻いてある昆布一部が完全に切れずにだら〜んとだらしなく垂れるのであった。
昆布巻き羊羹はキッチリと最後まで切らねば見栄えがだらしなくなるのだった。
そういうことで、切り直して並べた写真も撮り直した。

表面に白く浮いているのは砂糖だ。
表面に巻かれているベロ〜ンとした昆布も柔らかく、噛み切るのが気になるほどのものではない。羊羹と同じくらいの柔らかさに煮てあるのだろう。ただ表面でペロ〜ンと貼りついているだけなのだ。
それに中にも無数の昆布の切れ端が混ざっていた。
店頭で試食した「昆布羊羹」は昆布粉を混ぜた羊羹だったのであまりインパクトはなかったが、試食できなくて賭けだったこちらの「若浪」は、尖った個性を経験するには買って正解だと思った。
6.出汁の効いた羊羹は大阪の・・・
しかしこの感じ、どこかで食べている・・・あっ! 正月に大阪天満天神繁盛亭で買って食べた「上方落語ようかん」だ! と思い出した。
それも「時うどん」の方だ。
出汁が効いている羊羹だった。
その羊羹の話題性は「大」であった。
しかし、どちらかと言うと鰹出汁であった。
7.「若浪」は昆布出汁
今回の「若浪」は「昆布出汁」だ。いや、出汁どころではなく「昆布そのもの」だ。
「若浪」のペロンとした昆布はよく見ると昆布そのものではなくて緑色した寒天ゼリーのような薄いシートのように見えるがメーカー公式サイトには「昆布を巻いてある」と書いてあるので分厚く透明感のある本物の昆布なのだろう。
これだけ昆布を摂取すれば水溶性食物繊維の摂取はバッチリだ、と思わせる健康羊羹でもあるわけだ。
甘味もほどほどでいっぺんにいくらでも食べられて美味しい羊羹と言うか、昆布加工食品と言うか、なんかそんなような不思議な食べ物だった。
8.甘精堂本店
青森市にある甘精堂本店(かんせいどうほんてん)は明治時代から続く青森を代表する名門中の名門だ。
そこの名物「若浪(わかなみ)」は、青森が誇る海の恵みと和菓子職人の情熱が結びついた非常に珍しくも完成度の高い一品なのだそうだ。
甘精堂本店の創業は明治24年(1891年)で、青森市の目抜き通りである新町(しんまち)に店を構えている。
青森を代表する老舗として古くから皇族の方々が青森を訪れる際のお買い上げ品や献上菓子を担ってきた。
青森といえば「昆布」と「林檎」だが、甘精堂はこの二つの地元素材をいかにして「気品ある和菓子」にするかを追求してきたお店なのだ。
9.銘菓「若浪」

「昆布」と「羊羹」は、初めて聞いた人は驚く組み合わせだろうが、青森の食文化を考えればこれほど贅沢なものはない。
「若浪」には青森県産(主に下北半島や津軽半島で採れる)の肉厚で香りの良い高級昆布が使用されている。
昆布をじっくりと蜜で炊き上げ、羊羹の生地に練り込み表面にも巻いている。
昆布の「塩気」と「旨味」が羊羹の「甘み」を最大限に引き立てる計算し尽くされたバランスなのだそうだ。
「若浪」という風雅な名は、冬の青森の海に打ち寄せる若々しい波と、その波に揺れる瑞々しい昆布の姿を写したものと言われている。
(おわり)
