酒まんじゅう 暖簾分け川西屋 新潟長岡 和菓子なスクチャイ125 2025.10.17
和菓子なスクチャイ125 新潟 > 長岡
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
酒まんじゅう 暖簾分け川西屋 新潟長岡

1.川西屋本店の暖簾分け店


山本五十六が水まんじゅうとして食べるのを好んだ塩小豆まんじゅうを製造販売する川西屋本店が暖簾分けしたもう一軒の川西屋が長岡にあり、今回の記事はその暖簾分け川西屋の話題だ。
その暖簾分け川西屋は長岡駅から徒歩10分程度の距離にあるが、前回の川西屋本店は長岡駅から徒歩5分程度だった。
つまり両者の距離は徒歩15分程度で、どちらも新潟の商業地域に独特な雁木造りの歩道に面したお店なので、県外の人も旅行で長岡に来た時に、独特の新潟建築文化を感じながら散歩がてらに訪問するのも一興だ。
ちなみに暖簾分け川西屋に駅から向かう道すがら、その手間には山本五十六記念館があるので興味のある人は山本五十六の酒まんじゅう屋さんとまとめて訪問するのもいいかもしれない。
2.10月の日曜日の昼下がりは暑かった
日曜日の昼下がりの西陽を浴びていた暖簾分け川西屋に駅から歩いて来た吾輩は汗だくであった。
2025/10/17のことで本来なら涼しい時候のはずだが、実際は日差しはきついし気温は26度ほどもあった。
先日秋田の八郎潟であんごま餅を買った日も2025/10/03にもかかわらず気温が30度近くまで上がった日差しのきつい快晴の日で、目的のあんごま餅屋さんに着いたときには汗だくだった。
10月なので1km程度の散歩は快適だと思っていたのだ。
2025/10/03の秋田では八郎潟駅から約700m歩き、2025/10/17の今日は長岡駅から約950mだ。
幸いどちらも高低差のない道のりだったが影のない区間も歩かねばならず、風もないせいもあってどちらも汗だくになってしまった。
吾輩は暑さに弱く、少しでも気温が高いと徒歩などの軽い運動でもたちまち汗だくになってしまう。
ここのところずっとお菓子屋さんに歩いて行く時はいつも汗だくになっているような気がするのだった。
まあ雨よりはマシかもしれないと自分に言い聞かせているのだが、本音を言うと雨に多少濡れたとしても日差しがなく気温が低いはずなので自分にとっては汗をかかないだけ雨の日の方がずっとマシなのだ。
どうも吾輩は昔から陰性植物寄りの体質なのだ。
3.暑い日こそのアイスキャンディー



ところがそんな汗だく状態で店頭に着いて嬉しかったことがある。
「アイスキャンデー」の幟と看板があったからだ。
夏の風物詩のアイスキャンディー(店の表記はアイスキャンデー)が10月には似合わない気もするが、いかんせん汗だくの吾輩にとってこんなに嬉しいことはなかった。
さっそくその場にいたメガネの優しそうなおじさんにお願いして「三色アイス」税込150円を買ってその場でかじりついた。
うま〜い!
三色アイスとはイチゴ、ミルク、抹茶の三色だ。
それぞれの単一味は一本税込120円で、三色には入っていないのはアズキであった。
ここのアイスキャンディーはここの店舗内で作っていて、前回の記事の川西屋本店にも卸しているのだ。
前回吾輩は川西屋本店でイチゴアイスを食べたが、そのアイスはここ暖簾分けの方の川西屋製造のものだったのだ。
川西屋本店はもう時節的に仕入れはストップしていて在庫はイチゴアイスのみだったが、暖簾分けの方に来てみると今のところイチゴ、ミルク、抹茶、そして三色の全種類が揃っているのだった。
アイスやかき氷は汗だくになればなるほど旨いので、この点は今日の暑さに感謝した。
しかしメガネの優しげなおじさん曰く、アイスの製造はもうストップしていて今は在庫があるだけの販売だと言った。
この在庫が無くなったらいよいよ来年までおあずけなのだ。
4.来年のアイスキャンディーは?
来年はいつから始まるのかと訊いてみたら、なんとかゴールデンウィークには販売を開始したいね、と言った。
つまり4月の下旬にはアイスキャンディーが販売開始しているような話ぶりだったのだ。
これはアイスファンには吉報だ。
というのは先日の川西屋本店のご主人の話だと、例年は5月下旬から6月頃からの販売開始だったからだ。
しかし年々暑い日が長引いてきていてそれにつられてアイスの需要も長くなってきているはずなので、顧客としては例年より前倒しで開始してアイスの店仕舞いも遅めにして欲しいところなのだ。
その点今日2025/10/17の時点で暖簾分けの方の川西屋で全種類が存在していたのはアイスファンにとってはこの上ない喜びだろう。
くどいようだが、汗だくになって歩いてきた吾輩にとってはヨロコビ以上の救世主だったのだ。
そういえば先頃川西屋本店を訪れたとき、ご主人が次のように言っていた。
ある客が川西屋のアイスを5月の連休の始まり頃に買いに行ったがその年はまだアイスの製造を始めておらずがっかりして、その人がネットに5月にはまだアイスは売られていないという書き込みをした。
川西屋では4月5月にアイスを求める客が目立って増えてきていたことから、翌年から5月に連休に間に合うように製造販売を始めた。
しかし準備万端で例年より早期にアイスの販売を開始した翌年だったが、皮肉なことに4月5月の連休のあたりはほとんど売れなかった。
この話を聞いた吾輩は、それは案外ネットの書き込みのせいではないかと思った。
誰かがその時の書き込みを見てそれを信じると自衛のために行動しない。
つまり行っても売ってないなら無駄足を踏むことになるので、それを避けるためにネットの書き込みを信用するのだ。
店舗側は翌年から販売期間を早めるなどに変更しても、顧客にはその情報が伝わらないため、顧客は依然として過去のネット書き込みに従う。
直接店舗に電話などで訊いて確認するのではなく、ともかくTwitter(現X)やGoolgeMapなどのネット書き込み情報を盲目的に信用してしまう人が多い世の中というわけだ。
店舗側の予測で製造期間を長くしてもうまく客に伝わらず、結果的に作りすぎて大量の在庫を抱えたままその年の季節を終えてしまうことになったのだ。
大手メーカーのアイスは賞味期限がないことになっていて実際味も品質も変わらないまま何年も保存できるのだが、川西屋のような添加物なしの手作りアイスはそうはいかず、抹茶やミルクやイチゴの成分が水成分と分離してしまい冷凍のままでも商品が変質してしまうのだそうな。
このことで店舗側は出来るだけ在庫を抱えずに季節を終了したいと思うのだが、客足というものはなかなか予測が出来ず苦心するところなのだと言う。
少なくとも吾輩は暑くなりかけの4月から今年のような夏日が珍しくない10月いっぱいぐらいまでの販売期間であってくれたらな、と思っているが、その4月から10月末までの期間に製造元の暖簾分け川西屋と川西屋本店でアイスファンが継続的にアイスを求め続けると、今後はその4月から10月末までが毎年の販売期間として店側も客側も共通の認識となり、お互い安心して需要と供給のバランスがとれるのではないか?と思うところだ。
そもそもここに書いていることもネット情報には違いないので周囲を混乱させるようなうっかりしたことは書けないのだが、いずれにしても川西屋のアイスファンは4月や10月などの微妙な時期には臆せず電話などで直接確認した方がいいと思う。
吾輩も来年はそのように自分で確認してから、さらに自宅の冷凍庫の空間も確保してから、クーラーボックス持参で川西屋に多数のアイスを購入しに行くかもしれない。
それが今からすでに楽しみで仕方ないのだ。
5.暖簾分け川西屋の酒まんじゅう


中左:甘塩つぶ餡、中右:醤油つぶ餡、下:塩あずきつぶ餡

中左:甘塩つぶ餡、中右:醤油つぶ餡、下:塩あずきつぶ餡

中左:甘塩つぶ餡、中右:醤油つぶ餡、下:塩あずきつぶ餡
さて、アイスの話題が長くなったが、いよいよ酒まんじゅうの話だ。
写真のようにショウケースには丸い酒まんじゅう3種(1個税込120円)、少し大きめの中身なしの酒まんじゅう(税込100円)、そしてその日は売り切れで敷いている経木の上には商品がなかったが、川西屋本店で前回買ったような楕円を伸ばした形の大きな中身なしの酒まんじゅう(税込400円)が売っていたとのことだった。
6.アウトレットの「石まん」

そしてその隣には見慣れぬ「石まん」と称するパック入りが税込530円で売っていて、中身はひしゃげたような酒まんじゅうが5個入っているのだった。
パック入りは日によって種類が変わることがあるそうで、その日はたまたま甘あん(こし餡)の酒まんじゅうが5個入っていて税込530円とお得なのであった。
優しいメガネのおねえさんは、製造過程で出来てしまった形が崩れたようなのを5個まとめて売ってるのよ、と説明してくれた。
これが好きで毎回買ってくれるお客さんもいるとのことだ。
吾輩もきっとそのお客さんの同類だ。
7.昔ながらの蒸籠で作る酒まんじゅう
これは本家の川西屋本店のご主人から聞いた話だが、暖簾分けの川西屋で形が崩れたものがどうしても出来てしまう理由は今も昔ながらの蒸籠(せいろ)を使っているからとのことだ。
昔ながらの蒸籠は温度や蒸気分布がどうしても均一でないから膨らみが偏ったりしてしまうのだ。
吾輩にしてみれば、それこそが「味」だと思うのだ。
8.不均一で規格外ほど味がある


例えば家庭料理はお母ちゃんの機嫌によって味付けが変わったりする。
その変化自体が人間らしいところなのだ。
本来味付けや形は一定である必要はなく、変化するのが通常のことだ。
どうしても公平を維持するために一定を求められるレストランのメニューや商品などもあるだろうが、形や幅にゆとりがあり変化を見せてくれる商品というものにもまた味わいがあり魅力なのだ。
と、吾輩はそう思う。
農産物の規格も見てくれだけではなく、そこには保存、梱包、運搬、加工のためのような事情があるようだが、そのために労力や設備が投資されていて、最悪なのが規格のために風味や栄養分が少なくなっている(例として椎茸)こともあるということだ。
こんな本末転倒な規格が氾濫しているのが現代日本だ。
しかし「規格外」という甘美な響きに反応してそれに飛びつく吾輩のような人間もいるのだ。
そもそも吾輩自身も規格外人間と言われ続けて久しい人間だ。
共感すること甚し。
規格外こそが本質なのだ。
拒否する理由がわからない。
歓迎あるのみだ!
・・・というような論調がほんのゼロコンマ何秒かの一瞬に吾輩の脳内を旋回し、吾輩は今目の前にいる優しいメガネのおねえさんにまずはその1パックを買う決定をしたことを伝えたのだった。
9.川西屋の優しい店員さん
その優しいメガネのおねえさんはまんじゅう部門を担当する店員さんで、吾輩は初めての客だったのに始終旧知の人のように親切にしてくれたのが嬉しかった。
ちなみに過去に吾輩は何度か老舗和菓子店で嫌な目に遭っているので、特に初めての老舗は警戒してしまうのだった。
客としては目的のものが手に入ればそれでいいようなものの、しかし店員さんの対応は良ければ良いに決まっているし、店員さんから優しい扱いをされたいと思うのは客全員の望みだろう。
その点この川西屋は、さっきのアイス担当のメガネのおじさんといい、まんじゅう担当のメガネのおねえさんといい、どちらも優しくて怖がる必要はなかったし、とても好感を持てた。
また来たいから絶対また来るね!と約束してしまうほどの店員さんの優しい親身な対応だった。
店員さんにしてみればあたり前のことをあたり前にしているだけで、特別なことなど一切していないことかもしれないが、吾輩にとっては販売している美味しいアイスや酒まんじゅうと共に、接客までもがもはや忘れられつつある昔ながらの心地良い人間味ある応対で、暖かく人柄の良いその接客に吾輩は涙がちょちょ切れるほど感動して嬉しかったのだ。
そういえば川西屋本店のご主人は、その店舗自体が由緒ある山本五十六関係の有名老舗の直系なのだが、それを鼻にかけたり偉そうにするような態度は微塵もなく、初見からいろいろ質問をしたりするような怪しい吾輩にもとことん親切であった。
ひとえに川西屋系列の2軒のお店は遠い親戚筋ということもあるのかもしれないが、どちらもお人柄が大変良く、買い物に来ている客にとってとても居心地が良く快適なのだった。
近所のおばあちゃんが酒まんじゅうを1個だけ買いに来ることもあると川西屋本店のご主人が話していたが、そのおばあちゃんも案外吾輩と同じ気持ちなのかもしれないと思った。
100円や120円などの酒まんじゅう1個だけ!?などと邪険になんかしないのだ。
そこには、売上とか商売を超えた、もっと高い次元の高貴な人間性が存在するのだ。
魂レベルの高貴な方々が商っているのが代々川西屋本店とその系列店ということになりそうだ。
いい店舗を知り得て、美味しい酒まんじゅうを食べることも出来、吾輩は今、とてもしあわせな気分でいっぱいなのだ。
10.川西屋本店の塩小豆と甘こし餡再び

さて、暖簾分け川西屋訪問の後、前回訪れた川西屋本店に2度目の訪問をしてみた。
そこで今回も塩小豆と甘こし餡を1個ずつ手に入れた。
また、前回気に入った楕円を伸ばしたようなプレーンの酒まんじゅう税込400円も買った。
こちらは最初から切ってもらい、醤油も塗ってもらった。
この楕円を伸ばしたようなプレーンの酒まんじゅうは最初から包みのまま冷凍庫に収めた。
明日からまた留守なので明らかに今日中には食べられないからだ。
さて、今回、この2つをどうして食べるかが課題だ。
やはりここは水まんじゅうか?
昼間は汗だくになるほど暑かったがさすがに夜間は涼しげな虫の音色と共に肌寒い。
こんな時に冷水で浸したまんじゅうを食べて旨いと思うだろうか。
吾輩は一考の後、先日川西屋本店のご主人と話したときに吾輩が無謀にも提案した「抹茶浸しまんじゅう」を試してみることにした。
前回、吾輩の思いつきで牛乳に浸したのが案外美味かった。
その後、抹茶とほうじ茶の案が吾輩の脳内スクリーンに映し出されていた。
今回は「抹茶」だ。
11.酒まんじゅうの抹茶浸し



結果から言うと「良い子はマネをしないでね」レベルで不味かった。
しかし理由がある。
1、塩小豆の塩分は抹茶には合わない
2、直ちにグラニュー糖を添加したが時すでに遅くぐちゃぐちゃ状態で見た目悪し


見た目はぐちゃぐちゃで悪し。
理由の続き:
3、甘餡・こし餡の方は結構イケる可能性が見られた
4、しかし先に入れたぐちゃぐちゃのまんじゅう生地が浮遊する抹茶では雰囲気台無し
結論として、塩味の抹茶は合わないので塩小豆の場合先にグラニュー糖が必須だ。また、甘餡・こし餡の方は砂糖なしでも結構イケる可能性がある。
ちなみに見た目の話だが、両方のまんじゅうの切断した断面の生地が鮮明な抹茶色に染まりきれいだった。
今度はいつか懲りずに「ほうじ茶」ヴァージョンもやってみようと思っている。
しかし、アレコレ無駄な抵抗はせずに、そのまま食べるのが一番か、とも思う。
結局、今回は前回の続きのような形で山本五十六の水まんじゅうの食べ方をマネてみたわけだが、冷静に考えると今後は山本五十六に固執する必要もなく、もっと単純に出来立ての酒まんじゅうにかぶりつくことを楽しんでもいいのではないかということだ。
12.冷凍後に蒸して食べた「石まん」

暖簾分けの川西屋で購入したパック入りのひしゃげた「石まん」(甘あん・こし餡)は購入した日のうちには食べきれずそのまま冷凍保存した。
数日後に留守から帰って冷凍庫から出して蒸して食べた。
うまく膨らまなかったり形が歪になったりして不揃いだったまんじゅうは、冷凍から蒸し終わる頃には体積として2倍以上に見えるほど膨らんで大きくなり、とても美味しく食べることができた。(写真参照)
13.酒まんじゅうは冷凍保存後に復活可能
前回も書いたが、酒まんじゅうは冷凍保存可能でうまく再生するのだ。
もちろん一番美味しいのは当日作りたて蒸し立てのまんじゅうだが、食べきれないぶんは躊躇せずに家庭用冷凍庫で保存すれば良い。
酒まんじゅうの美味しい特徴は生地の独特の弾力だが、それも蒸し直すとうまく再生する。
また、醤油付きの中身なしの酒まんじゅうは冷凍のままガスコンロで数分弱火で炙ると醤油の焦げた香りが漂ってきてフカフカの美味しい酒まんじゅうに復活するのだ。
14.酒まんじゅうで無限で豊かな食生活

復活した酒まんじゅうはもちろんそのままでも充分美味しいが、バターを付けたりジャムを塗ったりあんこを載せたり、また、中にはマヨネーズを付けたりチーズを載せて焼いたりするマニアック路線のファンもいるみたいだ。
言わば中身なしの酒まんじゅうはご飯のような主食のようなものなので、何と組み合わせて食べるかは食べる人のアイディア次第で無限であろう。
吾輩は長岡まではちょっと遠いのだが、冷凍保存も利用してこれから酒まんじゅうのある豊かな食生活を楽しんでいこうと考えているのだった。
その火付け役になってくれた長岡の川西屋本店と暖簾分け店には感謝している。
(おわり)
