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きび餅ぜんざい 鍵善良房四条本店 京都市東山区 和菓子なスクチャイ222 2026.02.04

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※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。


きび餅ぜんざい 鍵善良房四条本店 京都市東山区

「きび餅ぜんざい」鍵善良房四条本店
「きび餅ぜんざい」鍵善良房四条本店
「きび餅ぜんざい」鍵善良房四条本店

1.「粟(あわ)」ではなく「黍(きび)」

前日に入った「月ヶ瀬」で教えてもらったぜんざい屋さんの一軒で、粒あんがかけられた粟ぜんざいが食べられると聞いていたが、テーブルに着いてメニューをよく見ると「きび餅ぜんざい」で「粟(あわ)」ではなくて「黍(きび)」だとわかった。

これでは東京の有名店、上野の「みはし」や「浅草梅園」(京都の梅園とは無関係)で出されている「きび」を使った「あわぜんざい」と同じではないか、と思った。

しかしどうせならここ鍵善良房で「きび」も改めて体験しておこうと思い、その「きび餅ぜんざい」を注文した。

鍵善良房の良いところはまだしも「きび餅ぜんざい」と明確に「きび」と表示しているところだ。

念のため店員さんにも確認したが、この店では「粟(あわ)」は使っておらず確実に「黍(きび)」なのだ。

この点では、東京の有名店、上野の「みはし」や「浅草梅園」よりも信頼がおける気がした。

あちらの両店では「きび」を使っているにもかかわらずメニュー表記は「あわぜんざい」なのだ。

素人を騙す恐れがある表示だ。

さすがに脇の説明では「きび餅使用」と断り書きがあるようだが、それならばなおさらメニューの表記が「あわぜんざい」のままなのが不可解だ。

あわ」はまったく当の商品とは関係がないからだ。

案の定、「みはし」や「浅草梅園」のソーシャルメディアや口コミでは「あわぜんざい」を食べて美味しかった!「粟(あわ)」ってあんなに美味しいんだ!などと書いている人がほとんどだ。

みんな「黍(きび)」の餅を食べているはずなので、「黍(きび)」の感想でなければならないはずだ。

つまり「黍(きび)」の餅を食べているのに「粟(あわ)」を食べたのと勘違いをして思い込んでいる人が多数なのだ。

そう言う人には京都の月ヶ瀬梅園河原町店に来て本物の「粟(あわ)」を使った「あわぜんざい」を食べてみればいいのだ。

「粟(あわ)」の餅は「黍(きび)」の餅とは違うし、「黍(きび)」よりももっと小さい粒が際立っていてもちもちさ加減ももう少し優しいことに気づくはずだ。

そして、そこから自分は「粟(あわ)」が好きなのか「黍(きび)」が好きなのかを自問すればいいことだ。

2.黍(きび)餅の黄色が濃い・・・

「黍(きび)」の餅を改めて食べたわけだが、そりゃあ老舗品質の粒餡がかけられた餅なのでまずいわけはなくとても美味しかった。

しかし、だ。

餡の下の「黍(きび)」餅は、本来「粟(あわ)」よりも黄色がやや薄いはずだが・・・

むしろ「月ヶ瀬」や「梅園」の「粟(あわ)」よりも黄色が濃いのだ。

目で見ても黄色が濃いことがわかったが、両方写真を撮っているので画像でも比べてみたのだ。

黄色はクチナシ色素などで容易に色付けできる。

しかも飲食店で提供する食品には食品添加物を表示する義務はない。

従ってメニューにも原材料の詳細は書かれていないのだが、吾輩の感覚では黍(きび)にしては黄色が濃すぎるので、何らかの色素が使われているような気がしている。

このことは店員に訊けば良かったかもしれないが、そこまで正解を厳密に求めたくもなかった。

店内にいるスタッフたちは専門家ではないアルバイトやパートの接客専門の素人なので、このような質問をしてしまうと店主か職人かのどこかに訊くなどとわりと大事になって時間もかかるだろうから、今回吾輩はそれを避けた。

それはともかく、黄色が濃いことと「黍(きび)」という特別感も手伝って美味そうには見えた。

これでいいと言えばこれでいいのかもしれない。

大部分の客はこれで満足して帰るのだから。

3.黍(きび)餅について

「きび餅ぜんざい」鍵善良房四条本店

黍(きび)餅に箸をつけてみると、明らかに先の2軒で食べた「粟(あわ)」よりも粘りが強く、ほぼ餅のような感触だった。

その餅のような感触のものが大きめのスーパーボール程度の丸い形で餡の下に埋まっていた。

その大きさは先の2軒に比べたら実に小さいのだった。

お値段は先の2軒よりもお高く税込1,400円だ。

4.「月ヶ瀬」「梅園」との比較

粒の大きさは先の2軒「月ヶ瀬」「梅園」で撮影した写真で見比べるとやや大きく、その大きさからも黄色が濃いことを除けば「黍(きび)」は間違いなさそうだ。

ちなみに粒の大きさと粘りで比較すると、「月ヶ瀬」が一番小さく粘りも少なく粒感と食べやすさと「粟(あわ)」の風味と明るい黄色の色合いが最も吾輩の気に入った。

次の「梅園」は確実に「粟(あわ)」だとのことだったが、「月ヶ瀬」よりもやや粒が大きめで粘りもやや強かった。

しかし2軒目の「梅園」の「あわぜんざい」も吾輩のお気に入り範囲でとても美味しく満足だった。

そして3軒目のこの「鍵善良房」では最初から正直に「黍(きび)」と謳っていて粒は確かに黍の大きさで粘りは一般の柔らかめの糯米のようであった。それに何より黄色が濃いのが気になった。

誤解のないように繰り返すが、3軒とも美味しいのだ。

しかし残りは食べる人の好き好きでどれを好むかは三者三様であろう。

比較する話になってしまっているが、吾輩は素直で自然な「粟(あわ)」の特徴が感じられた「月ヶ瀬」が一番気に入った。

次にちょっと粒が大きめで粘りも強めだった「梅園」だ。

そして、種類が「黍(きび)」なので先の2軒の「粟(あわ)」と比べる必要もないところだが、3番目としてここ「鍵善良房」だ。

つまり、吾輩にとって「黍(きび)」はわざわざ食べに来るほどでもないと言う結論だ。

わざわざ「きび餅ぜんざい」を食べにここに来るのだったら京都の近所でももっと安い値段で普通の糯米の餅を使った美味しいぜんざいがあるというわけだ。

餅の色が黄色である必要もない。

5.「鍵善良房」の客層

参考までに店内の雰囲気と客層だが、圧倒的に観光客主体だ。

それに加え、メガネで太って禿げた小さいオジサンと20歳前後の長身美女という異色カップルが吾輩の斜め前にいた。

何やらの面接をしているようで、美女はひたすら緊張して愛想笑いをしつつ雑談に応答し、彼女の正面のおじさんは時折オヤジギャグを飛ばしながら美女の日頃の生活態度や仕事のやる気などを探っているようだった。

そのような声が吾輩のテーブルまで聞こえて来るので吾輩は落ち着かないと言えば落ち着かなかった。

両人は吾輩が入るだいぶ前からいたようで、そろそろ昼過ぎになり客も増えて来てもあの2人は奥の6人ぐらい座れる大テーブルを2人で占領しているものだから、そこは京都人スタッフで、これ見よがしに何度もお茶のサービスに行っていた。

つまり「混んで来てるんやからハヨ立ち去れ!」と言う合図だ。

吾輩は感づいていたが当人たち、いや主導権のあるオジサンは鈍感なようで3度4度とお茶を配給されて5度目くらいでようやく立ち上がった。

・・・

つまりは観光客や面接など、非日常の用途に使われる店舗なのだ。

6.著名人アピール

水上勉の一文

葛切りが有名で、テーブルにおかれたメニューの裏には鍵善良房の「くづきり」を賞賛する水上勉の随筆の一部分のコピーをさも「読みなさい!」という態で置いてあった。

吾輩はたとえ著名な文化人や芸能人であっても食の好みは千差万別で一概に決めつけられるものではないと考えているので参考にもしないが、この手の「読みなはれ!」文章を人目につくところに置いてある店の姿勢が吾輩の美学に反する。

まあ鍵善良房はそういう店だということがわかったところで、吾輩は黄色が濃い件も訊かずに、何も文句も言わずに退店することにした。

ついでに余談として言わせてもらうと、もう書かなくてもわかると思うが、芸能人やTV関係者たちの色紙をベタベタと壁に貼ってある飲食店も吾輩はダメだ。

どんなに美味しくても愛想が良くても、吾輩にとっては2度と行きたくない店なのだ。(余談)

その点、先の2軒「月ヶ瀬」も「梅園河原町店」も地元の人が小休憩に来ているような「日常」のお店で、客は1人が多くて回転は早かった。

このように今回の「鍵善良房」の経験で、この店の吾輩なりの理解は「観光地京都ならではの特別感に溢れたお店」という位置付けになった。

良い悪いではなくそういう店も世間には必要だろうからいいのだが、今後吾輩は特に一人では行く理由は見当たらない店なのであった。

端的に言うと純粋に食べる目的だけだと不満が残る店だ。

食べるだけでなく、京都にいるという雰囲気を味わいたいや居るだけでステータスを表現したいという目的が加われば来ても満足するのではないだろうか。

吾輩もどこかのカワイ子ちゃんと面接することがあるならば連れて来るかもしれない。

ここなら相手にも失礼には当たらない店の風格があるからで、その点は安心できそうだからだ。

ただし吾輩はどこかの鈍感なオジサンと違って、京都人スタッフに遠回しに追い出される前に適度な時間で自主的に席は立つつもりだ。

7.鍵善良房

改めて鍵善良房を解説する。

ここは京都祇園の顔とも言える「鍵善良房(かぎぜんよしふさ)」だ。

その重厚な暖簾をくぐり、奥の喫茶で過ごす時間は、まさに京都観光の白眉といえる・・・などと観光ガイドブックやインターネットサイトでは書いているだろう。

重厚な暖簾をくぐる時、一般人も刹那に特別な人になったような気になる人もいるかもしれない。

著名人が過去に「くずきり」を褒めたものだからあまりにも有名になっているが、「きび餅ぜんざい」も鍵善良房の隠れた名品なのだ。

鍵善良房の創業は江戸中期の享保年間(1716〜1736年)で、約300年の歴史を誇る。

祇園のど真ん中の四条通に面しており、古くから八坂神社の参拝客や祇園の芸舞妓さんそして多くの文豪や芸術家(武者小路実篤や黒田辰秋など)に愛されてきた。

店内にある大きな棚や調度品は、人間国宝の木工芸家黒田辰秋の作品だ。

お菓子だけでなく、その空間そのものがひとつの芸術作品のようであり、鍵善の美意識を象徴している。

すなわち先に書いたように食べるだけでなくこのような作品群を愛でに行くことが付随するならば行く価値のあるお店であろう。

8.「きび餅ぜんざい」のこだわり

小さな梅の干菓子(落雁)とお茶

鍵善良房のぜんざいは一口食べた瞬間に「あずき」そのものの質の高さに驚く人も多いようだ。

濃い黄色のきび餅は、色の濃さはともあれ、粒が大きく皮が薄くて香りの強い丹波大納言小豆のあんこと一緒に食べるので美味しいに決まっている。

粒を壊さずふっくらと炊き上げる「粒あん」の技術が極まっているので、ぜんざいとして全体のバランスがとれている。

こし餡ではなく豆の食感がしっかり楽しめた粒あんのぜんざいであったことは、吾輩も肯定する事実である。

四条本店ではこのぜんざいを頂く際、まず最初に出される「お干菓子(くず湯の素や落雁)」と「お茶」が「鍵善のおもてなし」の始まりなのだそうだ。

吾輩の場合甘酸っぱい小さな梅の干菓子(落雁)を出された。(写真参照)

(おわり)

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