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イモ当て 佐藤製菓 青森県弘前市 和菓子なスクチャイ191 2025.11.28

和菓子なスクチャイ191 青森県 > 弘前市 

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※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。


イモ当て 佐藤製菓 青森県弘前市

佐藤製菓の「イモ当て」
佐藤製菓の「イモ当て」
佐藤製菓の「イモ当て」

1.新青森の駅ビルで買う

以前の記事「うんぺい」の話で、新青森駅の土産物屋さんのおねえさんが「ちなみにこれもめちゃくちゃ美味しいのよ!」と言って吾輩に勧めた箱入りのお菓子があったが、それがこの箱「イモ当て」なのだ。

別の土産物屋さんのおねえさんをそこまで案内させておいて、そこで「このお菓子美味しい!」と言われたので、最初はてっきりおねえさんの務めるお菓子屋さんの商品を勧めているのかと思ったらそうではなく、おねえさんは純粋に心の底から「このお菓子めちゃくちゃ美味しい!」と言っていたのだ。

そこには損得勘定もなければ見栄でも社交辞令でもなかった。

おねえさんがそこまで言うならと、吾輩は深く考えずに買い物カゴに入れて「うんぺい」と「しおせ」と共に購入したのだった。

「イモ当て」は税込1,512円だった。

2.箱を開けた

佐藤製菓の「イモ当て」
佐藤製菓の「イモ当て」
佐藤製菓の「イモ当て」
佐藤製菓の「イモ当て」
佐藤製菓の「イモ当て」
佐藤製菓の「イモ当て」

後日・・・

改めて箱を見て・・・

「イモ当て」!?

何じゃこりゃ?

これが美味しいとな!?

恐る恐る箱を開けてみると、閻魔大王が睨みを効かせていた。

何じゃこりゃ?

その前に、なんか札のようなものが・・・

引っ張るのかと思い、引っ張ってみたがびくともしなかった。

何じゃこりゃ?

そもそも箱の表面に写真があったが、札は下にベロ〜ンと千切り下ろすのだ。

めくったところには3行の短い文字が書いてあった。

その文字が、さっぱり意味不明なのだ。

そもそも横に読むのか縦に読むのかもわからない。

そもそも一字一句の読み方さえわからない。

何じゃこりゃ〜!?

それで唯一わかったのは札の裏に書いてあった一文字「子」。

何枚かめくってみて、「親」も出た。

「親」が出たら大きいのがもらえ、「子」が出たら小さいのがもらえるという「当物(あてもの)」なのだ。

そもそも何人か集まってやるものだ。

ひとりでやってどうする!(≧∇≦)

3.食べる

佐藤製菓の「イモ当て」
佐藤製菓の「イモ当て」
佐藤製菓の「イモ当て」
佐藤製菓の「イモ当て」
佐藤製菓の「イモ当て」
脱酸素剤

当てもののクジ台紙とは別に、脱酸素剤入りの密閉袋に揚げドーナツのようなお菓子が入っていた。

「大」は切ってあるので中身が見えるが、中は白あんだった。

揚げパンに砂糖がまぶしてあるので簡単に言うと「白あんいり揚げドーナツ」だ。

さっそくいただくことにして吾輩は袋を切って開けた。

脱酸素剤のおかげでおよそ1か月も日持ちがするのだ。

しかし不思議なのは年末年始前に賞味期限が切れることだった。

詳しく言うと、クリスマスの日に賞味期限が切れるお菓子なのだった。

みんなが集まりそうな年末年始に遊ぶものではないの?

と思ったし、いつ遊ぶの? とも思った。

ともあれ、吾輩はいただくことにした。

・・・うまい!

白あんのあんドーナツは初めてかもしれない。

しかもあんこがうまい!

揚げパンの脂っぽさがジャンキーで良い!

まぶしてある砂糖のジャリジャリ感が良い!

おねえさんが言った「このお菓子めちゃくちゃ美味しい!」は本当だった。

しかし、いつでも食べたい気がするが、これを食べるにはいつも当て物付きを買わねばならないのかな?

4.「イモ当て」について

青森県弘前市にある「佐藤製菓」の「イモ当て」は、津軽地方出身の方にとって正月やお盆の家族団らんに欠かせない「ソウルフード」とも言える非常にユニークなお菓子なのだ。

津軽伝統のくじ引き菓子「イモ当て」とは、お菓子と「当て物(くじ引き)」がセットになった津軽地方独特の文化だ。

「イモ」という名前だが、ジャガイモを使っているわけではなく「イモの形に似せたあんドーナツ」だ。

白のこし餡を生地で包んで揚げ、表面に砂糖をまぶした素朴で懐かしい味わいだ。

箱の中には、大小2種類のあんドーナツと、1枚の「くじ取り紙」が入っている。

「親」を引くと、大きなあんドーナツがもらえる(当たり)。

「子」を引くと、小さなあんドーナツがもらえる。

家族や親戚が集まった際、誰が「親」を当てるかで一喜一憂するのが津軽の定番の風景なのだそうだ。

5.佐藤製菓について

佐藤製菓は、現在では津軽で唯一この伝統的な「当物(あてもの)駄菓子」を作り続けている貴重なメーカーだ。

創業は昭和27年(1952年)で、戦前から津軽にあった駄菓子文化を継承し、70年以上にわたって守り続けている。

かつては弘前市内に数軒の製造元があったが、時代の変化とともに廃業が相次ぎ、現在は佐藤製菓だけがその味と仕組みを次世代に繋いでいる。

くじの台紙は今でも一枚一枚手作業で仕上げられているのだ。

6.佐藤製菓の「大王当て」

「イモ当て」以外にも、佐藤製菓には津軽の歴史を感じさせる名物が揃っているらしい。たとえば「大王当て(だいおうあて)」

佐藤製菓の「大王当て」(撮影使用許可済み)
佐藤製菓の「大王当て」(撮影使用許可済み)
佐藤製菓の「大王当て」(撮影使用許可済み)
佐藤製菓の「大王当て」(撮影使用許可済み)

「イモ当て」よりもさらに歴史が古いと言われる元祖当物菓子だ。

「閻魔大王」が描かれたくじを引き「大王」「親」「子」の順で、大きさの違う練り切り(生菓子)がもらえる。

太宰治の小説『津軽』にも通じるような津軽の精神文化が垣間見えるお菓子なのだ。

このお菓子は弘前駅で下車した時、駅ビル内の土産物屋さんで見かけた。(上の写真)

中身は美味しそうなねりきりの生菓子で、食べたくなったのだったが、箱には「横にしないでください」と書いてあり、原材料表示では保存料が入っていた。

それでやむなく買うのをやめたのだった。

ちなみにこの「大王当て」の方も賞味期限が年末年始前だった。

吾輩は売り場のおねえさん(とおばちゃんの中間ぐらいの年齢)に訊いてみた。

いったいどういうタイミングでこのゲームをやるのか?と。

すると予想していたように、みんなが集まった時、と答えるのだったが、そうすると、みんなが集まりそうな年末年始前に賞味期限が切れてしまうのに、それまでに集まることある?

と訊くと、笑いながら「ない」と答えた。

いや、最近は正月でもあまりみんな集まらないしね〜、そもそも今の子供はこんな遊びしないんです、と言った。

え?

そしたら誰のためにこの「大王当て」売ってんねん?

おねえさんは「わたしたちのためよ〜」と言った。

要は昔遊んで懐かしいので大人が買っていくとのことだった。

そういえば吾輩も、実際これで遊んだことはないけれども、なんか懐かしい気がするし、中のお菓子が美味しそうだったので食指が動いていたのだ。

もう少しで買う気持ちなったのだったが、それでも傾けてはだめだと長距離を気を遣いながら持ち帰るのはきついし、お菓子には保存料が入ってるし・・・

(「イモ当て」の方には保存料は入っていないし、横にして持って歩いても大丈夫だ)

ということで吾輩は「大王当て」は買わなかったのだ。

その前に新青森駅で同じメーカーの「イモ当て」も買ったことだし今回は買わないことにしたのだった。

ちなみにおねえさんに断って写真を撮らせてもらってソーシャルメディアで紹介することを許可してもらった。

7.佐藤製菓のその他の名物

7.1.糸引(いとひき)

束ねられた紐を一本引き抜き、先に付いているお菓子の大きさで当たり外れを決める黒糖菓子。

7.2.うす雪

薄切りの寒天に砂糖をまぶした和風ゼリー。サクサク・シャリシャリとした独特の食感と、リンゴのようなピンク色が美しいお菓子。

7.3.プチイモ当て(りんごあん)

近年開発された新名物で、青森県産りんごの果肉と果汁を使った「りんごあん」が入っている。お土産として持ち帰りやすいサイズで人気。

しかし、いちいち「当てて」食べないといけないの?
お菓子だけ食べるにはどうすればいいの?

・・・と訊きたくもなってくるのだった。

8.くじ引きを楽しむための豆知識

もともと「大王当て」のくじに閻魔大王が使われたのは「子供は親が何でも買えて羨ましいが、その親をも裁くのが閻魔大王である(だからくじの前では平等)」という、ちょっとした道徳観や遊び心が含まれているそうな。

弘前市津賀野にある佐藤製菓の工場には直売所も併設されており、最近ではオリジナルTシャツなどのグッズも販売されているとのことだ。

「イモ当て」のドキドキ感は、大人になっても盛り上がる魔法のような魅力があるとのことだ。

実際人が集まったところでやったことがないし、親が出た大きいのがもらえるドキドキ感も味わったことはないが、この「イモ当て」にしろ「大王当て」にしろ、その箱と図柄と中身の味のあるお手製のクジにいわれもない郷愁を感じて惹きつけられるのだった。

もう一度言うが、吾輩はその遊びを実際にやったことがないにもかかわらず、だ。

クジの台紙には小さく「宝に足なし 自ら来たらず」と意味深な言葉が書いてあった。

さあ、ドキドキしてくるではないか。(?)

(おわり)

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