越後バナーナの丘 越乃雪本舗大和屋 新潟長岡 和菓子なスクチャイ273 2026.03.14
和菓子なスクチャイ273 新潟県 > 長岡市
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
越後バナーナの丘 越乃雪本舗大和屋 新潟長岡



1.日本三大銘菓の「越乃雪本舗大和屋」
今回も「日本三大銘菓」のひとつ「越乃雪」の製造元越乃雪本舗大和屋が作る季節のお菓子「越後バナーナの丘」を紹介する。なお越乃雪本舗大和屋のお菓子連続紹介は今回で終了だ。
ちなみに前回同様の記載になるが、日本三大銘菓とは越乃雪本舗大和屋の「越乃雪」の他に森八「長生殿」(金沢)と風流堂「山川」(松江)だ。参考まで。
2.松尾芭蕉のバナナはあるけどバナナは南国
さて、ところでだ。
「越後バナーナの丘」とは洋菓子の香りが漂わないか?
吾輩には匂う。バナナの香りと共に南国の香りが。
バナナは基本的に「和」ではない。
松尾芭蕉の名前の芭蕉はバナナを意味しているが、これは住んでいた江戸深川の家の庭にバナナがあったからだそうな。
しかしそれは食べられるバナナが実るバナナではなくあくまで観賞用だったそうな。
つまり食べられるバナナが実るのは亜熱帯から熱帯地域ということで、バナナは南西諸島と小笠原諸島を除くと基本的に日本らしい果物ではないということになる。
そういうことでこのお菓子は洋風寄りかもしれないが、原材料の重量比で最も多いのが「白あん」ということでまずは和菓子認定をさせていただこう。
それにお菓子の「題名」に「越後」とある。
越後は新潟県の意味だ。新潟県は知っての通り日本だ。
先に書いたがメーカーは日本三大銘菓「越乃雪」を作る老舗の和菓子屋さんだ。
これだけ「和」が揃っているのでもう和菓子でいいのだが、やっぱりバナーナが気になる。
バナナがバナーナと名前が英語の発音風になっているがその頭に越後がついてなんじゃこりゃ・・・となるが、長岡駅銘菓売り場の店員さんに訊いてみるとなんと新潟柏崎産の皮まで食べられるバナナだと言う。
「柏崎でバナナ!? 皮まで食べられる!?」
吾輩は夢でも見ている気分になってきたのだった。
3.皮まで食べられるバナナ
皮まで食べられるバナナは、近年日本各地で「国産ブランドバナナ」として登場して話題になっているらしい。
なぜ皮まで食べられるのかというと、主に以下の3つの理由がある。
現在主流の「キャベンディッシュ種」に比べ皮が非常に薄い希少品種「グロスミッシェル種」だから。
バナナの成長細胞をマイナス60°Cで一度凍結させ擬似的な「氷河期」を体験させる日本独自の「凍結解凍覚醒法」という技術により、成長を早めるだけでなく皮が柔らかく糖度の高いバナナに育つから。
国内のハウスで厳重に管理し農薬や防カビ剤を一切使わずに育てるため、皮を食べても安全だから。
4.越後バナーナ
皮まで食べられるバナナは岡山、鹿児島、三重、香川など全国各地で育てられているが、日照が少なくて薄ら寒い新潟でも育てられていると聞いて吾輩は驚きしかない。
新潟県柏崎市で育てられている皮まで食べられるバナナは「越後バナーナ」という名前なのだ。
ちなみに吾輩は某年某月のある蒸し暑い日に柏崎の公共トイレの脇で野宿をしている。確かにあの時はバナナも実るほどの気温と湿度で熱帯のようだった。(当時の旅行記参照)
5.新潟でバナナを育てる背景
雪国新潟で南国のフルーツであるバナナが作られている背景には、地元の「シモダ産業」という産業廃棄物処理などを行う会社が排熱利用のサーマルリサイクルで巨大なビニールハウスを温める「シモダファーム」を運営しているからだ。
南国に比べて日照時間が少ない分じっくりと時間をかけて育つ「ゆっくり熟成」が糖度の高い濃厚な甘みを生み出している。
6.グロスミッシェル種
「越後バナーナ」は日本で多く流通している「ジャイアント・キャベンディッシュ」ではなく、かつて世界の主流だったが病気で絶滅しかけた希少な「グロスミッシェル」だ。
皮まで食べられるのは農薬や化学肥料を一切使わずに育て、樹上で完熟させるため輸入バナナよりも皮が非常に薄く苦味が少ないためだ。
一般的なバナナよりも「もっちりねっとり」とした食感で香りが非常に芳醇なのだそうだ。
1本1,000円前後するらしく、店舗のおねえさんも食べたことないと言っていたが、そう聞いたならば吾輩はそのバナナ自身を食べたくなってきた。
時期にもよるだろうが、店舗のおねえさんは買わなかったものの長岡の直売所「アピタのわくわく広場」で売っているのを見たことがあるとのことだった。
他に地元柏崎市内の直売所「愛菜館」内の『THERE IS NOEND』などで期間限定販売されることがあるらしい。
さらに柏崎市のふるさと納税の返礼品としても人気があるそうな。
7.越後バナーナで味わう新潟産バナナ
1本1,000円もするバナナなので店舗のおねえさんは見るだけで買ったことも食べたこともないとのことだったが、このお菓子「越後バナーナの丘」だけは食べたことがあると言った。
香りがいいのだそうだ。
そういうわけで吾輩はバナナの方に興味が湧いているのだが、今日のところはお菓子で勘弁しておこう、ということで1個だけ買った。税込270円だった。
8.食べた


包みを解くと見るからにカップケーキかマフィンのような洋菓子で、バナナの芳香が漂った。香料が使われていないので純粋にバナナからの香りだ。
食感はポロポロボソボソしていて押し固めたカステラのような生地だったが、この中にバナナの実が含まれているのだろう。
白餡メインでもバターと生クリームと卵黄が入っている時点でやっぱり洋菓子だと思わざるを得なかった。
それに大和屋のお菓子はほぼすべてにトレハロースが入っているのが気になっている。苺もち(いちご大福)にも書いたが量産店でもなさそうな大和屋がトレハロースをわざわざ使う理由がわからない。
吾輩はともかくお菓子に加工する前のバナナそのものを食べてみたくて仕方がない。いつかそのうち食べてみようと思っている。
9.(追記)グロスミッシェルは食べていた
皮の薄い香り高いバナナは実は吾輩長い国外生活中のどこかで食べていて、それがグロスミッシェルの可能性があることに気づいた。
ただ、その場所が明確に思い出せない。
可能性としてハワイか南米コロンビアか、またはタイ、マレーシア、シンガポールを含む東南アジアだろう。いずれも数年間滞在していた地域で、ホテルのウェルカムフルーツかラウンジでの提供か、はたまた現地人のおすすめでもらった可能性がある。
当時バナナにはそれほど興味がなく記録するほど意識していなかったが、もし写真で記録が残っていれば証拠は固いだろう。ついでの時にでも過去の写真を検索してみようと思う。
ただ明確に覚えているのは皮が異様に薄かった、味が濃くねっとりしていて香り高かったことだ。
その時、日本にはこんなバナナはない!と強く感じたのだが、肝心なその場所が思い出せないのだ。
この文章を書いてからグロスミッシェルの写真を検索して見ているうちに食べた可能性が高いと気づいたのだ。
従って、改めて日本で1本1,000円も出して食べるべきかどうかは思案中だ。そもそも皮は薄いので食べても問題ないというレベルで美味しくはなさそうである。吾輩もどこかの国のどこかで食べた時は皮を剥いて食べた。いかに薄い皮であってもその皮までは食べようとは思わなかったし、周囲の人が食べているのも見たことがなかった。
いずれにしても日本で1本1,000円出して再体験してから記憶を呼び戻すこともできるかもしれないと思っている。日本のグロスミッシェルは不当に高すぎるので日本で食べるのはやや癪だが、いつかどこかで今度は意識して食べてみようと考えている。
ちなみにコロンビアのカリの勤務先の敷地にはバナナの原種と説明されたバナナが実っていて食べたが絵に描いたような「タネばかりバナナ」だった。タネを吐き出していると食べる部分がほとんどなくただ少し甘いだけでまったく楽しい食体験ではなかったので自分は2回と食べようとは思わなかった。育種の研究も行なっている研究施設だったのでたまたまそこに生えていた可能性があり、そもそもバナナは南米が原産と言うわけではないと現地の研究者に教えてもらった記憶がある。つまりグロスミッシェルも意識して植えているのでなければ南米にある可能性は低いということだ。
そういうことでグロスミッシェルを食べた場所は南米以外のどこかの可能性が高い。
・・・こんな風に記憶と過去の写真からグロスミッシェルを食べた証拠を突き詰めておきたいと思っているが、時間はかかりそうだ。
(追記おわり)
10.(参考)日本の主なブランドバナナ
日本各地でご当地バナナとして展開している主なバナナ一覧
もんげーバナナ(岡山県)
皮まで食べられるバナナの先駆け。糖度が非常に高く、ねっとりした食感。
神バナナ(鹿児島県)
名水百選の湧き水で育成。1本約900円近くする高級品で、贈答用にも人気。
ともいきバナナ(鹿児島・三重)
「アグレボ農法」で栽培。皮がシャキシャキとしており、香りが非常に芳醇。
瀬戸内バナナ(岡山・香川)
瀬戸内の温暖な気候と新技術を融合。皮が薄く、丸ごとスムージーにしても絶品。
(おわり)
