調布 廣榮堂 岡山市 和菓子なスクチャイ061 2025.06.24
和菓子なスクチャイ061 岡山 > 岡山市
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
調布 廣榮堂 岡山市
1.「翁軒」がなくなった・・・
岡山名物の和菓子である調布と不老餅は現地では複数の菓子店があるようで同じ名前の商品がいくつか存在する。
以前は「翁軒」の調布と不老餅が一番人気で地元人も異口同音に「やっぱり他と違う!」と言わせしめていたようだ。
調布は求肥をクレープのような生地で巻いたもので、不老餅は真っ白でふわふわな羽二重餅だ。
その「翁軒」の調布と不老餅をずっと食べたかったのだが、2年ほど前に店主が体調を崩したとのことで店が閉じ、そのまま開くことはなく現在に至る。
後継者のいない各地の老舗和菓子店と同様に、翁軒もひっそりと消えてしまった可能性が高い。
2年前というと新型コロナ禍の最中だったはずで高齢の店主に心労も重なったのかもしれない。
2.「廣榮堂」の調布を買う

そういうことで「翁軒」は残念ながらそこで作られていたお菓子と共に絶滅してしまったということになりそうで無念の一言だが、調布と不老餅というお菓子自体は現地では複数の製造元があって存続しているようなのだ。
岡山県のアンテナショップ鳥取岡山新橋館に大手まんぢゅうを買いに行った時に売り場で「調布」を目にして美味しそうだったので買ってみた。
製造元が「翁軒」ではないのは承知だ。
5本入税込540円。
密閉された袋に入っていて日持ちがする商品だったのも購入動機のひとつだった。
先に大手まんぢゅうを食べてしまわないといけなかったのでそれ以上日持ちしないお菓子を買うわけにはいかなかったのだ。
ちなみに「打吹公園だんご」を買うのをあきらめたのもこの時だった。
「打吹公園だんご」は大手まんぢゅうのところで美味しそうに聳え立っていたが、「打吹公園だんご」の記事で書いたようにレジで冷凍と知らされ自然解凍後に直ちに喰う!式の気合いの入っただんごだったのでまたの機会にすることにしたのだ。
その後、西郷輝彦あるいは三沢光晴的凜々しい眉毛の状態で改めて買いに行った話が以前の記事だ。良ければ一読のほどを。
3.「ハヨ食べてね」系和菓子がやっぱりおいしい
和菓子は当日中かせいぜい2、3日中に食べないといけない「生菓子」も多いが、急かされている気分にはなるもののやっぱりそのような「ハヨ食べてね」系のお菓子の方が圧倒的に美味しい。
日持ちするお菓子であればあるほど、日が経つにつれ風味や食感がおかしくなったりしておいしさは低減する。
もちろん例外もあり、干菓子などもとから日持ちするように出来ているお菓子はそんなに急いで食べる必要はないが、それも日持ちの時間尺が異なるだけで、あまりに時間が経てばそのようなお菓子でもやっぱり鮮度は落ちる。
4.栗饅頭は一日置く。(余談)そしてちいかわの栗まんじゅうはオッサン
そしたら出来立てが何でもいいかと言えばそれも例外があるようで、一例を挙げれば栗饅頭だ。
栗饅頭は出来てから一日ぐらい置いておいた方が中身のあんこや栗や皮が馴染んで一層おいしくなるらしい。
(余談)ちなみにちいかわではブハーッと酒を嗜むおっさん役のキャラクターの名前が「栗まんじゅう」だ。まあどうでもいい話だが。
5.日持ちするお菓子ほどおいしくない

吾輩の経験上、脱酸素剤や真空などで日持ちするような工夫をしたお菓子ほどあまり美味しくない。
そして聞き慣れない添加物、カタカナで書かれる添加物が多いほどあまり美味しくない。
これはわかっていることなのであきらめるしかないし、そもそも無理して食べなくていい。
その意味で、今回買った「調布」には、悪いがあまり期待していなかった。
そもそもラベルを見るとややこしそうな添加物のオンパレード(写真参照)で吾輩の愛する「シンプルな素材で勝負」とは程遠いのだ。
まあそれでも「翁軒」がなくなった今、もしかすると「廣榮堂」のこれが現在最高峰の調布かもしれない。
わざわざ東京の岡山県アンテナショップにまで運ばれて来ている唯一の製造元だからだ。
・・・とそのような淡い期待を胸に買ったわけだったのだ。
(むっちゃ否定的消極的購入動機ですんまへん)
6.食べる


写真の通り、見た感じは充分すぎるほど美味しそうだ。
ふくよかなクレープ状生地に包まれた求肥。
これ一本が100円+消費税だ。
原材料表示はシンプルではないが、とりあえず値段はシンプルなのだ。
そんなにお高くもないので気が向いた時にいつでも買えそうな普段着のお菓子になりそうだ。
はんなりしっとりの生地に弾力ある求肥で程良い甘さで、美味いかと訊かれれば美味いと答えるしかない。
そもそもこういう系統のお菓子は吾輩好みだ。
しかし食べている間、消えてしまった「翁軒」にずっと思いを巡らせ、「翁軒」の調布はもっともっと素晴らしかったんやろな〜・・・
などと未練がましく考えている吾輩の姿を俯瞰している自分に気付いたのだった。
(註:幽体離脱して上から自分の姿を眺めていたわけではない)
7.命名
調布の「調」は、飛鳥〜奈良時代の税金「租・庸・調」から来ているらしく、「調の布」ということで、丸めた反物をイメージしているのだそうだ。
しかしお菓子がまさか飛鳥時代などという日本の黎明期からあったはずはなく後付けの命名だ。
実際の誕生は包みの裏面にも書かれているように江戸時代末期とのことだ。
(おわり)
