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志ほかま・長壽樂 丹六園 塩竈市 和菓子なスクチャイ139 2025.10.01

和菓子なスクチャイ139 宮城 > 塩竈市

※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。


「志ほかま」「長壽樂」丹六園 塩竈市

「志ほかま」「長壽樂」丹六園
「志ほかま」「長壽樂」丹六園
「志ほかま」「長壽樂」丹六園
「志ほかま」「長壽樂」丹六園

1.塩竃市の丹六園

交差点の向こう側の「丹六園」

宮城県塩竈市にある「丹六園(たんろくえん)」は、塩竈を代表する老舗和菓子店であり、歴史的にも大変価値のあるお店だ。

ここを紹介してくれたのは他ならぬ塩竈現地人で、他ならぬさっき九重本舗玉澤本店で「霜ばしら」の行列に並んでいる時に、他ならぬ吾輩の前に並んでいたおばちゃんで、他ならぬ今日の今日(2025/10/01)のさっき午前10時の九重本舗玉澤本店の開店前に聞いた話だった。

塩竈の「しおがま」の話を聞いてその「しおがま」をすぐに買いたくなって、急遽他の予定よりも優先して仙台から仙石線で本塩釜にやって来たのだ。

そういう軽い足取りで吾輩は本塩釜駅に到着後、駅前からGoogleMapで確認しながら丹六園に向かって歩いた。

なあに徒歩で5分程度の距離だ。

仙石線の本塩釜駅から歩いて行くと広い交差点を渡る手前で、写真のように道の向こう側に店舗の重厚な建物が見えた。

もしやこの建物か?

と驚いたが、それは当たっていた。

まず店舗の外観がいにしえの時代を感じさせる重厚なもので驚いた。

それもそのはず、この建物は大正時代頃の建築で、店舗兼主屋は鹽竈神社門前町の歴史的景観を伝える商家として国の登録有形文化財に指定されている。

吾輩はこれから歴史のある老舗で和菓子を買うのだという興奮と喜びを否応なく感じるのだった。

「丹六園」店内の様子(撮影許可済み)

店舗は名物の「しおがま」だけでなく、茶器類も買い揃えられるお店になっていて、茶碗類は見た目文字通り所狭しと並んでいた。(写真)

ぱっと見ではあるが、物の割にはお値段がリーズナブルのような気がした。

なんでもかんでもオンラインショップで買い物をする時代だが、たまにはこういう店で手に取って、店主と話しながら選んで買うのもいいと思った。

茶器が欲しくなったらここにまた足を運んでみようと吾輩は思った。

若女将さんのような店員さんは、お茶の道具についても親切に相談に乗ってくれそうな優しいおねえさんだったのだ。

2.留守の店内で10分間・・・

ちなみに吾輩がこの店に入った時、扉の鍵は開いていたが、何度大声で呼んでも店員さんは誰も出て来てくれなかった。

そのうち郵便配達人が来て、書き留めでも持って来たのか、店舗に足を踏み入れて吾輩と同じように大声で何度も叫んだ。

しかるに店内からは誰ひとり応答はなかった。

2、3分は待っていたが、郵便配達人は吾輩の顔を一瞬見て、肩を聳やかすような仕草をして諦めて去って行った。

ハテ、どうしたものか?

吾輩はこの特に急いでなかったので、飽きそうもない物で溢れかえっている店舗内を見学させていただいた。

時折大声で呼んでみつつ・・・
 
そもそも家の人が中から出てくるのか外から帰ってくるのかもわからない。

3.ようやく若女将さん(?)登場

10分近く待った後に、漸く奥から若女将さんかと思われるおねえさんが出て来た。

吾輩はさすがに帰ろうと思っていたところだった。

おねえさんに郵便配達の人が待ちくたびれて帰ってしまったことを吾輩が言うと、おねえさんはさっきの大雨で店周辺が洪水状態で今まで水を掃き出していて水が引くまで大変だったと言った。

今は小雨だがさっきまで豪雨だったそうな。

4.沿岸部の豪雨で仙石線ストップ

そういえば10時前に九重本舗玉澤本店に並んでいて前のおばちゃんと話していた時、一時的に豪雨でアーケードの屋根がすごい音をたてていた。

並んでいる列の脇にあった駐車場に停めてある車はあたかも洗車機に入れられているかように滝のような水を浴び、駐車場のアスファルトは一瞬にして池のようになっていた。

そもそも本塩釜に来るまでの仙石線のダイヤは大幅に乱れていたのだ。

仙石線沿線はもっとすごい雨が降っていたようだ。

5.2種の「しおがま」を買う

「丹六園」店内の様子(撮影許可済み)
丹六園の「志ほかま」(上)「長壽樂」(下)
丹六園の「志ほかま」(上)「長壽樂」(下)
丹六園の「志ほかま」(上)「長壽樂」(下)

店舗内の床は乾いていたので、幸い水が店内に入って来なくて良かったね・・・などの話をしながら吾輩は2種のしおがまを買った。

「志ほかま」と「長壽樂」だ。

商品の箱にはそう印刷されていたが、店内ラベルはそれぞれ、「志ほか満」「長寿楽」だった。

いったいどっちがホンマなんだ?と思うところだったが、きっとどっちも本当で、つまりどっちでもいいのだろう。

そもそも「志ほかま」でも「志ほか満」でも「しおがま」のことだ。

けど、「志ほか満」「長壽樂」と書かれると大正年間に建てられた店内ではますますいにしえの趣きがあり最高に重厚な雰囲気がしてくるのであった。

洪水処理で今まで大変だったらしいおねえさんも笑顔で愛想が良く親切だったのでホッとした。

・・・ホッとした、というのは、謂れのある老舗ほどエラソーにして客を屁とも思わぬ接客をする(上越高田の飴屋みたいな)店もあるので吾輩は最初に老舗の店員さんと接する時は少なからず身構えるのだった。

丹六園ではその心配は無用だったわけだ。

6.丹六園の概要と歴史

創業享保5年(1720年) の江戸時代中期で、初代は六右衛門と名乗っていた。

代々当主は六右衛門を襲名し、地元では親しみを込めて「丹六さん」と呼ばれているようだ。

当初は海産物問屋(五十集問屋)として創業し、後に茶器商・和菓子舗として塩竈神社への参拝客向けに商いを続けてきた。

7.建物

店舗兼主屋は、門前町の歴史的景観を伝える商家として、先に記載したとおり国の登録有形文化財に指定されている大正時代頃の建築物だ。

8.銘菓「志ほかま(しおがま)」

丹六園の「志ほかま」鹽竈桜(しおがまざくら)の模様
丹六園の「志ほかま」裏面には割り溝
丹六園の「志ほかま」
丹六園の「志ほかま」

販売価格は税込450円。
なお、お店では現金のみの会計だ。

丹六園の看板商品であり、宮城県を代表する銘菓である。

8.1.特徴

国内産の最上級のもち米の粉に、砂糖、青紫蘇(ゆかり)を加え、ほのかな塩味で仕上げた軟落雁(やわらかい打ち菓子)だ。
ゆかりについては前回の記事の説明を参照

8.2.由来

古代の製塩法でできた「藻塩(もしお)」の見た目を模して作られたのだそうだ。

8.3.模様

一枚一枚木型で丁寧に手作りされており、表面には塩竈市の天然記念物である鹽竈桜(しおがまざくら)の模様が型押しされている。

おねえさんが説明してくれたが、裏面に碁盤の目が刻んであるので手で簡単に9つに割れるようになっている。

8.4.風味

ほろほろと口の中で崩れる独特の食感と青紫蘇の爽やかな香りと塩気が甘さを引き立てる実に上品な味わいだ。

9.くるみしおがま

丹六園の「長壽樂」
丹六園の「長壽樂」
丹六園の「長壽樂」

商品名は「長寿楽(ちょうじゅらく)」で、販売価格は税込500円。

「志ほかま」の姉妹品で、もち米にクルミと黒糖を加えた軟落雁だ。

香ばしくコクのある風味で、お茶だけでなくコーヒーや紅茶にも合うと人気があるらしい。

約40年前に考案された比較的新しいお菓子だそうだ。

10.大いに気に入った丹六園の「しおがま」

どちらの「しおがま」も吾輩は多いに気に入り、再度来て購入することになりそうだ。

もともと吾輩は、庶民的な安いお墓に備える専用のような色付き落雁でも大好きなので、ここまで原材料にこだわり精緻に作られた歴史ある最高級の落雁が気に入らないわけがない。

落雁の中の王様、「しおがま」の中の「しおがま」と思った。

ちなみに九重本舗玉澤本店で買った方の「しおがま」とも優劣つけがたく、どちらも同様に気に入り今後も何度も買って食べるに決まったのだった。

11.本塩釜に来ないと買えない「しおがま」

わざわざ仙石線乗って本塩釜に買いに来る価値のある「しおがま」ということは明白だ。

それもそのはず、ここに来ないことには手に入らないし、他のどこでも買えないのだ。

愛想がよくて親切な若女将さんと思われるおねえさんは「ここでしか売ってないのでまた来てくださいね〜」と笑顔で吾輩に言った。

吾輩はまた来るに決まってるのだった。

ちなみに帰りの仙石線は豪雨の影響でまた運行を見合わせていて駅で小一時間待たされた。

結局予定の新幹線には乗れなかったが、なあに最終の新幹線に間に合えば吾輩は問題ないのであった。

なお、本塩釜は松島海岸駅から3つ仙台寄りの駅で、天気が良ければ松島海岸の観光とセットで立ち寄るのもいいかもしれない。

(おわり)

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