伊勢名物お福餅 御福餅本家 三重県伊勢市 和菓子なスクチャイ077 2025.08.20
和菓子なスクチャイ077 三重 > 伊勢
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
伊勢名物お福餅 御福餅本家 三重県伊勢市
1.伊勢名物お福餅をイオンで手に入れた





伊勢から離れた地方でもちょくちょく手に入れることができる伊勢の名物「お福餅」だ。
今回は近所(地方都市)のイオンで手に入れた。
20日30日5%OFF♪の日で、もともと税込780円の品が税込740円で買えた。
2.伊勢の名物「赤福餅」
「お福餅」と似た形態の伊勢名物の餅菓子は他に「赤福餅」があり、大阪人の吾輩が最も多く食べて親しんでいたのはこの「赤福餅」だった。
「赤福餅」は関西圏では販売店舗数が多く、例えば吾輩が子供頃から買っていた天王寺駅売店では現在も買える。そこでは毎日朝仕入れのものを売っているのだ。
当時は1箱400-500円で、中学生の吾輩でもひとりで天王寺に出ることがあれば自分のお小遣いで買って帰っていたのだ。
そういうことで、吾輩の場合、懐かしくも親しんでいるのは「赤福餅」の方だ。
「いっせ〜ぇの、めいぶ〜ぅつ〜、あっかふっくぅ〜餅ぃはえぇじゃないか♪」
のCMソングは今も耳から離れない。(≧∇≦)
3.お福餅と赤福餅
たまに大阪市内でも「お福」を見かけることもあり、ガキだった吾輩は
「ニセモンや〜! にせもん、売っとったで〜!」
などと名誉毀損で訴えられるような発言をよくしていた。
吾輩も大人になったのでお福餅の名誉のために説明すると、お福餅は赤福餅の偽物ではなく、どちらもお伊勢さん参りで賑わっていた江戸時代にそれぞれが独自に創業した伝統的な餅屋さんだ。
餅の上にあんこを載せて形を整えるという形態はこの2つの餅屋さんに限らずこの地域ではほうぼうに見られる食べ方なのだ。
家庭内でもそのようにして餅を食べるほどと言うことなのでその形態をどっちがどっちの真似をした、という話などではないのである。(わかったか!過去の自分!)(≧∇≦)
そもそも餅にあんこを載せるのは、当時お伊勢参りに殺到していた参拝客に早く提供する対応をするためだったそうな。
当時は自由に移動ができる社会ではなかったが、このお伊勢参りの経路だけ自由に移動することが許され、沿道には各種のお餅屋さんが並んだ。
「赤福餅」と「お福餅」はその中の餅屋さんということなのだ。
なお、伊勢街道の事情についてはNHKブラタモリも詳しい。
4.遠方でも売るお福餅

しかし、伊勢から遠く離れた地方都市で突発的に売りに出されるのは決まって「お福餅」だ。
これは日持ちすることと運搬しても崩れない容器の工夫があるためかもしれない。
日持ちする工夫と言っても保存料を加えるなどということはしておらず、密閉容器に脱酸素剤を封入することと、凹凸のある容器で運搬時の多少の振動でも動きにくくしていることだ。
密閉フィルムをめくると凹凸のあるポリ容器に収まったお福餅が現れるのだが、そこが雰囲気のある銀色の容器に収まり経木を載せられた「赤福餅」と違うところだ。
「赤福餅」の方が雰囲気がある包装ではあるが、このために「赤福餅」は日持ちがしないし持ち運び要注意だ。
5.お福餅か赤福餅かどちらがいい?
あとは買い手の好き好きで決めれば良く、まあ目の前に同じような値段の「お福餅」と「赤福餅」が売っていたらあなたはどちらを買うか? と判断を委ねられるようなものだ。
吾輩はずっと慣れ親しんだ「赤福餅」派であったのだが、今回この「お福餅」を買って食べて、
「いや待てよ! 聞けよ、大人の自分!」
となった。

「お福餅」は見た感じ「赤福餅」のようにあんこが滑らかでなく艶もあまりない。
しかし、よい意味での手作り感がある。
さらに、「赤福餅」よりすこし大きい気がした。

「赤福餅」は下の白い餅を五十鈴川の川底の石に見立てているが、「お福餅」は密閉容器のフィルムに描かれているように、形状を夫婦岩のある二見浦の波に見立てている。
そして伊勢の「福」を参拝者にお分けする、という意味が籠められているのはどちらも同じだ。
「赤福餅」のあんこ盛りは機械生産であり、「お福餅」は手作業だ。
そして味だ。
「お福餅」は甘味がちょうど良くて飽きがこないからいくつでもいっぺんに食べられる。
一箱8個入りをひとりで飽きずにいっぺんに食べるのも余裕だ。
しかし「赤福餅」は少し小ぶりながら甘味が強く、この吾輩にしてもいっぺんには2~3個が限度だった。
「お福餅」の方が口当たりがいいし、大きいし、甘さも適度だし、手作り感があるし、さらに「赤福餅」よりも定価がほんの少し安い。
イオンのお客様感謝デーで買うと5%引きでさらにお得だ。
そもそも日持ちが製造翌日までの「赤福餅」は地方のイオンなんかでは売らない。
6.地方ではイベントになる
以前新幹線便とやらで伊勢からはるばる新潟まで赤福餅が運ばれてきて新潟で販売することがあった。
吾輩は行かなかったが、その時は数日前からニュースになり当日は大行列になりその様子がローカルTVで放映されるなど一大イベントだったのだ。
大阪で普通に赤福餅を食べていた吾輩には、どどど・どんだけ赤福餅食べたいねん!? と思ったものだ。
もっとも新潟では餃子の王将が初めて開店した時にも大行列、東京から新幹線でスイーツが運ばれてきて特別販売の時も大行列だった・・・。
新潟にはそんなに美味しいものがなくて飢えてるの?
と感じるほどだったがまあこれは刺激が少なく都会に飢えた新しいもの好き新潟人の県民性かもしれない。
少なくとも懐かしいからと言う理由で並んでいる人はいなかっただろう。
7.お福餅はイオンで買える
新潟の田舎ではそんな大イベントになる「赤福餅」とは対蹠的なことに、「お福餅」は夜21時過ぎの「20日30日5%OFF♪」の日のイオンの売り場に、ひっそりと売れない箱が積み重なっていたのだ。
それをしずしずと一箱手にとって自分のカゴに入れたこの吾輩。
新潟人は「赤福餅」には行列を作ったくせに「お福餅」はこのように静観か? と言いたくなる売り場風景だった。
しかしこれは敵がいないということだ。取り合う戦いも並ぶ必要もない。
そっとしておいた方が賢明だ。(≧∇≦)
「お福餅」の方がいいかもしれないと思っている吾輩には最寄りのイオンで簡単に買えるのは僥倖だった。
8.イオンでは各地の名物お菓子が並ぶことがある
そもそもこのイオンの和菓子売り場では郡山の「薄皮まんじゅう」を売ることもあるのだ。
しかもひっそりと。
客が少なくなる21時過ぎでも売れずに虚しく積み重なっているのだ。
そういえばここではまだ買ったことがないが「坊ちゃんだんご」を売ってるのも見たこともある。
ここのイオンの和菓子コーナーは全国の名物菓子が手に入る結構な穴場なのだ。
吾輩はひとりで禁断の果実をかじるかのように、その夜静かに喜びつつ、この「お福餅」を一箱ぺろりと食べたのだった。(≧∇≦)
9.成田・なごみの米屋の「不動餅」
そう言えば以前の記事で紹介したが、成田山新勝寺表参道にあるなごみの米屋總本店で1月に正月限定「不動餅」を買った動機は、吾輩にとって懐かしい「赤福餅」の形態を思い起こしたからだった。

なごみの米屋正月限定「不動餅」 はとてもおいしかった。
見た感じも完璧だった。
見た感じで言うと、一個一個が独立した感じになっていて、「赤福餅」とも「お福餅」とも違う。
それぞれのあんこの窪みも均整がとれていて綺麗だった。
しかし6個で税込1,000円と、あたかも「新春太っ腹税」が含まれているかのような価格であった。
高くておいしくなかったら「怒るでしかし!」(横山やすし)の世界だ。
おいしくて当たり前だ。
関東圏に居て赤福餅やお福餅がどうしても買えなくて、でもどうしても食べたい人には年一回でも成田山に行けば買えるということなのだ。(ただし人気商品らしいので売り切れでなければ)
こんな風に、伊勢を離れると、「赤福餅」「お福餅」の形態の餅の値段はあがるし、入手も簡単ではなくなる。
比較的容易に年中「赤福餅」または「お福餅」が食べられる関西圏に吾輩もかつて住んでいて良かったな、と思うことのひとつなのだった。
10.伊賀福
ちなみにもう一つ、「赤福餅」「お福餅」と同様の形態の餅が伊賀にあって、その名も「伊賀福」というらしい。
伊賀の忍者の伊賀だ。
または先の記事「いが餅」の命名由来「伊賀餅」の伊賀だ。
ここで、「伊賀福」と「伊賀餅」は違う餅なので要注意だ。
あくまで「赤福餅」「お福餅」の形態の餅には「福」が字が付いて「伊賀福」となるということなのだろう。
先に書いたが、伊賀も含む伊勢地域では、餅を買ってくれたお客様に「福」を分け与える、という意味を籠めて「福」の一文字を入れていると思いたい。
吾輩はまだ食べたことはないが、「伊賀福」は、現地の道の駅や高速道度SAなどで販売していてそれが結構な人気商品になっているとのことだ。
そしてその「伊賀福」も、見た感じ「赤福餅」「お福餅」の形態で、下に柔らかな白い餅で上に上等なこし餡、なのだそうだ。
吾輩好みのやわらかくておいしい餅が身近にあって、年中いつでも買って食べられるという土地の利はやっぱり凄いな、羨ましいな、と吾輩は思うだった。
(おわり)
