麩焼きせんべい 柏屋 大阪市阿倍野区 和菓子なスクチャイ260 2026.01.21
和菓子なスクチャイ260 大阪府 > 大阪市阿倍野区
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
麩焼きせんべい 柏屋 大阪市阿倍野区



1.水戸の木村屋本店で購入

この麩焼きは水戸の木村屋本店で買ったやつだけど、食べる時に気づいた製造元が大阪でギャフンとなった。
なんで水戸まで来て大阪のお菓子買わなあかんねん・・・_| ̄|○
買う時に吾輩がよく見なかったのは悪かったかもしれんけど、商品はショウケースに入ってたので店員任せで袋に入れられて手に取って見ることは出来なかったのだ。
木村屋本店では商品のすべてを店舗で作っているわけではなく、店舗に入って左側のコーナーの商品の一部は仕入れ業者による県外から和菓子とのことだった。
ちなみにその仕入れ菓子も表のショウウインドウに入っていた。
2.水戸木村屋本店のショウウインドウ

表のショウウインドウにあった麩焼きの図柄は、1つがピンクの桜の花びらと黄色蝶、もう1つがチューリップだった。(写真参照)

吾輩が買った麩焼きの柄は1つがワラビ(とフキノトウ?)と黄色の蝶、もう1つがピンクの桜の花びらだった。
このように多少図柄の違いがあるのだったが。どれもが「春」のテーマであった。
3.「すはまだんご」も買ったが・・・

同時に「すはまだんご」も買ったのだが(写真参照)、直後に京都に行って本物の豆政の「すはまだんご」を買って食べたのだが、水戸木村屋本店で売っていたすはまだんごは豆政のものではないと判明した。
そんなわけでこの「すはまだんご」は製造元不明なのでここでは紹介しない。
ちなみに同じ写真の箱の中でもうひとつ写ってる黒くて丸い物体は木村屋本店謹製の「おはぎ」で、こちらは大変美味しかった。
このおはぎのように、吾輩は訪ねたお店で作っているお菓子を買いたいのだった。
4.麩焼きを食べた


吾輩は気をとり直して麩焼きを食べた。
以前に紹介した香川県の「花咲あられ」のような、徳島の「池の月」のような麩菓子は好きなのだ。
だから買ったわけだが、この手のお菓子は元々大阪や四国などの西日本に多いのかもしれない。
軽くてほんのり甘くてサクッと食感が良くて、図柄からも季節が感じてたいへん気分の良いお菓子だ。
お腹もまったく膨れることがないので、いつでも気分転換に食べられる気軽なお菓子だ。
5.大阪阿倍野「有限会社柏屋」
大阪市阿倍野区にある柏屋茶席で使われる「干菓子」の専門メーカーとして茶人や全国の和菓子店から絶大な信頼を寄せられている名門だ。
創業以来、茶道の家元や高名な寺院などで使われる格式高い干菓子を専門に製造している。
水戸の老舗木村屋本店で売っていたように、自社で直接小売をするよりも全国の老舗和菓子店に「茶席用の高品質な干菓子」を卸す、いわば「職人が認める職人」の店なのだ。
柏屋の真骨頂は、その意匠(デザイン)の美しさにある。
今回食べた「ワラビに蝶」「桜の花びら」のように、日本の四季をわずか数センチの菓子の中に凝縮させる技術は全国でも指折りだ。
6.伝統の干菓子「麩焼き」

吾輩が食べたお菓子は一般的に「麩焼き煎餅」と呼ばれるものだ。
もち米を蒸してつき薄く伸ばして焼いたものに、表面に蜜(和三盆糖など)を塗り、そこに季節の絵柄を焼き付けたり刷り込んだりしている。
口に入れた瞬間に「ふわっ」と溶けるような儚い食感が特徴だ。
今回の絵柄の「緑のワラビと黄色の蝶」は早春から春本番へと向かう喜びを表現している。
また「ピンクの桜」もまさに春の象徴だ。
2枚で300円というのは干菓子としては決して安くないが、それだけ上質な砂糖(和三盆)を使い、職人が一枚ずつ手作業で絵付けを行っている「食べる芸術品」だからこその価格だろう。
7.なぜ水戸の木村屋本店か?
なぜ水戸の木村屋本店で大阪の柏屋の商品を扱っているのか? だが、そこには和菓子界の深い繋がりがあるようだ。
水戸木村屋本店は水戸藩の「御用菓子司」の伝統を引き継ぐ格式高い店だ。
茶席の依頼を受けた際、自社で作る生菓子(主菓子)に加え、それに添える最高級の干菓子として、柏屋のような専門店の品を取り寄せて揃えることがある。
水戸木村屋本店のような老舗和菓子店は、自社の看板商品のほかに、全国の優れた「季節の品」を馴染みの顧客のために紹介することがある。
水戸の顧客に「大阪の最高峰の春をお届けしたい」という水戸木村屋本店の店主の粋な計らいなのだろう。
そこに大阪人の吾輩が急に登場して買ってから「あ、これ、大阪やん!」と驚いても、本来水戸の地元民向けに売っている商品なので、水戸木村屋本店としてみれば「いきなり大阪人が買いに来ても知らんっちゅーねん!」と言ったところかもしれない。( ´∀` )
かつて水戸藩は、徳川斉昭公が茶道を奨励したこともあり、歴史的にも京都や大阪の高度な茶菓子文化を積極的に取り入れてきた。
現代においても、水戸の老舗が「わざわざ大阪の柏屋から取り寄せる」という行為は単なる仕入れではなく、「最高のおもてなしには、最高の素材を」という江戸時代から続く水戸の茶道文化のプライドそのものかもしれないな、ということが、今回の一件で吾輩にはわかった気がしたのだった。
(おわり)
