しとぎ豆がき 一乃穂(秋田いなふく米菓)秋田市 和菓子なスクチャイ240 2026.01.25
和菓子なスクチャイ240 秋田県 > 秋田市
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
しとぎ豆がき 一乃穂(秋田いなふく米菓)秋田市



1.数年前の秋田で・・・
ある年の年始の10日間ほど、吾輩は秋田駅近くのホテルで毎日のように洋も和も、美味しい甘味をたくさん食べて、極楽か天国のように過ごしていた。
洋の話はここではあまりしたくないが、ホテルのクラブラウンジでこれでもかと毎日毎日5-6個もの手作りケーキのオンパレードをいただいていたのだ。
このホテルの洋菓子部門はレベルがかなり高く、毎日のようにおやつの時間に日々異なるあらゆるタイプのホテルメイドの洋菓子を毎日5-6個も吾輩に提供してくれていた。それは吾輩への挑戦状のようなもので、これでもかこれでもかと提供してくれたので、吾輩は吾輩でひとつひとつの感想をこれでもかこれでもかと製作者さんに伝えていた。感想の内容はもちろん美辞麗句だ。どれもが完璧な洋菓子やショートケーキで、ケーキ大好きな吾輩は調子に乗りその翌月もまた洋菓子を食べることがメインの目的のように10日間ほども連泊しに来た。まあそういう夢のような「洋菓子ショートケーキ毎日オンパレード」の年もあったということだ。
その時の写真はバックアップミスにより一部が「大館アメッコ市」と共に消えてしまっているが、それでもその「美味しい写真」はかなりの数で保存できているし、そもそもその写真の枚数以上に吾輩の記憶には鮮明にそのホテル謹製ケーキ群が今も多数存在するのである。
・・・などなどの洋菓子に関する話も山積しており自慢したいところなのだが・・・あくまでここは和菓子の世界なので洋菓子の話は自粛する。( ´∀`)
2.ホテルマン板東英二氏
そんな洋菓子漬けの毎日を送っていた滞在中のある時、ホテルマンに「しとぎ豆がき」を食べたことあるかどうかを訊かれ、ないと答えると、ぜひ一度は食べてみてほしいと勧められた。
そのホテルマンは板東英二氏に似ているので吾輩は密かに板東英二氏と呼んでいるが、その板東英二氏が気を利かせて毎日甘い洋菓子ばかりで飽きが来ている吾輩に・・・とはさすがに思っていたか思っていなかったかはわからないが、急にホテルマンは「おかき」を勧めてきたのだった。(吾輩は決して毎日の洋菓子に飽きが来たことはなかった。そもそもが提供されていたのが飽きるような洋菓子ではなかったのだ)
最初「しとぎ豆がき」と聞いてもどんなお菓子かわからなかったので訊いてみると「おかき」だと言った。
しかしそんじょそこらのおかきじゃなくて、唸るほどの美味しさで次々と食べてしまうほどだと言う。
当の板東英二氏はもとより、ほとんどの秋田人は子供の時から大人になっても、果ては老人なっても食べ続けるほどの秋田の最高の「おかき」だ、と板東英二氏は言うのだった。
吾輩に熱く語った板東英二氏はその味を思い出したら食べたくなって仕方がなくなったようで・・・、「今日仕事終わりに久しぶりに買って帰るか!」などと言い始めた。
しかし吾輩はその時点ではまだ半信半疑で、たかが「おかき」でしょ!?と思っていた。
3.特別な「おかき」
「しとぎ豆がき」は普通のスーパーマーケットのおかき売り場にあるのではなく、秋田の物産を売っているコーナーか、あるいは百貨店か、などと板東英二氏は言った。
そこで秋田県物産品プラザでは絶対に売っていることを教えてくれ、ホテルの案内デスクにたまたまあった5%引きクーポンが付いた県産品プラザの案内チラシをくれたのだった。
5%引きって大したことないやん・・・と思ったのだったが、「しとぎ豆がき」はまず安くは売らないし、しかも定価だとわりと高い、とホテルマンは言った。
吾輩はまずホテル下の西武百貨店の地下を見に行ったが、そこには確かに「しとぎ豆がき」が売っていた。
何度も来ていた秋田で「しとぎ豆がき」を見たのは初めてだった。
そもそもこれまで「しとぎ豆がき」の話題が誰からも出なかったのだ。
それで値段を見たら、一口サイズの20個入りで税込864円だった。
え?
おかき一袋ってせいぜい300円かそこら・・・の感覚があった吾輩には異様とも思える高値だった。
再度見間違えやないかと思って値札を見たがやっぱり800円を超えているのだった。
いきなりのショックでその場では買わなかったのだが、そういう理由で板東英二氏は5%割引クーポンを持って県産品プラザに行った方がいいよ〜んと言ってくれたのだ。
4.秋田県産品プラザで購入
300円そこそこの5%引きだと15円程度なのでちょっと歩いて行く手間を考えたらホテル直下の百貨店で買う方を選ぶだろうが、800円を超えるとなると話は別で、実際のレシートでは本体税込864円の5%分の43円分を値引きしてくれていた。
43円の値引き!
3袋買ったら129円も安くなる!
それにしても母体のおかき自身はなんでこないに高い?
一口が20袋入ってるので1個税抜40円だ・・・そう考えたらむちゃ高いわけでもないのかな?・・・などとも思い始めても来た。
しかし軽いのだ。20個入りの一袋が!
秋田人はこんな高価なおかきを食べて育ってる!?
坂東英二ホテルマンに別の時に再度訊いてみたが、冠婚葬祭などでよくやりとりするのでもらった大容量の「しとぎ豆がき」が家にあったりするそうなのだ。
つまり一般的には自分用に買うものではないらしい。
誰かがくれたり、または反対にあげたりするようなものらしい。
しかし他所者である吾輩は「しとぎ豆がき」をくれそうなまでに親しい秋田人がいるでもなし、この先もらえることは期待そうもなしなので、食べたかったら自分で買うて食べんかいワレ!(なぜか河内弁)の世界なのだった。
しかし、800円も出すのだったら他の美味しいものが買えそうだが・・・などと買う寸前まで未練がましかったことを白状する。
県産品プラザでついに一袋買った後にホテルに戻ったらロビーに坂東英二氏がいたので買ったことを報告した。
食べましたか!?
いや、これから食べるのです。
なんだかうやうやしすぎる儀式めいた雰囲気さえ漂っていた。
たかがおかきを食べるだけなのに、だ。
5.「しとぎ豆がき」を食べた
・・・以上の話が数年前のことで、その時は清水の舞台から飛び降りたつもりで864円ー5%で買ったのだったが、その味が坂東英二も言うように確かにとても美味でやめられないし止まらなくて864円ー5%のおかきが見る見るなくなっていったのだった。
こりゃ美味い〜!
シンプルではあるが、塩加減、サクッとした固さ、豆の香ばしさが最高で、同じような京都のおかきなんかを思い出してもここまで美味しいおかきは経験したことがなかった。
そもそも「豆がき」だ。
京都にもこういうのを作っているメーカーはあってよく似た形のものは食べているのだ。
しかし秋田の「しとぎ豆がき」は京都であろうが大阪であろうが「豆おかき」や「餅がき」類を凌駕しているのだった。
これが一番だ! とも思うのであった。
特に「しとぎ豆がき」のような軽い食べ心地は他にないように思っているがどうであろうか?
大体のかき餅の類は固いので子供の時から苦手だった。
「しとぎ豆がき」はまず第一にそこを解決しているのだ。
6.その後、定期的に買う
それ以降、吾輩は税抜800円が高いだのごちゃごちゃ言わないで秋田に来る度に買うようになったが、完全に価格に納得しているわけではない。
20個で800円などの価格になるのは製造元の経費と販売店のブランドの2つの会社が利益を分け合ってるわけで、1社でこの品質のものを作るだけならおそらく今の半額以下で販売できるのではないか。
米の素材もいいことはわかる。
それに焼き方もいいことがわかる。
加えて黒豆の品質もいい。
しかし1個40円の満足感は妥当だろうか?
7.今年も「しとぎ豆がき」を買った



そうして今回(2026年1月)も自分用のおやつに「しとぎ豆がき」を買ったのでここに見せびらかすのだ。
特に最近は甘い和菓子ばっかり食べているので、こういうカリッと塩分の効いたシンプルで男前で香ばしいおかきで味覚神経系を中和するのに丁度いいのだった。
ちなみに最近吾輩その坂東英二がいるホテルには泊まらなくなっていて、秋田も日帰りが多くなったが、秋田に行った時は泊まらなくてもホテルには顔を出すようにしていて顔見知りのスタッフには挨拶している。今回もロビーで坂東英二氏と会って立ち話をしたのだった。
吾輩はエコバックに入っていた「しとぎ豆がき」を坂東英二にチラ見せして、坂東英二さんのおかげでこれのファンになって来る度に買ってるよ、と報告をした。
いや、ほんとうに美味しいお菓子を教えてくれたものだと坂東英二ホテルマンには感謝しているのだ。
・・・願わくば、誰かからこれ(の缶入り大量詰めなど)をもらったら天地逆転するほども嬉しいのだが、その夢は果たせそうではない・・・ので今のところは自分で買うしかないのだ。
いつかはもっとでかい缶入り数千円のやつを買って思う存分食べてみたいと思いつつ・・・
8.「しとぎ豆がき」
秋田のお土産として「金萬」と並び、あるいはそれ以上に「これがないと帰れない」というファンが多いのが「しとぎ豆がき」だそうだ。
吾輩もそうなりつつあるということでこれは大袈裟ではないことがわかる。
このお菓子は製造元と販売店がそれぞれの専門性を活かして作り上げた秋田の米文化の結晶とも言える逸品だ。
「販売:一乃穂」と「製造:秋田いなふく米菓」
このお菓子を理解するには、この2社のタッグを知ることが重要だ。
販売:粢(しとぎ)菓子 一乃穂(いちのほ)
秋田市に本店を構えるしとぎ菓子の専門店だ。
高級感のある店構えで「しとぎ」という秋田の伝統的な米文化を現代に伝えるブランドを確立している。
製造:秋田いなふく米菓株式会社
秋田市に工場を構える米菓製造のスペシャリストだ。
実は今は「亀田製菓」のグループ会社であり、確かな技術力と品質管理のもと秋田県産米を主原料としたお菓子作りを行っている。
「一乃穂」がコンセプトとこだわりを形にし「秋田いなふく米菓」がその技術で最高のクオリティに焼き上げる、という役割分担になっている。
9.「しとぎ」という言葉に込められた意味
商品名にある「しとぎ(粢)」とは、古くから神様へのお供え物として作られてきた水に浸した生米を粉にして練り固めたもののことだ。
秋田ではこの「しとぎ」が食文化として深く根付いており、一乃穂は「お米の神聖な美味しさ」を届けるという意味を込めてこの言葉を大切にしている。
10.「しとぎ豆がき」の特徴
見た目はシンプルなおかき(豆餅)だが一度食べると他のものとの違いがはっきりとわかる。
お米の「甘み」が濃い
秋田県産のもち米を100%使用で、噛むほどに、お米本来の自然な甘みがじわじわと広がる。
「黒豆」の存在感
大粒の黒豆がゴロゴロと贅沢に入っているが、この豆が非常に香ばしく、絶妙な塩加減とお米の甘みを引き立てている。
「サクッ、ホロッ」の食感
おかきによくある「硬くて噛みきれない」感じがなく、独自の製法で、表面はサクッと、中は驚くほど軽やかにほどけるように、非常に繊細な食感に仕上げられている。
絶妙な塩梅
塩気が強すぎず、素材の良さを邪魔しない「上品な味付け」だ。
これが、ついつい「もう一枚・・・」と手が伸びてしまう中毒性の秘密だそうだ。
11.地域での存在感
秋田県内では自宅用の常備菓子としてはもちろん「法事の引き出物」や「お盆の帰省土産」として、これ以上外さないものはないというほどの信頼を得ているらしい。
秋田駅の「トピコ」や秋田空港でも常に目立つ場所に置かれている。
12.同品質の商品を安く買う方法
「一乃穂」を通さない「秋田いなふく米菓」のアウトレットのような商品がその工場で売られているらしい。
そこでは「しとぎ豆がき」のブランドを付けて売ることができない訳あり製品が売られているわけだが、欠けがあったりする見た目はあっても同じ商品なので味は同じだ。
基本的に自分用だったらそういうアウトレットのような商品で金額的にも充分満足するだろう。
自分用には価格を跳ね上げる「一乃穂」ブランドは必要ないということだ。
「しとぎ豆がき」は製造元と販売ブランドの2社の二重取りで価格が高くなっているわけだ。
それに「しとぎ豆がき」程度の美味しさと素材のこだわりを保ったままで同等かそれ以上のおかきがより安い価格で大阪や京都あるいは東京周辺でもありそうな気がしているがどうだろうか。
現在のところ吾輩は知らないので「しとぎ豆がき」が全国で一番かもしれないと思っているが、対抗するおかきがあるかどうか、今後もアンテナを立てておこうと思う。
(おわり)
