庭砂糕(ていさこう) 松坂屋武右衛門 新潟三条 和菓子なスクチャイ067 2025.05.13
和菓子なスクチャイ067 新潟 > 三条
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
庭砂糕(ていさこう) 松坂屋武右衛門 新潟三条
ジャイアント馬場さんの故郷新潟県三条市の和菓子屋さんの話である。
1.庭砂糕(ていさこう)の位置付け


前回新潟三条の高級粉菓子店松坂屋を紹介したが、今回はそこの商品である「庭砂糕(ていさこう)」について紹介する。
「庭砂糕(ていさこう)」は以前紹介した長岡大和屋の「越乃雪(こしのゆき)」と並ぶ粉菓子の上等品だ。(先の記事を参照)
なお、この庭砂糕も出雲崎の「白雪糕」と同じく良寛さんに愛されたと言われている。
2.新潟の粉菓子文化
新潟には粉菓子の文化があり、粉菓子とは天神様に供える鯛や雛菓子の類で、味甚粉(みじんこ:餅を白焼きして粉砕したもの)と砂糖を使った押し物のことだ。
これは落雁とは違う半生菓子で、その上等の部類が厳選された餅米の寒晒粉(かんざらしこ)と阿波和三盆糖を合わせて精製する押し物菓子の「越乃雪」であり、良寛さんの故郷出雲崎の「白雪糕」であり、さらにその「白雪糕」の流れを汲む「庭砂糕」である。
前回の記事から繰り返しの説明になるが、これらの押し物菓子は落雁と異なる半生菓子になり、日持ちがしなかったため白雪糕は日持ちする落雁に置き換わり何年も消滅した時期があった。
それを復活させたのが出雲崎の大黒屋の先代の主人で、良寛さん100回忌の1930年昭和5年の時だった。
3.粉菓子と落雁の違い
落雁は澱粉をアルファ化(火を通している澱粉なので消化できる)したものを固めて作るが、たとえば白雪糕のような粉菓子は生のベーター澱粉(火を通していない澱粉なので消化できない)のまま固め、そのあとに蒸すという工程が必要なのだ。
そのため粉菓子は主に水分量の関係で落雁より短い日持ちの半生菓子となった。
4.箱を開ける



箱を開けるといかにも手作り感のあるラップで包まれた本体がきっちりと収まっていた。
5.色

鳥の子色(立川晴の輔の笑点での着物の色。別名クリーム色)と明るい黄色のツートーンカラーで鳥の子色の方が本来の和三盆の色だろう。
黄色の方は合成着色料黄色4号だ。
自然な鳥の子色だけの単色でもいいような気がするが、この黄色で庭砂糕の特徴を表しているのかもしれない。
わざわざ合成着色料を使うなんて・・・とも思うが、色合い的には似合っている。
もし黄色がなければ以前紹介した「白雪糕」との違いがわからなくなるかもしれない。
6.食感

表面にぽつぽつと見えている小さな四角い透明に輝く結晶はザラメのような砂糖だろう。
口に入れた時にこのザラメが僅かに良きシャリ感を出していた。
この食感も白雪糕とは異なる点だった。
7.価格
価格は税込700円で、単純体積比では白雪糕よりやや廉価だ。
白雪糕はハーフで買ったが、この庭砂糕よりひとまわり小さくて税込780円だった。
8.庭砂糕・白雪糕・越乃雪比較


さて、今後も続けて食べたい場合、庭砂糕か白雪糕かのどちらを買うか?
お茶会などでのお皿の上での見栄えや客の好みにもよるので優劣つけ難いが、吾輩が自分自身のために買うのだったらやや庭砂糕が優位だ。
白雪糕は昔の原材料で食べたいという欲求があるので今の白雪糕のままでは特別な感情は持てない。
良寛さんの時代の風味と異なっていることが明らかだからだ。
その点、庭砂糕はザラメの使用と色で独自の特色を出していて純粋に見て食べるのが楽しめるのだった。

そしてここに越乃雪が入ると選考はどうなるか?
越乃雪は体積比で庭砂糕や白雪糕の2倍ほど高価になるが、特別な阿波和三盆の高貴な口溶けと甘さ、本体上部を覆う雪に見立てた白い砂糖との見栄え、そして一口サイズに切れていて扱い易いのが気に入っている。
体積についてはそれでお腹を膨らませるわけではないので気にしない。
体積よりも満足度だ。
吾輩の場合、越乃雪の満足度が3つの中では最も高い。
9.散らかり系

参考まで、庭砂糕を切る時は写真のようにナイフを入れてから手で折る感じになった。
ナイフなしでも手で折れるかもしれないが、いずれにしても触れば触るほど粉々になって散らかってしまう。
白雪糕は指で簡単に折って食べることができたが散らかり具合はよく似た感じだ。
吾輩はどうも散らかり系のお菓子が苦手なのだ。
散らかるのだったら最初から摘んでひとくちで食べられるようしておいて欲しいのだ。
その点でも越乃雪が吾輩にとってはたいへん優れていることになるのだった。
※順位付けは吾輩の好みによるもので世間的な順位ではない。
(松坂屋庭砂糕おわり)
