「腎臓の働きがひと目でわかる」クレアチニンとeGFR 【知ってトクする健康診断の検査】
健康診断でクレアチニン(Cre)やeGFRという数値を見たことはありませんか?
どちらも腎臓の“ろ過能力”を表す大切な検査です。
数値が少し高かったり低かったりするのは、腎臓が静かに弱っているサインかもしれません。
腎臓は、病気が進行するまで自覚症状が出にくいので、「沈黙の臓器」の一つとされています。
だからこそ、健康診断で要観察や要再検査になったら注意が必要です。
💡この記事を最後まで読むと、健康診断の腎臓の検査のことがわかります。
ケース①:健康と思っていた40代男性
40代のMさん。健康診断ではいつも「異常なし」。
ところが、今回の結果で eGFRが58 と書かれていました。
数値の横には「軽度低下」の文字。
現在は血圧も正常ですが、思い返すと数年前にはやや高めの時期もあったそうです。
医師の診察で、塩分の取りすぎや生活習慣の影響が指摘されました。

食事を見直し、減塩や水分摂取を意識したところ、半年後には eGFRが62に改善。
「放っておかなくて良かった」と話しています。
ケース②:むくみが気になる60代女性
60代のAさんは、何年も前から血糖値が高く医師から何度も注意を受けていたが、生活習慣改善などの努力は全くして
いなかった。
最近になって、夕方になると足がむくむようになってきた。
健康診断では、クレアチニン1.2 mg/dL(基準0.8以下)、eGFRは45。

受診をすすめられ、病院での詳しい検査をした結果、糖尿病性腎症の初期と診断されました。
食事療法と薬による血糖コントロールを始めたことで、腎機能はこれ以上悪化せずに、今のところは安定。
「医師からの注意を早めに聞いていればよかった」と少ししています。
ケース③:健康志向のサプリで思わぬ落とし穴
50代のHさんは、「体に良さそう」と思い、ネットで人気のある自然の成分から作られたサプリを数か月続けていました。
ある日、健康診断でクレアチニンが1.3 mg/dL、eGFRが52に。
医師による問診で、サプリに含まれる成分が腎臓に負担をかけていた可能性が示唆されました。

サプリを中止し、水分摂取を意識して過ごしたところ、1か月後にはeGFRが65に回復。
「自然のものでも、体に合わないことがあるんだ」と始めて認識したそうです。
検査のポイント
クレアチニン(Cre)値
筋肉から出る老廃物で、体にとっては不要になったもの。
腎臓のろ過機能で血液から除かれる。
腎機能が低下すると血液から除かれにくくなるので、高いほど腎機能低下の可能性がある。

(北里大学病院腎臓内科ホームぺージより改変して引用)
eGFR(推算糸球体濾過量)
年齢・性別・Cre値から計算式で算出した腎機能の推定値(mL/min/1.73㎡)
90以上:正常
60〜89:軽度低下と
60未満:慢性腎臓病(CKD)が疑われる
つまり低いほど腎機能低下の可能性がある。
クレアチニンやeGFRに心配な数値が出たら、腎臓の機能が低下している可能性が高いです。
腎臓に異常があるかどうかは、尿検査(尿蛋白、尿潜血など)や腎臓エコーなどの検査結果と合わせて総合的に評価する必要があります。
よくあるQ&A
Q1:eGFRが少し低いだけなら大丈夫?
A.年齢による自然な低下もあります。ただし60未満が続く場合は医師に相談を。
60という数値が一つの目安です。
Q2:一時的に悪くなることもある?
A.脱水、発熱、風邪薬や痛み止め、サプリなどの影響で一時的に上がることもあります。再検査で戻れば問題ありません。
Q3:クレアチニン値は筋肉量でも変わる?
A.はい。クレアチニンは筋肉で作られるので、筋肉が多い人はやや高めに、少ない人は低めに出ます。
eGFRはその影響を補正してくれる点が利点です。
まとめ
腎臓は一度傷むと回復しにくい臓器です。
だからこそ、早期発見・早期対策がいちばんの予防です。
・健康診断では「クレアチニン」と「eGFR」をチェック
・そして、可能なら数値の変化を前年と比べてみる
「健康のために」と思った行動が、腎臓を疲れさせていることもあります。
次の健康診断では、腎臓にも目を向けてみましょう。
この記事は検査の結果を理解するための一般的な解説であり、診断を行うものではありません。検査結果についてご不安がある場合は、必ず医師・医療機関にご相談ください。なお、本記事の内容は今後の知見や表現の工夫に応じて、随時アップデートする場合があります。
👉 次回は血液で調べる胃の検査「ペプシノーゲン検査」を予定しています。
