〜第90夜〜「消えた一話」
🕯️ 百物語 完結まで
残り──10話。
ここまで来るとね……
“読む”というより、
“近づいている”感覚になるんですよ……。
百物語っていうのは……
怪談を集める遊びじゃない。
“最後の一話”へ向かうための道なんです。
でね……
昔から、こう言われている。
「90を超えた頃から、“混ざる”」
語っている人の話なのか……
聞いている側の記憶なのか……
それとも……
最初からそこにいた“別の何か”なのか。
区別が、つかなくなるんですよ……。
えぇ……。
ここから先はね……
“読んでいるだけ”では済まないかもしれません……。
……では、第90夜。
お話ししましょうか……🕯️
📌 視えてしまう世界の話
〜第90夜〜
「消えた一話」
🕯️ はじめに
百物語ってね……
“語った数”が大事なんですよ……。
ひとつ語って、一本消す。
またひとつ語って、一本消す。
つまり……
“話の数”と、“蝋燭の数”は
必ず一致していなきゃいけない。
でもね……
もし、その数が……
途中で合わなくなったら……?
えぇ……。
“誰も語っていない一話”が、
混ざっていることがあるんですよ……。
これはね……
ある配信者グループが、企画で
「リアル百物語」をやった時の話なんですが……。
心霊スポットで有名な、古い旅館を借りてね……
生配信しながら、怪談を語る。
視聴者もかなり集まっていたそうです。
最初は、普通だった。
怖い話をして、蝋燭を消す。
コメント欄も盛り上がってね……
「うしろ!」とか
「音した!」なんて、よくある感じで……。
でもね……
80話を超えた頃から……
コメント欄に、妙な書き込みが増えた。
「今の話、誰がしたの?」
……えぇ?
配信者たちは最初、意味が分からなかった。
だって……
ちゃんと順番に話している。
でもね……
視聴者のコメントでは、
“知らない声”が混ざっていたって言うんです。
しかも……
その“話”をした瞬間だけ、
画面が少し暗くなる。
でも配信側では……
誰も気づいていない。
でね……
90話目に入る直前。
ひとりが、ふと気づいた。
「……蝋燭、多くない?」
数えたんです。
するとね……
“残り11本”あった。
えぇ……。
89話終わってるなら、残りは10本のはずでしょう……?
一本、多い。
誰かが消し忘れたのかと思った。
でも……
全部、ちゃんと溶けている。
つまり……
“最初から燃えていた蝋燭”なんですよ。
空気が変わった。
コメント欄も、急に静かになる。
そしてね……
画面に、ひとつだけコメントが流れた。
「今のが90話目です」
……えぇ。
でもね……
誰も、90話目を語っていない。
その瞬間ですよ。
配信音声に……
知らない声が入った。
低く、ゆっくりとした声で……
こう言ったんです。
「ひとつ、足りませんでしたね」
……えぇ。
そのあと……
配信画面が、一瞬だけ乱れた。
ほんの数秒。
でもね……
視聴者は、見てしまった。
配信者たちの輪の中に……
“もうひとり座っていた”のを。
顔は見えない。
でも……
確実に、いた。
そして……
その人物の前には……
消えていない蝋燭が一本、置かれていたそうなんですよ……。
📝 あとがき
数っていうのはね……
“揃っている”から安心できるんです。
でも……
怪談の数が、合わない。
蝋燭の数が、合わない。
それってね……
“人間じゃない誰か”が、
参加しているのかもしれません……。
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この話の核心――
なぜ“誰も語っていない90話目”が存在したのか
なぜ視聴者だけが“声”を聞いていたのか
そして「足りなかったひとつ」とは何か……
ここでしか読めない解釈をお話しします……。
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