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〜第91夜〜「途中で増えた参加者」

🕯️ 百物語 完結まで
残り──9話。

ここまで来るとね……

“聞いている”だけだった人も、
少しずつ巻き込まれていくんですよ……。

昔の百物語では……

90話を超える頃から、
「人数が合わなくなる」って言われていました。

最初は気のせい。

でもね……

誰かが途中で帰ったはずなのに、
まだ“そこに座っている”。

逆に……

最初からいたはずの人を、
誰も思い出せなくなる。

えぇ……。

“人の数”っていうのはね……

安心の証なんです。

それが崩れ始めると……

もう、“こちら側だけ”では済まないんですよ……。

……では、第91夜。
お話ししましょうか……🕯️

📌 視えてしまう世界の話

〜第91夜〜

「途中で増えた参加者」




🕯️ はじめに

怪談ってね……

“誰が聞いているか”が大事なんですよ……。

同じ話でも……

聞く人によって、変わることがある。

でもね……

聞いているはずのない人が、
混ざっていたら……?

えぇ……。

百物語ではね……

途中から、“知らない参加者”が増えることがあるんですよ……。


これはね……

ある会社の若い社員たちが、
深夜の事務所で百物語をした時の話なんですが……。

残業続きでね……

「せっかくだから怖いことしよう」って流れになった。

参加者は7人。

ちゃんと確認していたそうです。

会議室を暗くして……

スマホのライトと、小さなキャンドルだけ。

順番に話していく。

最初はね……

まぁ普通の怪談大会ですよ。

笑ったり、驚いたりしてね……。

でも……

60話を超えた頃から、
妙なことが起き始めた。

話している最中に……

“相槌”が増えたんです。

「えぇ……」
「それ、知ってます……」

みたいな声がね……

毎回、誰かの後ろから聞こえる。

でも……

誰も、自分が言った覚えがない。

でね……

ひとりの女性社員が、気づいた。

「……イス、増えてない?」

会議室の壁際に……

使っていないパイプ椅子が、ひとつ置かれていた。

最初はなかった。

みんな、そう言う。

気味が悪くなってね……

その椅子を、部屋の外に出したそうです。

でも……

次の話が終わったあと。

また、ある。

同じ場所に。

しかも今度は……

椅子の向きが、“輪の方”を向いていた。

えぇ……。

誰も触っていないのに。

空気が重くなる。

でもね……

途中でやめるのも怖くて、続けた。

そして……

91話目。

ある男性社員が話し始めた瞬間――

誰かが、笑った。

低く、湿った声で……

「その話、知ってる」

全員、凍りついた。

声はね……

輪の中から聞こえたんです。

でも……

その瞬間。

誰も、話していなかった。

えぇ……。

つまり……

“8人目”の声なんですよ。

慌てて人数を数えた。

1、2、3、4、5、6、7……

……8。

ひとり、多い。

でもね……

誰が多いのか、分からない。

全員が“最初からいた顔”に見える。

するとね……

一番奥に座っていた男性が、ぽつりとこう言った。

「……あれ?」

みんなが振り向く。

その人、青ざめた顔で……

こう言ったそうです。

「俺……誰の隣に座ってたっけ?」

……えぇ。

誰も、答えられなかった。

その席には……

いつの間にか、“もうひとつ椅子”が増えていたそうなんですよ……。


📝 あとがき


人数ってね……

数えられるから、安心なんです。

でも……

“誰がいるのか”が分からなくなると……

その数は、意味を失う。

怪談で本当に怖いのは……

幽霊を見ることじゃない。

“違和感に慣れてしまうこと”なのかもしれませんね……。


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この話の核心――

なぜ椅子が増えたのか
なぜ“8人目”を区別できなかったのか
そして「その話、知ってる」と言った存在とは……

ここでしか読めない解釈をお話しします……。

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