タンゴ de 団体演技
タンゴを踊るには二人、のはずなのに「tango gruppal(グループ演技)」とはこれ如何に?
(タイトル写真 from El Balcón de Artista )
グルッパルはタンゴ競技会のカテゴリーのひとつで、3人以上のチームで演技します。世界選手権大会などメジャーな競技会ではあまりみかけませんが、ジュニアの競技会や地域のコンペなどでは、舞踏学校やダンススタジオのチームなどが参加して、なかなか盛り上がるカテゴリーなのです。
ご参考までにご紹介する下のビデオは、コロンビア、メデジン市のタンゴ競技会でのタンゴ成人団体カテゴリーの様子です。踊っているのは El Balcón de Artista チーム。音楽は映画ムーランルージュの『ロクサーヌのタンゴ』、『タンゲーラ』のBメロがほのかに聞こえるドラマチックな曲です。振り付けは、アルゼンチンやアメリカでよくあるようなペアでのダンスを拡張したスタイル(たくさんのペアが踊る)ではなく、モダンダンスやバレエのような群舞が入った、なかなか凝った構成ですね。
一見して思うのは、踊っているダンサーたちが若いこと。タンゴは年寄りばっかりが踊ってるなんてどこの話? という感じでまぶし~✨。また彼ら、難度の高いシークエンスも楽々とこなしているところをみると、タンゴだけでなく広範なダンスの基礎があるとみましたヨ。なるほど、こういう人たちの中から世界選手権にやってくるようなダンサーが出てくるのか、とタンゴシーンでのコロンビア勢快進撃の秘密を垣間見た気分。
舞踏学校の上級生チームなのかしら、とEl Balcón de Artista チームのサイトを訪ねてみましたら、これまたなかなかユニークなグループであることが判明。サイトによりますと、El Balcón de Artista はメデジンで芸術活動と社会貢献活動をしている社会法人で、麻薬組織のせいで荒廃した地域を中心に、子どもや若者を支える活動を30年以上にわたり行っているのだそうです。タンゴ、サルサなどのダンスレッスンもその活動の一部で、長年の活動の結果、若いダンサーが育ち、今ではダンスショーや一般向けのレッスンも行っているのだとか。市の競技会に参加したのはそういう人たちだったんですねー。(彼らの素顔もうかがえるビデオは下のリンクから。)
以前も少し触れましたが、メデジンはタンゴと縁が深く、また近年は「メデジンの奇跡」といわれるほど内戦と麻薬戦争のダメージから立ち直ったことでも有名。ダンサーたちからあふれる前向きな雰囲気もそういう地域の歴史とも関係しているのかも。
ここではタンゴは年寄りの暇つぶしじゃなくって、青春と希望のダンスなんですね(ああ、なんだかウラヤマシイ)。マニザレスやボゴタなど他の都市にもいいダンサーが沢山いるし、タンゴはコロンビア中に息づいている⁉ ともかく、当分はコロンビア勢から目が離せませんねー。
©Rico Unno, 2026, CC BY-ND
