「EALに変えてください」12歳が自分で決めたこと
マレーシアに単身留学して3ヶ月。
息子は自分で先生のところへ行きました。
「EALに変えてください」
親に相談したわけでもなく、
学校から言われたわけでもありません。
自分で気づき、
自分で決めたことでした。
まだ12歳。
でも、その行動を聞いたとき、
私は
「ああ、少しずつ自分で歩き始めているんだな」
と感じました。
EALとは?
以前、EALについて記事を書きました。
息子の通うインターナショナルスクールでは、
生徒の英語力に応じて
EAL(English as an Additional Language)
の授業量が決められます。
EALは、英語が母語ではない生徒のための授業です。
英語の読解、文法、ライティングなど、
アカデミックな英語を学ぶクラスで、
英語力を伸ばしながら
他の教科についていけるようにするための
サポートのような役割があります。
ただし、EALといっても
すべての授業がEALになるわけではありません。
多くの学校では、
英語(国語)
数学
体育
美術
などは他の生徒と一緒に受け、
その一方で
理科
社会
歴史
デザイン
などの科目を
英語力に応じてEALに切り替えることができます。
つまり、
英語力に合わせてカリキュラムを
柔軟に調整できる仕組みになっているのです。
息子はほとんど通常授業だった
息子の場合、少し状況が違いました。
変更されていたのは
中国語の授業だけ。
それ以外の科目は、
ほとんど通常授業を受けていました。
最初は、それが普通だと思っていました。
でも、3ヶ月ほど経った頃、
息子はあることに気づいたそうです。
「俺だけ違う」
他の日本人の生徒たちは、
理科や社会など多くの教科が
EALに変更されていたのです。
でも息子だけは
ほとんど通常授業。
どうしてそうなっていたのか、
正直なところ理由はわかりません。
担任の先生の判断だったのかもしれませんし、
学校のタイミングの問題
だったのかもしれません。
でも今振り返ると、
それは悪いことではなかったのかも
しれないと思っています。
最初からEALではなかったからこそ
もし最初からEALだったら、
息子はここまで必死に授業に
ついていこうとはしなかったかもしれません。
授業はほとんど理解できない。
先生が何を言っているのかも、
最初はほとんど聞き取れない。
それでも必死にノートを取り、
宿題を持ち帰る。
宿題は、本当に山ほど出ていたそうです。
泣きながら解いた日もありました。
「もう無理かもしれない」
そう思った日もあったと思います。
それでも息子は、
なんとかついていこうとしていました。
3ヶ月目にして気づいたこと
そんな生活を続けていたある日、
息子は周りの状況に気づきます。
「あれ?俺だけ違う」
周りの日本人はEALに変わっている。
でも自分は通常授業。
そこで息子は
自分の状況を理解しました。
そして先生のところへ行き、
「EALを増やしたいです」
とお願いしたそうです。
私は少し迷いました
その話を聞いたとき、
私は正直、少し迷いました。
「今まで数ヶ月、
それでもなんとかやってこれたんだから
このままでもいいんじゃない?」
そう思ったのです。
せっかくここまで
必死に頑張ってきたのだから。
でも息子は言いました。
「英語に時間を使いたい」
本来の目的を見失いそうになる
息子は、IGCSEを受けるまで
マレーシアに在籍する予定ではありません。
いずれ日本に帰国し、
日本の高校に進学する予定です。
つまり、高校受験も
日本のカリキュラムで受けることになります。
そう考えると、
マレーシアの歴史や社会を
英語で必死に理解するよりも、
その時間を
英語そのものを伸ばす時間に使った方がいい。
息子はそう考えたようでした。
「どうせ理科や社会は
日本に帰ったらまたやるでしょ?」
そう言われて、
私は「確かに」と思いました。
数学はやっている。
英語もやっている。
体育や美術も一緒に受けている。
理科や社会は、
日本でまた学び直す。
だったら今は、
英語に集中する時間にする。
その考え方は、
とても合理的でした。
親はつい求めすぎてしまう
正直なことを言うと、
私は少しだけ思っていました。
せっかく海外にいるのだから、
いろんな授業も体験してほしい。
海外の授業は、
調べる
考える
発表する
そんなスタイルで進みます。
日本の授業とは
少し違います。
だからこそ、
そういう授業も体験してほしい。
日本との違いも感じてほしい。
そんな気持ちもありました。
でも。
本人が望んでいないことを
無理に続けさせるのは、
どこか
野暮な気がしました。
それより大事なこと
それよりも。
自分で
「授業を変更したい」
と先生に言いに行ったこと。
そして
「どうすれば変更できるのか」
自分で考えて行動したこと。
その経験の方が、
ずっと大きな意味がある気がしました。
そして気づいたこと
今回、学校から
「親からの希望も送ってほしい」
と言われたので、
私からもメールを送りました。
するとすぐにカリキュラムは変更され、
息子の時間割はほとんどEALになりました。
本人は、
「英語を集中して勉強できる」
と、とても喜んでいました。
もう目的は達成している
息子は留学する前から言っていました。
「英語を話せるようになりたい」
「海外で生活してみたい」
「外国人の友達を作りたい」
そして今、
それはもう
できています。
外国人の友達ができて、
英語で生活している。
それだけでも、
十分なのかもしれません。
親はつい求めすぎてしまう
つい、親は求めすぎてしまう。
せっかく海外にいるのだから。
せっかく留学しているのだから。
もっと。
もう少し。
そんなふうに
ハードルを上げてしまう。
でも今回のことで、
改めて思いました。
息子はもう、
自分で考えて
自分で行動して
自分の道を選び始めている。
親が思っているよりも、
ずっとちゃんと前に進んでいるのかもしれません。
親はつい求めすぎてしまう。
でも、子どもはもうちゃんと自分の道を歩き始めているのかもしれません。
