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夕焼けは、言葉になる前のきもち。

夕焼けは、
まだ声にならないきもちを、空に浮かべてくれる。

今日、うまく言えなかった「ありがとう」とか、
胸の奥でつっかえてた「ごめんね」とか。
ひとつひとつ、
オレンジ色に染めて、にじませていく。

夕焼けは、
空と夜の、ちょうど境い目。
街のざわめきが遠のいて、
でも、まだ完全な静けさにはなれなくて。

子どもが「きょうね」と話し出す声。
ベランダから聞こえる、夕飯の匂いとフライパンの音。
どれも、少し前のわたしと、少し先のわたしを、
やさしくつないでくれる。

言葉は、こんな時間にこそ、やってくる。
ふいに、ふわりと。
「だいじょうぶ」とか、「そばにいるよ」とか。
書きたいことは、いつもこの時間に、やっとわたしの中で形になる。

夕焼けは、
さよならと、またねのあいだ。
きっと、わたしの一番好きな、時間の色。

喜木 拝
 

#シロクマ文芸部 さんの企画で「夕焼けは」から始まる詩的エッセイを綴りました。
この時間帯にしか、出てこない言葉があると思ってます。
日が落ちていく空を見ながら、
まだ誰にも届いていない気持ちを、そっと取り出してみたくなる。
そんな夕暮れのすきまに書いた、ちいさな詩です。

夕方に書きたくなる気持ちや、夕暮れが好きな気持ちを綴った記事もあります。

ここまで、お読みいただきありがとうございます💖
「夕焼けが好き」と言える人と、話したいわたしです。
今日と明日のあいだにある、言葉にならないきもち。
あなたはどんな夕方を過ごしていますか?


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