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忙しい日々でも30分でつくる"家族ファースト"なごはん/髙塚しいもさん

3月6日(金)に新刊『台所には薬箱とスパイスがあるといい』を発売しました。こちらを記念して、さまざまなライフスタイルやお仕事の10名に、ごはんしたくについてインタビューする連載企画【十人十色の薬箱とスパイス】をはじめました。

第3弾となる今回は、5人のお子さんを育てながら働き、創作までされている明るくてパワフルなママ・髙塚しいもさんにお話をうかがいました。



髙塚しいもさんプロフィール



「10歳9歳女子、6歳双子男子、3歳男子、眼鏡SE旦那との7人家族を支えるワーママ。
専門学校教員として普段は教壇に立つ。
長女は不登校。次女はASD・ADHD。長男はASD。
いろいろあるけれど「まあなんとかなる」の精神で、日々のことをnoteでつづっています。 大学時代に執筆した小説で同人雑誌優秀賞受賞、「文學界」掲載歴あり。仕事と育児の隙間に、創作で自己表現も追及し続けています」

凛花:

しいもさんにお話をお聞きしたいと思ったのは、5人のお子さんを育てながら働き、創作もしているという時間の使い方がすごいと思ったからです。以前拝見したこの「一升炊き」の写真はすごいインパクトでした。


一升炊きのごはん ©しいもさん

わが家は、2人の子どもたちでもかなり苦戦しているので、いったいどんなふうにお料理をされているのかすごく気になりました。


7人家族の夕ごはん。作業時間はなんと30分!


凛花:
まずは、しいもさんの暮らしについてお教えいただけますか?


しいもさん:

保育園児と小学生の計5人の子どもがいます。夫と協力しながら子育てを進めています。


凛花:

お子さんそれぞれの年齢も違うので、やらなくちゃいけないことにかなりばらつきがありそうですね。出勤するときはどうされているのですか?


しいもさん:

出勤は夫と交代です。不登校の長女の付き添いもあり、必ず誰かが家にいないといけないからです。授業がない場合には在宅で仕事をする日もあります。
送迎も、夫と手分けして保育園と小学校それぞれに送迎します。


凛花:

ごはん担当は、しいもさんだけですか? ご主人もつくりますか?


しいもさん:

まず、朝ごはんは、夫か私の早く起きられた方が準備します。
たとえば今朝は、「餅(おしるこ)」「餅(磯部巻き)」「食パンチーズのせ」「コーンフレーク」「お茶漬け」といったように、子どものリクエスト式です……。かなえられない日も多いですが。


凛花:

わが家も子どもたちのリクエスト式なんですが、5人それぞれ違うと準備がとっても大変そう……。
ちなみにうちは今朝は、娘は「コーンポタージュスープしか食べられない」といい(栄養バランス……)、息子はいくつかある彼のルーティンメニューの中から「コーンフレーク」を選んでいました。

しいもさんは、お昼は職場で食べることが多いですか?


しいもさん:

お昼は出勤か在宅かによります。
出勤のときは、前夜、夕飯といっしょにつくっておいたお弁当を持っていきます。在宅の場合は長女といっしょにサクッとつくったものを食べます。長女からは「毎日目玉焼きでもいい」と言われます。


凛花:

子どもの個人差もすごくありそうですが、うちも息子が同じタイプです。お迎え場所も複数あるから、帰宅後の夕飯づくりはなかなかハードワークそうですね……!


しいもさん:

夕飯のしたくは、30分くらいです。


凛花:

え!? 30分!? すごい……!


しいもさん:

出勤の日は帰宅してから。在宅の日にはお昼休憩につくっています。基本的に同じものが続いたりおかずが毎日同じでもとくに気にしない家族なので、そこに甘えがち。


凛花:

同じものでも、スピード感がすごいなあと思います。私はあらかじめ明確に決めたものがないと、ぼうっとしてるだけで30分経っているように思います。


しいもさん:

料理の速さには自信があります。だけど、上手でも好きでもないです。


凛花:

そうなんですね。
個人的には、スピードもごはんしたくの大事な要素で、なかなか超えられない壁のひとつだと感じます。ある程度の技術がないと、手ぎわよく作ることはできないですし。


料理上手の定義って、なんだろう


凛花:

インタビューから一度それます。
しいもさんの回答でふと思ったことがあるのでシェアさせてください!


「料理上手」の定義って結構むずかしいなあと思ったのです。
私自身は、この先何年経っても「料理上手だ」とは言えない気がします。

なんでそう思うのかなっていうと、なんか切ったものが不揃いだとか、盛りつけがぐちゃっとしてるとか。あと、コンスタントに毎日自炊を続けたり、コンスタントに一定の味を保ったりするのができないところ……かな。そしてスピードはもう悲惨です。
めちゃくちゃ工夫してるのに遅いのです。


一方で、ひとり暮らしをはじめた大学生のころ、「私は料理が得意なんだ」と言う知人が何人もいました。
そう思えるようになる"要素”がどこなのかも気になっていたりします。

というのも、「苦手なことを毎日やらされる」よりも、「得意だから毎日やっている」と思うほうが心がらくになる気がするんですよね。

しいもさんのお話を聞いて、「料理」っていうふわっとした定義じゃなくて「速さに自信がある」と確信できるのがすごくいいと思いました。

もしかしたらみんな、人それぞれ得意な要素があるんだけど、総合的に見ることで「料理上手じゃない」って思うのかも……なんて。

要素っていうのはたとえば、しいもさんがおっしゃったような速さだとか、味つけとか焼き加減とか、盛りつけとか、栄養バランスとか。

ちなみに私は、どの要素も得意だと言えないなあ。
効率化とか、楽しさとか、そういう工夫をすることくらいしか得意だって言えないです。15年以上料理してるのに。


母をサポートする料理が原点


凛花:

さて、しいもさんの自炊歴についてお聞きしたいです。


しいもさん:

「頼まれればやる」ようになったのが高校~大学くらいです。当時は実家に住んでいて、基本的に我が家でキッチンに立つのは母だけでした。

たまに、母が仕事やおでかけでいないときは、父が台所に立っていたことも。やたらと手のこんだカレーや、粉から作るうどんをつくったり……。

その父がいなくなると「しいも、ごはんなにか作っておいて」と母に言われるようになったのがきっかけでした。兄ふたりは台所に立つこともなかったし、まあとくに疑問に感じることもなく自然な流れで。

母は料理が好きで、家にはたくさんの料理本がありました。
それをたまに読むようにもなって、自分にもできそうなチャーハンやカレーなんかから作るように。


凛花:

なるほど。教えてもらってというよりも、環境のなかで自然に、自分のちからで学んでいったんですね。


しいもさん:

でも、当然最初は失敗ばっかりで。
「なんでシチューなのに、こんなドロドロなん」と兄に言われてキレたりしました(笑)水分量とか味付け、火力とか、ちょっとしたことであっという間に「思っていたのと違う」という結果になるので、「料理は大変だなあ」と思いました。

それに気づいてから、母の手伝いを自ら買って出るようになれた気がします。


凛花:

すごい……。若いうちからそんな気づきがあって、行動も変わったのが素晴らしいです。


しいもさん:

本格的な自炊は、実家を出て今の夫と暮らすようになってからですね。

切る、焼く、煮る、しかできずにレパートリーも少なかったのが、少しずつ試行錯誤を重ねて増やしていきました。

彼は形から入るタイプで、私は実践をまずはしたいタイプ。彼が料理本を買っていろいろ調べている間にも、勝手にチャレンジして勝手に失敗したりしていました(笑)

でも、その料理にたいする姿勢の違いもよかったのかもしれません。

お互いに、それぞれが料理を担当する日にはなにも言わずにただただ「おいしい」と食べました。

そしてたまにお互いの料理の様子を見ながら「ああそうするからおいしいのね」「そうやると確かにラクだね」と、お互いのいいところをとっていけるようにもなって。
その料理の夫婦での姿勢は今も同じですね。


凛花:

なんて素敵なのだろう……。昨年、私が毎月発行していたZINEに寄稿していただいたときのエピソードを思い出します。このエッセイも大好きなんですよ。


買い出しは業務スーパーで大量に


凛花:

買い出しの量もすごく多くなると思うのですが、こまめに買い足すようなイメージですか?


しいもさん:

買い出しができる日に、業務スーパーなどでとにかく肉・野菜を買い込みます。


ある日の買い出し内容 ©しいもさん

基本的には冒険はせずに、安定して子どもが食べるものを。

でもとにかく安いものをがさっと買うので、野菜は自然と旬なものになりますね。

そして、そこから冷蔵庫のラインナップを見て、献立をその日その日で考えることが基本的に多いです。


凛花:

しいもさん、やっぱりお料理上手だと思います。献立をその都度考えていてのあのスピード感……!?


しいもさん:

たまに、子どもから「カレーがいい」「こういうのを保育園で食べたらおいしかった」と言われると、それに向けてメニューを変更することもしばしば。

普段はとにかく「ラクで早くて洗い物が少ない」をテーマにしているので、Instagramで同じような大家族ママの発信を見て、ワンパンアレンジ料理などを参考にしています。


凛花:

ああー! なるほど。ふつうのレシピって、「2人前」か「4人前」がほとんどですものね。大家族ママの投稿はとても参考になりそう。そうか、自分と同じ要素を持つ人を探していくといいんですね。

大家族に限らず、たとえば「塾帰りの子どもがいる家庭」とか「家族が食事できる時間がバラバラ」とか、ライフスタイルの中にある特徴を掬い取ることで、悩みを解決しやすい「ロールモデル」が見つかりそうな気がしました。


洗わない・切らない・無理しないを大事に


凛花:

料理をラクにするためにやっていることはありますか?


しいもさん:

いろいろあります! まずは「とにかく洗い物を少なくすること」です。

ただでさえ消費する食器の量がえぐいので、料理の過程でなるべく洗い物を出したくないんですね。
なので、ハンバーグはフライパンにそのままひき肉を入れて、レンチンしたニンジンなどの野菜を入れて、そのまま捏ねてフライパンの上で成型して……という感じです。


凛花:

4人家族でも洗いものがつらいので、想像するだけでも……。実家で、途中からワンプレートになることが多かったのだけれど、そういう理由だったのかも、と今さらながら思い至っています。
野菜を切るのも大変そう……。


しいもさん:

野菜は冷凍野菜にもガンガン頼るようにしています。

野菜をカットして下ごしらえして、という作業時間がけっこうおしいんですよね。
であれば、多少のコストはかかっても業務スーパーで買い込んできた冷凍野菜をチンしたり、そのまま料理に使用します。

みじん切りはぶんぶんチョッパーで。みじん切りの作業時間もおしいときや、とにかく混ぜ込んで野菜を食べてほしいときに愛用しています。意外と洗うのもパーツが少なくてさっとすむので、もっと大きなサイズを新調しようかと思っています。


凛花:

ぶんぶんチョッパーいいですね! 野菜のカットと下ごしらえに時間がかかるの、わかります。わが家だと、ブロッコリー、揚げなすあたりが定番なのですが、しいもさんがよく使う冷凍野菜はありますか?


しいもさん:

ブロッコリーや揚げナスはよく購入します。
ちょっと火を通すだけで味がしみ込むので重宝していますね。

たまに、みじん切りされた玉ねぎも購入します。みじん切りの過程すら時間が惜しいときは、これでハンバーグの調理時間がぐっと短縮できるので助かっています。


凛花:

みじん切り玉ねぎ! 意外と売ってないんですよね。以前は買っていたけれど、引っ越してから買えなくなってしまいました。便利な道具を使っても、みじん切りはやっぱり時間がかかりますよね。


しいもさん:

また、「包丁はひとつで終わらせたい」という気持ちもあります。
肉や野菜を下ごしらえするたびに、包丁を入れ替えたり洗ったりすることが嫌で。
ひとつの包丁でそのまま流れ作業できるように、フルーツ→野菜→肉の流れで使用することで、ここでも洗い物を少なくしたいと強く願って作業しています。きっとみなさんそうかなと思うのですが。


凛花:

そうですね、包丁とかまな板とかって、洗い場の場所も取るし、増やしたくないなあという気持ちすごくわかります。
ここまでお聞きしてきて、スピード感のある料理の秘訣がわかってきた気がします。
忙しくて自炊できない、みたいなときはどうされていますか?


しいもさん:

翌日以降に出勤が続くなんていう日には、でっかい鍋にとにかく大量につくっておいて、2~3日くらいはもたせるようにします。


©しいもさん

味噌汁やカレーはこの鍋でしょっちゅう大量につくっています。子どもたちも夫も気に入っているメニューであれば2・3日同じものを出しても文句を言わないので(笑)助かります。

疲れた日、どうにも時間がない日は、平日でもガンガンお惣菜に頼ります。メインはお惣菜だけど、味噌汁だけ作ったよ、という日があればもうそれは「完璧」に近いと思っています。

時間がないのに子どもを待たせたりお風呂やごはんのあとのスキンシップを削ってまで自炊をするよりは、お惣菜で料理時間を短縮することで家族時間にあてた方がいい、と。

「お惣菜での時間確保はお金の無駄ではなく理にかなっている」と思うようになり、気がラクになりました。


凛花:

「理にかなっている」。自分でも言い聞かせている言葉ではあるのだけれど、ほかの人に言ってもらうと安心感がありますね。
わが家も「日中家にいなくて19時以降に帰宅する日」「もしかしたら外食もありえる」というケースはもう潔くお惣菜にいきます。基本的に夫が休みのときですね。
しいもさんの素敵なところは、私だと「時間がないから」「大変だから」というのがまず出てくるんだけど、お子さんファーストになっているところだと思いました。
外食もされますか?


しいもさん:

休日は自炊する方が少ないかもしれません。
お昼は家族で出かけてマックをしょっちゅう食べるし、夕方には帰ってくるのが遅かったり、夫婦でバドミントンの練習をしているので疲れ切っていたりもして。
お惣菜にここでも頼ります。


なんでもない日でも手巻きパーティー


凛花:

そうそう、しいもさんといえば、私、以前Xで拝見した「手巻きパーティー」が印象に残っています。


©しいもさん


しいもさん:

ここぞとばかりに「手巻きパーティしよう」と言って、月に1回くらいなんでもない日にも開催しています。
マグロやサーモンを冊で買ってきて、みんなが大好きなエビも用意して。
みんなそれぞれ好きなネタをとって好き勝手に食べてもらいます。

最近は手巻きではなくてマグロのお寿司を握ったりしてますね。休日はとくに、栄養バランスよりも「ラクでみんなが喜ぶ」に全振り。そして「また来週からがんばろうね」と言い合う週末です。


凛花:

この間の、ひな祭りのパーティーもとっても素敵でした!
大人になった子どもたちが思い出したり、自分の家庭でもしていくんじゃないかなあと思います。


©しいもさん


家族の笑顔が、ごはんしたくの原動力に


凛花:

料理が少しだけ楽しくなる瞬間や、気分が上がる工夫があれば教えてください。たとえば、お気に入りの道具や調味料はありますか?


しいもさん:

前にも出ているんですけど、ぶんぶんチョッパーですね。
これが好きな理由が、子どもにも任せられるところです。姉妹はもちろん、6歳の双子の弟も細かい作業が好きだからか、料理に興味が出てきて。

そこで、ぶんぶんチョッパーにいれる具材を切ったり、それを回してもらったりを任せています。
時間がなくて指示出しもできないよ~という日でも、「これ回して!」は任せやすいし、みんなも喜んでやってくれます。


凛花:

たしかに、子どもでも安心して頼めるし、きっと、見ていて子どもも楽しいですよね。私は疲れ果てて自分でやってしまうけれど、任せてみようと思いました。
ちなみに、料理をしていて、これをつくるのは楽しいというメニューはありますか?


しいもさん:

子どもにウケがいいメニューはやはり作っていても楽しいです。

カレーやハンバーグ、ハヤシライスやチーズ巻き、さつまいもチップス、唐揚げなどが我が家だと該当します。


凛花:

チーズ巻きってなんですか? おいしそう!


しいもさん:

餃子の皮にチーズを入れて焼きます。

作った先で「やったー!」と言われるのがわかっている、いわゆる勝ちゲーだからですかね。こんなんもう、絶対すきでしょ!と思いながら作って、その思惑通りに「めっちゃおいしい!」と言われる瞬間は、やっぱり料理をしていてうれしいものですね。


凛花:

しいもさんのごはんしたくの、根っこの部分というか、まん中には、ご家族……お子さんたちのことが軸としてあるんですね。家族の笑顔がモチベーションになっているって素敵だなあ。

しいもさんご自身の得意メニューはありますか?


しいもさん:

自分でも得意だと言えるのは、唐揚げとハンバーグですかね。見た目はアレなんですけど、このふたつは子どもも夫もすごい速さで食べつくしてくれて、いつ作っても気持ちがいいです。

©しいもさん 焼色がきれい!

あと、ハンバーグに5児中4児が嫌いなピーマンやきのこを細かくして練りこんで、でも気づかずに「おいしい」と言ってくれた日には、心の中でガッツポーズですね(笑)


私には私の。母には母の。父には父の出せる味がある


凛花:

しいもさんにとって、特別な料理はありますか?


しいもさん:

母の料理です。母の料理がすべておいしいのはもちろんなんですが。
私が家族の味を思い出すときに、母と同じくらいおいしかった、と感じるのが、亡き父がたまに作ってくれたカレーですね。

男性はとくにそうだと感じますが、たまに任されるとここぞとばかりにはりきって、めちゃくちゃ具材買い込むんですよね。

父はよく、でっかい大鍋に、手羽元をパイナップルとともに漬け込んでからじっくり野菜を煮込んでました。当時は、辛い物のパイナップルが許せない派でしたが、手羽元が本当にホロホロで。「俺がパイナップルを入れたからだ」と何度も言われました。

すごくおいしかったなあ。
もう食べられないから余計にそう思うのかもしれません。

じゃあ自分でそれを作るかというと、そうはしませんね。きっと作ったときに「違う」と思うだけだから。私には私の。母には母の。父には父の出せる味があって、それでいいんだと思います。


凛花:

なんかすごくぎゅっとなりました。
私はこの年まで、自分の親も、夫の両親も元気でいたんですけど……何年か前に亡くなった祖母のごはんがもう食べられないのを思い出しました。

ちょっと話がずれるんですけど、うちの母も似た話をしていたんです。曾祖母からずっと受け継がれてきた料理があって。……といってもシンプルなものなんですけどね。それが曾祖母の味と、祖母の味とでちょっと違うんだそうです。私が知っている母の味も、私がつくる味もそれぞれ違うんですよね。
だから「もう食べられない味」って考えると、本当に特別だなあと思いますし、料理って形がないけれど、あとに遺るものなんだなって感じました。



思っていたよりも「料理」が好きなのかもしれない。その理由は。


凛花:

今回で3回目のインタビューになるのですが、お聞きした3人それぞれ違うバックグラウンドと料理のスタイルだったのと同じように、しいもさんと私のごはんしたくスタイルもぜんぜん違って、とても興味深かったです。

しいもさんは、回答していただいてどうでしたか?


しいもさん:

「いつもお料理とかどうしてるの」「たくさん作るの大変でしょう」なんて言われることはまあしょっちゅうあります。主婦ですし、子どもも多いので。

そのたびに「あんまり得意じゃないんですよね」が、決まって出てくる言葉でした。別に引け目があったりコンプレックスでもなく、「なんとなく」「これまでのイメージ」で、そう回答していた気がします。

こうして凛花さんからのインタビューを通して、私は、「自分が思っているよりも料理が好きなんじゃないか」と思いました。

回答しているときに迷いなんてなかったですし、思い浮かぶのは、料理をした先で食べてくれて笑ってくれる家族の顔。毎日、自分なりにがんばっているし、それで家族を生かせているじゃないか。家族も「好き」といってくれるメニューが結構あるじゃないか……と、なんだかいろんなことに気づくことができました。


凛花:

回答するなかで感じたことがあるのだとしたら、こんなにうれしいことはないです。しいもさんがおっしゃったように、どの回答からも「家族の笑顔」が伝わってきたんです。
それがすごく、すごく、しいもさんらしくて。

料理とかごはんしたくっていうと、切ったり焼いたり煮たりっていう作業の部分を思い浮かべがちなんだけど、それを好きになれるかどうかっていうのは、その「先」にあるなにかかもしれないですね。


しいもさん:

いまだに料理は失敗します。
チャレンジしてみたメニューが子どもにヒットしなくって残されることだってしょっちゅう。夫は、とんでもない味になって大失敗しても「これはこれでおいしいよ」と必ずたいらげてはくれますが……。

だけどそれでも「やめよう」と思わずにこれているのは、これまでの経験で自分が重ねてきた「実績」は、ちゃんとあるからなのかなと思いました。

試行錯誤してきたハンバーグは、かさましのために豆腐を入れまくったりするし、そもそもワンパンでラクしようとばかり考えているけれど、そういった部分の努力も含めて、家族が好きになってくれて。

それが私の主婦としての直接的な「自信」になっているなと感じます。

料理は、そのまままるごと実感が得られる「自信」だなあと。

だからこそ、「苦手です」で終わらせるのではなくって、できるところからコツコツと、また家族を笑顔にできるメニューが増やせたらいいな。なんて感じることができました。


凛花:

しいもさん、こちらこそ本当にありがとうございました。
最後になにか近況など教えてもらえたらうれしいです。


しいもさん:

不登校の長女は「みるみる」という名義で、イラストレーターを目指して絵を描いています。彼女のInstagramもよかったら覗いていただけるとうれしいです♪


凛花:

しいもさんとみるみるちゃんには、直接お会いしたことがあるのですが、その場でさらさらと描く絵の可愛らしさ、独創性に驚かされました。
日々きっと、いろんな「実験」のように絵にいろんなことを試して、楽しんでいる様子が伝わってきて……。私も大ファンです!

しいもさん、本当にありがとうございました!


▼3月6日(金)に発売した私の新刊『台所には薬箱とスパイスがあるといい』についてはこちらから。1食のごはんしたくはなんと30アクションも必要だった。そんな気づきをベースに「ラク」と「楽しい」を調合する実用エッセイです。


髙塚しいもさんの薬箱とスパイス




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三條 凛花 最後までお読みいただき、ありがとうございます♡