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日記 │ インクトーバーはじめました。


涼しくなってくると、絵を描きたくなる。

一昨年と去年の10月もそうだった。
思いきってけっこうな額を注ぎ込んで、絵を学んでいた。




大人になってから絵を学んだ理由


わたしは実用書の著者をしている。
専門は暮らし系コラム。

けれども依頼は多岐にわたっており、文章と挿絵をセットで依頼してもらったこともある。


文も絵も自家製


雑貨や花など「無生物」の絵はわりと得意だったのだけれど、生き物全般が描けないのが悩み。
人間も、ねこも。


そんな経歴を持ちつつ、一昨年の秋、わたしには迷いがあった。
読者さんが打ち明けてくれた「文字を読むのが苦手」という悩みになにかできないだろうか──と。
コミックエッセイを描いてみたい。そう思ったのだった。


描いたら世界がぎゅんと広がった


大人になってから、なにかを勉強するのは、片づけの資格を取ったとき以来。

とにかくたのしかった。夢中になった。
講座は動画で観られるから、子どもがねむったあとにスマホで観て、たくさんメモを取った。


同時に、いつでもスケッチブックを持ち歩いて、ひたすら練習をこなしていった。


左が古く、右が新しい
🔎ジェスチャードローイング

絵を描くためには観察することが大切で、それまではいかに効率的に暮らすかどうかばかり考えてきたわたしにとって、久しぶりにゆったりとした時間が流れていくのを感じた。


なにより、世界の見え方が、解像度が、まったく別ものになった。

たとえば、空の青をどうやったら表現できるか考える。
真っ暗な夜道で、水路に映った光の色は?
人の身体を描くときは、トイレットペーパーの芯みたいな筒をイメージすると一気に描きやすくなる──!


スノボしている夫を写真に撮って
あとで描いたもの


なにもかもが新鮮で楽しくて、没頭した。


転機が訪れたのは半年後。
子どもの入院がきっかけだった。

ほんの数日だったものの、連続練習の記録が途絶えた。

心配で不安で、ずーっと張りつめていて気疲れしていた。
何日も泊まり込んで身体も疲れていた。


退院したあとも、そのままなんとなく、スケッチブックを開かなくなった。

手持ちぶさたになったわたしは、今度はマリオカートや、その待ち時間を生かした効率化にハマった。

そしてその後はnoteを再開し、専門だったコラムではない文章を書くことに全振りして生きている。


小説を書く楽しさ、或いは、苦しみ


9月末日に、公募作品を2つ応募した。

ひとつは10万字を超える長編。もうひとつは4000字のショートショート。どちらも書いているときはたのしかった。物語を生み出していくとき、完成させたとき、綺麗な表現が生まれたとき。もやもやしたものを言語化できたとき。

文章を書くということは、多角的な楽しみがある。

そのとき「そういえば前に出したのはどうなったのだろう?」と思って、ネットで発表日を調べた。それがいけなかった。

すべて落選していることに気がついた。

結果が出ていないものまでも、過去の受賞者であったり、通過者であったりが「◯日ごろに電話があった」というような事細かな記録を残していたりする。
その日をとっくに過ぎているわけで、まだ待ちたいという、すがるような気持ちが生まれてしまい、動けなくなった。


そんなとき「インクトーバー」を知った。


インクトーバーとは


毎年10月1日~31日までの1ヵ月間、インクを使って描いたイラストを1日1枚SNSに投稿するアートチャレンジイベント。

インクトーバーでは、日にちに合わせた31個のお題があって、それに沿って描いていく。

わたしは著書のなかで「とっておき家事」という試みwお提唱している。
飽きっぽいわたしでも続けられるように「先取りも後追いもOK」としているのだけれど、インクトーバーもそういうゆるいルールのようだ!

これならできるかも。
ちょっとだけわくわくした。

それに、1ヵ月間真剣に描いたら、すこしは絵がうまくなるかもしれない。


冒頭で紹介した1年間では、こんなふうに変化した。

※デジタル触ったことがない状態からのスタート……恥しかない




久しぶりに得た高揚感


これまで半年以上、夜はずっとパソコンに向かっていた。ひたすら言葉をパソコンで打ち込んでいた。

棚の奥でねむっていたスケッチブックをひらいてみる。
3冊目に突入してから、なにも描かなくなっていたものだ。

つい数日前まで暑くてたまらなかったのに、いつのまにか、夜の書斎の空気は冷えていた。
温かいほうじ茶をこくりと口に含む。

そうして、お題に沿って、無心で手を動かした。
橙色の光のなかで、ざくざくと鉛筆を動かす音だけが響いている。

絵を描くのって、楽しい。
──久しぶりに思い出した。


インクトーバーをやりきったら、どれくらい変わるのだろう?
お題に沿って描く時間だけじゃなく、考える時間もたのしいし、成長できたらもっとうれしい。描いてみると、頭のなかに自然と物語が生まれていった。

中間選考で落選した作品を題材にしているけれど、その番外編を考えながらやってみてもいいかもしれない、なんてことを思った。

この日記では、先取りした分を含めて、わたしのインクトーバーを紹介していく。変化があるか、覗いてみてもらえるとうれしい。



わたしのインクトーバー(no.1~no.5)


day1. ひげ
day2. 織る、編む
day3 王冠
day4 濁った、暗い
day5 シカ


描いた絵は、創作大賞のお仕事小説部門に応募した作品のキャラクターである。

描いてみたら、ふしぎなことに頭のなかに物語が生まれた。
ショートショートにしてもたのしいかも。

『すくい』は、実用書著者としての経験から、本を出すとどんなことがあるのか、喜びと苦しさの両方を描いたもの。たくさんの方に感想をいただけたものの、こちらは中間選考を通過できなかった。

※わたしの通過作品はミステリー小説&ホラー小説


書き続けていると、どうしても、苦しくなってしまうことがある。

そういうときは違うことをする。10月じゃなくても、インクトーバーのようにお題を設けて描いてみるのもいいかもしれない。描いているうちに、今度は文章を書きたくなってきた。


▼いっしょにいかがですか。



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三條 凛花 最後までお読みいただき、ありがとうございます♡

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