【繰上げ受給のための家計簿】趣味を守るために日常から引き算した固定費
「我慢する節約」で心をすり減らしていませんか?
あれもこれも値上がりが続いて、とにかく1円でも安く抑えなきゃ……と思う一方で、趣味やお出かけを我慢して生活費を切り詰めていると、心が荒んできますよね。
テレビやネットの節約情報はありがたいのだけど、好きなものを我慢し続けたりしていると、なんだか体が縮こまってきてしまう。
以前の記事で、私は年金生活の家計において「お楽しみ費15%」を絶対に削らない、というお話をしました。
私にとってこの15%は、人生の「目的(聖域)」そのものだからです。
※私が減額リスクを知りながらも、大好きなことにお金を使うために繰上げ受給を選んだ理由(不安と楽しみのバランス)については、こちらの記事に書いています。
では、限られた年金予算の中で、どうやってその聖域を守り抜いているのか。
今日は、私が実際に行っている、ケチケチしない大人の「家計の引き算ルール」を具体的にお話しします。
【暮らしを支える枠】をカチッと決める。まずは見えない固定費の引き算
家計をコントロールする上で、一番やってはいけないのは「食費や交際費などの変動費を無理に削ること」です。
ここを削ると、ダイレクトに生活の潤いが失われます。
私がメスを入れたのは、「固定費(暮らしを支える枠)」です。
まず、何となく現役時代のまま払い続けていた「手厚すぎる保険」をバッサリと引き算しました。
日本の公的医療保険制度は非常に優秀です。
シニア世代になれば医療費の自己負担割合や高額療養費制度の限度額も変わるため、不安を煽る民間の医療保険に毎月何万円も投じる必要はありません。
次に、スマホの通信費や契約したまま眠っていた各種サブスクリプション(月額サービス)の徹底的な見直しです。
例えばスマホの通信費。
万が一に備えて、何十ギガものプランをそのままにしていませんか?
在宅時間が増えれば、そんなに大量の通信量は必要ありません。
電話かけ放題や留守番電話サービス、キャリアメール等々。
もういらないかな……というサービスはたくさんあるはずです。
例えば、動画配信サービス。
見たかった作品がここでしか配信されていないから、と契約したものの、他に観たいものも無く、利用しないまま契約が続いている。
あるいは、広告が流れるのが嫌で標準プラン(もしくは無料)より高額な料金を払っているとか。
音楽配信サービスもそう。
以前はよくダウンロードして聴いていたけど、最近は聴いていなかったり。
どれも1,000円前後のものですけど、これが意外とチリツモなのです。
これらのサブスクは、やめてもまた契約できます。
観たいものや聴きたいものが出たときに、また契約すればいいのです。
そして、私が最終的に大きなメスを入れたのは住居費でした。
私は賃貸派ですが、↓の記事は持ち家の方にも参考にしていただけると思います。
これらのことを、現在のライフスタイルに合わせて「今の私に本当に必要か?」と問いかけて、固定費をコンパクトに整えていきました。
ここに挙げた固定費は、生活の満足度を少しも下げることなく、家計の「土台のコスト」を劇的に引き下げてくれる、極めて合理的な引き算対象です。
家計簿は細かくつけない。枠だけを管理する仕分けロジック
固定費を綺麗に引き算できたら、日々の暮らしの管理は驚くほどシンプルになります。
私は、10円単位まで細かく書き留めるような、息が詰まる家計簿はつけていません。
やっているのは、シンプルに「口座と予算の枠組みの固定化」です。
【暮らしを支える枠(85%)】:家賃や光熱費、日々の食費や日用品など、生活を維持するための予算と特別予備費。ここは、先ほど固定費を引き算したおかげで、無理なくこの枠内にカチッと収まるようになっています。
【人生を味わう枠(15%)】:大好きな舞台や映画、本、お気に入りのカフェで過ごす時間など、私の心を豊かにするための予算。
毎月のスタート時点で、この「15%」を最初から別枠として、自分への「ご褒美予算」として先取りしてしまいます。
ある時は、友人と豪華なランチへ。
ある時は、好きな舞台やコンサートを良席で。
ある時は、欲しかったあのワンピースを買いに。
ベースとなる85%の枠内さえ守っていれば、残りの15%をいつ、どこで、どう使おうが自由です。
自分で家計をコントロールする、という本当の自律と優雅さ
「あれも足りない、これも備えよ」という雑音に右往左往してしまうのは、自分の家計の「枠」が不透明だからです。
家計の輪郭を自分の意思でコントロールできるようになると、不思議なほどお金への不安は消えていきます。
我慢する節約ではなく、知的に無駄を削る引き算。
枠をしっかり決めているからこそ、「楽しむことを楽しむ」という気持ちでいられます。
あなたも、誰かが作った不安の数字に振り回されるのではなく、「聖域」を守る自分だけのシンプルな仕組みを始めてみませんか。
梨乃
