細野晴臣の7インチコレクション(9枚)
恋は桃色

A面「恋は桃色」
B面「福は内 鬼は外」
作詞作曲編曲:細野晴臣
こちらはベルウッドレコード45周年記念7インチ復刻シリーズの再発盤
それにしても実際問題『HOSONO HOUSE』の中で何故「恋は桃色」が特に人気なのか最初はピンとこなかった、当時もシングルカットに選ばれているし、平成以降のはっぴいえんどフォロワーもこの曲を真っ先に挙げていたりカヴァーしてたりする、ラブソングだから、という単純な話なのかもしれないが、そういうことに拘らずに聴いていた自分としては「ろっかばいまいべいびい」「僕は一寸」「薔薇と野獣」等が好きなんです、ということでそれらが7インチだったらなと、或いはB面だったらな、っていうか「恋は桃色」は分かるとして、B面は何故か季節ハズレの「福は内、鬼は外」が選ばれた理由が分からない...
現在、Spotifyの再生数を見るに「恋は桃色」は特に人気ではない、日本と海外では人気曲が違っていたりするが、「恋は桃色」は日本だけの人気といえそうだ
2023年には50周年記念として、A面「恋は桃色」/B面『HOCHONO HOUSE』の「恋は桃色」という企画7インチがリリースされた
「宵待草」のテーマ

A面「宵待草のテーマ」
B面「冬の出逢い」
作曲:細野晴臣/編曲:矢野誠
1974年12月28日公開の映画「宵待草」のサウンドトラック盤、このシングルでは映画に即したタイトルに変更されていますが、翌75年6月リリースのアルバム『トロピカルダンディ』ではA面「宵待草のテーマ」が「漂流記」、B面「冬の出逢い」が「三時の子守唄」になりますが、「宵待草のテーマ」の方はこのシングルのみのヴァージョン
『トロピカルダンディ』には「漂流記」「三時の子守唄」の歌入りも収録されているので、インストであるサントラ2曲はシングルのみでアルバムにはいらなかったのではないかなと、要は『トロピカルダンディ』のB面というのは「漂流記」「三時の子守唄」の歌入り+サントラのインスト計4曲(実質2曲)+「ハニームーン」という構成なので、作品の性質上シングルカットしたサントラ2曲をアルバムには入れない代わりに、あと2曲新曲お願いします、と自分がディレクターであれば、そうリクエストしてしまいますが、実際には細野サンがB面の途中で力尽きたと、どっかのインタビューで言ってたような気もするし、A面はいいけどB面は鍋敷きにしていいからと高橋幸宏にレコードを渡したというエピソードも大昔にありましたので、そういう考えが駆け巡るのであります、しかしながら『トロピカルダンディ』リリース当時ははっぴいえんど〜『HOSONO HOUSE』の流れからB面の方が人気あったようで、A面の変わり様が評価されるのは後々だった模様
絹街道

A面「絹街道」
B面「ハニームーン」
作詞作曲編曲:細野晴臣
こちらは復刻盤で何年にリリースされたものか? 「北京ダック」復刻盤と連動してると思いきや、「北京ダック」はVIVIDで「絹街道」はウルトラヴァイヴからなので同時期だとは限らない、「北京ダック」と違ってDiscogsにも情報ナシ、改めて調べてみれば、98年に7インチ10枚組BOXでリリースされた『JAPANESE 70'S 7INCH BOX』からのバラ売りを入手したっぽい
改めて『トロダン』(当時スタッフはこう略していたそうです)からのシングルカットはこれで良かったのかと考えると、個人的には「絹街道」より「チャタヌガチューチュー」か「北京ダック」が適していたかと、「北京ダック」は後に新録でシングル化されるが、自分はアルバムヴァージョン派、中華街LIVEのフィルムのイメージも強い、B面は近年Mac DeMarcoにもカヴァーされた「ハニームーン」で良かったなというところ、しかしこれがA面だったらという感じではない
ちなみに『泰安洋行』からは「ブラックピーナッツ」が新録「北京ダック」のB面としてシングルカット、さらに次の『はらいそ』からはシングルカット無し(プロモ7インチは存在、激レア!再発すべし!)、7インチ好きの勝手な意見ながら、シングルに向いてる向いてないに関係なく何でもいいから出しておいてほしかった、しかし細野サンはシングルに興味なかったと思うし、歌謡曲やフォーク系全盛の最中、レコード会社的にもアルバムに集中してプロモーションするという戦略だったと思える、とはいえプロモオンリー7インチ「チャタヌガチューチュー / 100ワットの恋人」は存在、激レア!再発すべし!
小西康陽の本「わたくしのビートルズ」にて、ここにもよく書いてるような「7インチで欲しい、細野晴臣さん楽曲。」という項でA面「チャタヌガチューチュー」B面「三時の子守唄」とあり、コレもまたヨシ、自分的には「HURRICANE DOROTHY」が好きながらシングル向きではない、と思ってWikipedia見たらシングル予定もあったそうで
『トロダン』は73年『HOSONO HOUSE』のキングからクラウンに移籍して2年ぶりのアルバムリリース、その作風の変化について、はっぴいえんどからのファンは戸惑ったようで、それが次の『泰安洋行』のセールスに影響する、『トロダン』と『泰安洋行』を比べれば、コンセプト的にも『泰安洋行』の方がより素晴らしくなってると思うだけに残念だが、現在でも後追い世代含めてはっぴいえんど〜『HOSONO HOUSE』路線の方が人気が高い点は当時と変わらない
ジャケ裏に「ティン・パン・アレー第2弾!」とあるが、細野サンのセカンドとしてではなく、鈴木茂『BAND WAGON』に続いて、ということなんでしょう
北京ダック

A面「北京ダック」
B面「ブラックピーナッツ」
作詞作曲編曲:細野晴臣
こちらは95年のVIVIDからの再発盤を発売時に購入したが、すでにレコードを買っている時期でもなく、シングルヴァージョンはCDに入ってないから、という理由で買って初めて聴くことになる、しかしどちらかというとアルバムヴァージョンの方が好きなので、今更になって『トロピカルダンディ』のアナログが欲しいと思うが、時既に遅しですっかり高値、そして近年細野晴臣作品が次々とアナログでも再発される中、『トロピカルダンディ』と『泰安洋行』は何故か再発されず…(☞2025年『トロピカルダンディ』50周年記念でアナログ再発)
オリジナルシングルの発売時期に中華街LIVEが行われてますが、その時の「北京ダック」は鈴木茂のバンジョーがフィーチャーされたアルバム/シングルヴァージョンともまた違った趣き(PVさながらのフィルムが残ってます)
B面はアルバム『泰安洋行』収録の「ブラックピーナッツ」だが、このシングルの発売が76年4月、『泰安洋行』の発売が7月なので、先行カットというか、とりあえずシングルB面用の曲として制作したのが先ではないだろうか、歌詞はカリプソマナーの時事ネタとしてロッキード事件を取り上げている
この「北京ダック」のシングルヴァージョンはサブスク未解禁、『トロピカルダンディ』や『泰安洋行』のボーナストラックにも入ってなく、『ハリー細野 クラウン・イヤーズ1974-1977』を買うしかない
夢見る約束

A面「夢見る約束」
作詞作曲編曲:細野晴臣
片面ソノシート
『フィルハーモニー』を確か発売日に買っているが封入されてなかった、よって特典=ソノシートの存在すら知らず、知ったのは何年も後になってからのこと、それこそ85年春の『¥EN卒業記念アルバム』に収録された時も直前にリリースされた戸川純のアルバム『極東慰安唱歌』への提供曲を細野サン自身が歌い直したものだと思っていた(実際は逆だった)、特典がポスターの場合(『フィルハーモニー』のポスターをもらった人もいたかもしれない)、各レコード店の判断で予約したらもらえる、予約してなくても余ってたらもらえるとか曖昧なものだったが、ソノシートの場合は形状的にポスターのように店のバックヤードに保管されているのではなく、レコードと一緒にジャケの中に封入されていたと考えられ、ゆえに発売日に買ったのに封入されてなかったことから「初回盤にランダム封入」と結論づけている、もしソノシートもポスターのように別で保管されていたのなら、予約した人限定でもらえたのかもしれない(自分は予約せずにレコード店に行って買った)、ともかく当時手に入れた人の話を聞いたり、特典付き!とかの広告を見たことがない上での推測
そもそも「夢見る約束」は日立のラジカセ「パディスコ」のCM用に作られたようで、当時日立のラジカセやステレオのイメージガールになっていた杉田かおると細野サンが出演している映像まで残っているのだが(83年大晦日にNHKで放送されたYMOの特番で一部流れる)CMそのものがボツになる、この「夢見る約束」のソノシートには曲の前に細野サンの「あるCMでボツになった幻の歌謡曲」と前口上が入っているのだが、ボツにならなければシングルとして発売されていたのだろう(曲の世界観はゲルニカからのインスパイア)、一説には杉田かおるのシングルとしても企画されていたとの話もあり、よく聴けばうっすらと女声コーラスが入っており(杉田かおるの声とは確定出来ないが)、ひょっとするとデュエット企画だった可能性もなくはないかと、ボツの理由はわからないが、単にCMの出来に対してクライアントからボツをくらったか、杉田かおるの事務所(並びにレコード会社)とこじれたのか不明、因みにこの後も杉田かおるは引き続き日立のCMに出演、そして細野サンも単独で日立のCMに出演することになる
この細野サン前口上つきソノシートヴァージョンは¥EN-BOX1と2を発売時に両方買った人が応募でもらえた「寸志」という8cmCDに収録されている
「夢見る約束」にうっすらと入っていた女声コーラスは杉田かおるではなく小池玉緒だったと判明、2023年12月20日リリースの『TAMAO - Complete Yen Years』にも改めて収録された
三国志

A面「三国志メインテーマ」
作編曲:細野晴臣
B面「三国志ラヴテーマ」
作詞作曲編曲:細野晴臣/唄:小池玉緒
82年5月から始まった¥ENレーベルの7インチは、これが1枚目となった(YLR-701)、しかしその前に¥ENの7インチといえば細野晴臣「夢見る約束」(YEN-101『フィルハーモニー』特典ソノシート?)と高橋幸宏「回想/二人の陰に」(YEN-102 プロモオンリー)が既に存在しており希少高値
A面「三国志」はNHK人形劇のオープニングテーマ、B面「ラヴ・テーマ」を歌う小池玉緒は¥ENからアイドル枠?としてデビューが計画されていたが、結局この「三国志」と翌83年9月に発売されたシングル「鏡の中の十月」(オリジナル盤高値、そして2019年に再発)で終わってしまったものの、¥EN-BOXで未発表曲が収録されたことによりアルバムが計画されていたことが判明、「三国志」のエンディングで小池玉緒が出演して歌う回もあった、「鏡の中の十月」の方はPVやテレビ出演はなかったと思われるので、だとすれば歌って動いてる小池玉緒の姿はこれだけとなる
「三国志メインテーマ」は細野晴臣のアルバムには未収録なので、CDだと¥EN-BOXを買うしかないと思っていたが、下記のベスト盤に収録されていることが判明
小池玉緒の¥EN-BOXに収録されていた未発表曲は「三国志ラヴテーマ」他諸々と合わせて『TAMAO - Complete Yen Years』にまとめられた
スーパーゼビウス

A面「スーパーゼビウス(ガストノッチミックス)」
作曲編曲:細野晴臣
B面「ザ・タワー・オブ・ドルアーガ」
作曲:小沢純子/編曲:細野晴臣
2017年から7インチを集めだして、おそろしいと思ったのはプロモオンリー盤の存在である、アーティストのディスコグラフィを把握しただけではわからない、ないものがある、ないはずのものがある、シングルカットされてない曲が、12インチだけの曲が、B面の曲が違う、ヴァージョンが違う、CDシングルしかないと思ってた曲が… 等々、最初からこの曲は7インチで出てないから諦めるということが出来ないわけである、掘らなきゃわからないことがまだまだある
80年代中頃は12インチシングルがナウイとされており、シングルを7インチでは出さずに12インチだけでリリースというパターンがあるのだが、「スーパーゼビウス」もそれで、細野サンがプロデュースした(作曲ではない、ここ大事)『VIDEO GAME MUSIC』というアルバムからの単なるシングルカットではなく、「スーパーゼビウス」を12インチ用にリミックスしてリリース、そしてそれをさらにプロモ盤7インチのためにエディットしたという案件、これは当時このサイズのPVを観ていたし、¥ENBOXにも収録されていたので7インチの存在を知ってはいた、ないはずのものがあるシリーズとしては序の口ではあるのだが、なかなかお目にかかれない上にテープ等が貼られてない状態のは稀
B面は12インチに収録された一番短い曲が7インチに入れやすいから選ばれたって感じだが、どっちかといえば「Gaplus」にしてほしかったんですけども
銀河鉄道の夜

A面「銀河鉄道の夜」中原香織
作詞:松本隆/作曲:細野晴臣/編曲:細野晴臣、戸田誠司、福原まり
B面「別離のテーマ」
作曲:/編曲:細野晴臣
サントラを手掛けることはなかったナウシカから1年、 細野晴臣がリベンジなのかわからないがアニメ映画のサントラをついに手掛けることになる、同じ「宮」のナウシカより宮沢賢治「銀河鉄道の夜」の方が細野サンの好みにマッチしていたというか、世界観が通じてるのかもしれない
A面はサントラのテーマ曲を歌モノにリアレンジしたものだが、ナウシカ以降、映画のエンディングロールにタイアップ主題歌を流すのはやめようという、もはや映画界全体がそういう空気になっていたような気もする、ともかくテーマソングではなく、映画の中では流れないイメージソングというものに違和感がなくなってきたような
歌手はやっぱりナウシカ方式というか何というか新人を募集してデビューさせて歌わせてメディアに取り上げてもらうスタイルだったが、安田成美プロジェクトとは規模(金のかけ方)が違っていたために、中原香織はシングル1枚、しかも片面のみ、つまり1曲のみ存在するアイドルということで大変珍しいのではなかろうか、歌謡界においてシングル1枚で消えていく歌手がいるにはいるが、その場合でもAB面で2曲はある、その1曲で終わった理由にNON-STANDARDレーベルが短命で終わってしまったことが関係してる可能性も無きにしも非ずか⁈ いずれにしても早々に引退した理由は不明
B面はサントラからカットされた「別離(わかれ)のテーマ」なのでインストであるが、これはこれで7インチで聴けるサントラってことで貴重ではあるものの、NON-STANDARDのベスト盤に収録されてるA面のカラオケヴァージョンの方がベターだったかなと
ジャケは日本では少数派のセミハードジャケ、サントラアルバムのデザインは羽良多平吉だったが、このシングルもそうなのかは不明
SEX MACHINE

A面「SEX MACHINE」featuring James Brown
作詞作曲:Bobby Byrd、James Brwon、Ron Lenhoff/編曲:細野晴臣
B面「SEX MACHINE」featuring Maceo Parker
作詞作曲:Bobby Byrd、James Brwon、Ron Lenhoff/編曲:F.O.E
ステッカーが貼ってあるだけのジャケだけにグリーンとピンクとイエローと3種あり、発売時に買ったのは1番多いと思われるグリーンで、全部揃えようと気合いは入れてないのですが、最近イエローを入手、残りのピンクも気長に待ちます(☞2024年9月にコンプリート)
リリース時と同じ頃JBのオリジナルも聴き始めたので、グルーヴの違いに最初戸惑いましたが、後年良さがわかってDJing、本人を招くカヴァーって珍しいかも?っていうか本人が歌ったらカヴァーじゃないってことになりますが、これはあくまでFOEの作品でありまして、世界中のJBファンはこれを知ってか知らでか、しかし現在SpotifyでFOEの作品が聴けるのだが、この曲だけ聴けないNG案件、このシングルヴァージョンはFOEのCDには未収録、2019年リリースの『ノンスタンダードの響き』というBOXにAB面共収録された

裏ジャケに律儀に録音日(1986年2月9日)が書いてありますが、これは日本武道館で行われたFOEとJames BrownのジョイントLIVE(自分は行ってません)の翌日という強行スケジュール、LIVEでJBファンから非難を浴びた細野サンは失意のあまり?レコーディングを欠席、さらにJBの声はLIVE後でヘロヘロ、よってボーカル録り2テイク目を要求したら、契約書を書き換えろとミスターダイナマイト、何とかなだめて録音完了するも、そのままではOKテイクにはならなず、後日細野サンがボーカルトラックをテープ編集かサンプラーか不明ですが、クレジット通り「EDIT」して仕上げて何とか完成
B面はJBのボーカルの代わりにMaceo Parkerがサックスを吹きまくるヴァージョン、各面とも6分半ありますが、45回転でよくカッティング出来たなと、何ならシングルは冒頭の女子高生分だけアルバムヴァージョンより長いので、もうちょい7インチ用にエディットしても良かったのではと

ちなみに、その武道館LIVEも偵察していた坂本龍一が同時期に行っていた『未来派野郎』のレコーディングにMaceo Parkerをちゃっかりブッキングして「Broadway Boogie Woogie」でサックスを吹きまくってもらう!
YMOの他の2人と比べて細野サンの7インチは少ない、もっとシングルカットしてほしかった!ところだが、同じアメリカンポップスをルーツとする大滝詠一的7インチ45回転への偏愛も特になさそうだ、やはりこのままでは納得がいかないということで、細野晴臣提供曲コレクションを更新中
