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【アマノ文筆クラブ】思いつかない|エッセイ
タイトル:思いつかない
「今日は思いつかない。」
そうつぶやく日は、意外と多い。
机に向かっても、何も浮かばない。
窓の外を眺めても、言葉は降ってこない。
そんな日は、「今日は休みかな」と思うことにしている。
でも、不思議なことがある。
思いつかないと言いながら、お茶を飲む。
洗濯物をたたむ。
スーパーへ買い物に行く。
帰り道で空を見上げる。
そんな何気ない時間に限って、「あっ」と思うことがある。
思いつこうとしている時より、思いつく準備を忘れた頃のほうが、言葉は静かにやって来る。
だから最近は、「思いつかない」を悪者にしない。
それは空っぽではなく、次の何かが入る余白なのだと思う。
焦って埋めなくてもいい。
余白があるから、新しい景色が描ける。
今日も結局、「思いつかない」と思いながら書き始めた。
そして気がつけば、一ページが埋まっている。
案外、物語は最初から待っていたのかもしれない。
「思いつかない。」
その一言は、終わりではなく、始まりの合図だった。
了

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